#1 光は一体粒子なのか波動なのか?
実際のところ量子力学では「粒子」と「波動」の二面性があるということで決着しているが、現在でも完全なる定義づけは、“粒子と波動の二重性(Wave–particle duality)とは、量子論・量子力学における「量子」が、古典的な見方からすると、粒子的な性質と波動的な性質の両方を持つという性質のことである。”となっている。しかし、 光の正体は現在でも完璧なまでに解明されたとはいい切れないのである。
Wikipediaによれば、光のような物理現象が示すこのような性質(二面性)への着目は、クリスティアーン・ホイヘンスとアイザック・ニュートンにより光の「本質」についての対立した理論(光の粒子説と光の波動説)が提出された1600年代に遡る。その後19世紀後半以降、アルベルト・アインシュタインやルイ・ド・ブロイらをはじめとする多くの研究によって、光や電子をはじめ、そういった現象を見せる全てのものは、古典的粒子のような性質も古典的波動のような性質も持つ、という「二重性」のある「量子」であると結論付けられた。この現象は、素粒子だけではなく、原子や分子といった複合粒子でも見られる。実際にはマクロサイズの粒子も波動性を持つが、干渉のような波動性に基づく現象を観測するのは、相当する波長の短さのために困難である。
「粒子性」は、ここでは割愛して(別の専門書を参照されたい)、「波動性」について述べる。波動性つまりその代表である電磁波(electromagnetic wave)は、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。いわゆる光(赤外線、可視光線、紫外線)や電波は電磁波の一種である。電磁放射(electromagnetic radiation)とも呼ばれる。現代科学において電磁波は波と粒子の性質を持つとされ、波長の違いにより様々な呼称や性質を持つ。通信から医療に至るまで数多くの分野で用いられている。
電磁波は波であるので、散乱や屈折、反射、また回折や干渉などの現象を起こし、 波長によって様々な性質を示す。このことは特に観測技術で利用されている。
微視的には、電磁波は光子と呼ばれる量子力学的な粒子であり、物体が何らかの方法でエネルギーを失うと、それが光子として放出される。また、光子を吸収することで物体はエネルギーを得る。

・ホイヘンスとニュートン
最初期の光に関する総合的な理論は、まずホイヘンス、次いでニュートンにより、それぞれ対立するようなモデルが「本質」であるとして提唱された。
ホイヘンスによる光の波動説は光の干渉等をよく説明したが、他の現象について説明できない点があった。
続いてニュートンによって光の粒子説が唱えられた。粒子説では光の反射が容易に説明され、レンズによる屈折や、プリズムや虹などで見られる分光現象も説明できた。
・ヤング、フレネルとマクスウェル
1800年代初頭、ヤングとオーギュスタン・ジャン・フレネルによる二重スリット実験によってホイヘンスの波動説の証拠が得られた。二重スリット実験によって、格子を通った光は、水の流れが作るものと良く似た干渉縞を作る。光の波長もこの干渉縞のパターンから計算できた。光の波動説はすぐに粒子説に置き換わることはなかったが、粒子説では説明がつかない偏光等の性質も説明できることが分かり、1800年代中頃には光に対する主流な考え方になってきた。
1800年代終わり、ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、マクスウェルの方程式により光は電磁波の伝播であることを示した。この方程式は多くの実験によって検証され、ホイヘンスの考えは広く受け入れられていった。
#2 光エネルギー
光エネルギー(light energy)は、電磁波の一種である光がもつエネルギーを指す。単位はジュール(J)。光エネルギーは光に含まれる光子の数と光子の周波数(波長)によって決まる。 光子のエネルギーはその振動数によって決まり、以下のように表される。
h :
プランク定数
E : エネルギー
ν : 振動数
c : 光の速さ
λ : 波長
電波(長波、短波、FM波など)、光(赤外線、可視光線、紫外線)、X線・γ線はすべて電磁波とよばれる同じもので、粒子と波の両方の性質を持つ。光子のエネルギー(E)と波長(λ)は前述した関係式で結び付けられる。
このように波長はそのままエネルギーに変換されるが、一方では可視光線として色の変化を誘引する。つまり、分光スペクトルや虹の七色に見られるような色を創生する。
ちなみに、可視光線はJISによれば380nm~780nmと定義されている。


写真においては、「光と影」が映像に与える効果が甚大であることを鑑みれば、光についてよく理解して実用に生かすことが非常に重要なことであるが、現実にはあまり重んじられないように見受けられるのは、筆者だけなのだろうか?