アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

2019年01月

色の三原色 CMYK と光の三原色 RGB について

出典:http://www.trickprint.com/trickprint/cmykrgb-color.html(一部改変)

色の三原色:減法混色(CMYK)

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   CMYKとは、Cyan(シアン)Magenta(マゼンタ)Yellow(イエロー)の色の原色にBlack(ブラック)を加えた構成要素のことである。これをプロセスカラーと呼んでいた。CMYを同量ずつ重ねていくと明るさが下がり、やがて黒になるのが「減色混合」といえる。しかし、現実には黒ではなく青っぽい黒や赤っぽい黒になるため、CMYとは別にK(墨版、Key Plate)を用意している。四色刷りのカラー印刷は、通常このCMYのインクで刷られている。

白と黒について

減法混色では基本印刷しない部分を白色とみなしている。つまり、用紙の色が白となる。

黒色はKで表現し、中間色などはCMYの混色で表現する。

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「色」の三原色は物体色を生成する反射色となる。光を受けて反射した色を見ることになる(左図)。 当然、光の無い空間では何も見えず真っ黒となる(右図)。光を受けて色を反射し色を認識するので、光のない空間では反射させる光がないため何も見えず、色が無いと位置付けできる。

光の三原色:加法混色「RGB

 

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 RGBとは、モニタやプロジェクタで色を表現する発色方式のことで、光の原色である。Red(赤)・Green(緑)・Blue(青)で色を表現する。 これは「加色混合」という方式で、3色が混ざるほどに明るくなり白に近づいていく。

◆白と黒について

加法混色では光のない部分を黒色とみなす。つまり、黒は光のない部屋やブラックホールがそれに該当する。

RGBすべて重ね合わせると白色となる。

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「光」の三原色は透過光を生成する発光色となる。プロジェクタは光りを照射しスクリーンに画像を映する。明るい空間では少し見づらい(左図)。発光輝度が高いほど明るい場所で見やすくなる。光の無い空間では自発光するので良く見える(右図)。黒い光は存在しないので光が当たらない部分が黒色となる。この黒色は明るい空間では黒が締まって見えず、暗い空間ほど黒が締まって見える。

[注]インクink)とは顔料・染料を含んだ液体、ジェル、固体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられるものである。油性、水性などの種類がある。筆記や印刷で用いるものはオランダ語由来のインキinkt)と呼ぶ場合が多い。

日本や中国で古くから使われている墨もインク(黒)の一種である。黒は、墨だけではなく炭や煤などでも創ることができる。

TRICK PRINT(トリックプリント、株式会社SO-KENの商標)

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 「トリックプリント」とは、発光インク(RGB)をインクジェット出力した特殊プリントのことである。白地の紙にこの発光インクのみをプリントすると、通常の照明では何も見えず、ブラックライト(UV)を照射すると、インクが発光しフルカラーの画像が浮び上ってくる。

さらに、通常インク(CMYK)と発光インク(RGB)を重ねてプリントすると、通常の照明ではCMYK画像だけが見え、ブラックライトを照射すると発光インクが表れ、全く違った印象のインパクトの強い画像の表現が可能となる。

換言すると、発光インク(RGB)をインクジェット出力した特殊プリントを「トリックプリント」と呼んだ。ただ、発光インクで出力するに留まらず、通常インク(CMYK)と発光インク(RGB)を同時にズレなくプリントする画期的な特殊プリント技術を確立した。それにより出来るプリント内容を簡単に下記に紹介する。また開発を重ね、今まで難しいといわれた発光インクと通常インクでの2重印刷のシステム化にも成功した。通常の光で見た場合、すべて乳白色で区別が付かない。UV-A315400nm)の紫外線を当てると赤、青、緑に発光するインクである。インクは無色透明ではないので、用紙の種類によっては通常照明で薄っすらとみえる。

・紫外線発光インク:トリックプリントインクの仕組み

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CMYKの減法混色は明るい空間で視認性が上がり暗い空間ほど視認性が下がる。

RGBの加法混色は明るい空間で視認性が下がり暗い空間ほど視認性が上がる。

TRICK Inkは紫外線のエネルギーを受け可視光線を自発光する。

・白色再現と黒色再現について

TRICK PRINTはプロジェクタの原理に非常に近い印刷物となる。

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TRICK PRINT に置き換えて見ると

TRICKPRINTは紫外線を受けて自発光する。

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蓄光 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

蓄光とは、光(電磁波)(例:可視光やUV光など)を蓄えて、光照射を止めても発光する物質の性状をいう。なお、蓄光性を持つ物質が暗所で発光する際の光を「燐光」という。この発光の明るさを燐光輝度 (単位: cd/m2) で示す。

一般的に蓄光塗料、夜光塗料とも呼ばれる。

2019年現在の日本では、アルミン酸ストロンチウム (SrAl2O4) を主体とする製品が主流であり、化学的に安全である。通常、無色に近い乳白色をなしている。

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用途としては上図に示すように、畜光ラベルや夜間標識など、および時計の文字盤や計器盤などに使用されるほか、近年ではキーホルダーアクセサリーマニキュアなどのファッションに使用される。

日本国内では、いち早く横浜市交通局地下鉄プラットホームコンコースで蓄光式の避難誘導板を設置し、その後、東京都が火災予防条例で地下駅を保有する全ての鉄道事業者に蓄光性を持った明示物を設置することを定めた。

地震台風等の災害時に発生する停電によるブラックアウトに際し、電源を必要とせずに発光する「蓄光」は非常に有効な手段であると考えられ、広域避難場所や津波避難場所等の表示に蓄光を採用する動きが多くなってきている。

過去の蓄光顔料には耐水性が無く、屋外の使用が難しいとされてきたが、現在では蓄光顔料の粒子をガラスや高分子樹脂の被膜でコーティングする技術が開発され、屋内のみならず屋外でも使用される例も増えてきている。

蓄光顔料の世界シェアは日本の根本特殊化学1社が実質的に独占している (ライセンス生産を含む)


モード変換

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モード変換とは、作成中のドキュメントに設定されている「カラーモード」を、他のカラーモードに変換することをいう。一般的に行われるモード変換は、[RGB カラー]から[CMYK カラー]への変換である。(上図参照)これは、印刷物用の入稿データを作成する場合に行う。パソコンで扱うほとんどの画像は、[RGB カラー]で作成されている。

しかし、商業印刷の入稿データは、[CMYK カラー]が推奨されている。入稿データは、新規のCMYK 画像を作成するか、入稿までのどこかの工程で、[RGB カラー]から[CMYK カラー]にモード変換する必要がある。[CMYK カラー]に変換するときには、[カラー設定]の[作業用スペース]セクションにある[CMYK]に設定したカラープロファイル、または詳細設定の内容が反映される。商業印刷では、このような変換作業を「色分解」といい、一般的には「プロセスカラー」、または4つの色の頭文字を取って、「CMYK(シー・エム・ワイ・ケー)」と言われている。

 

[補遺]

RGBカラーとは

RGBカラーは、光の三原色「R(赤)・G(緑)・B(青)」のことである。
PC
のモニタやデジカメ、スキャナなどは、このRGBカラーで色が表現されているす。

これらは混ぜれば混ぜるほど色が明るくなり、白色に近づいていくため『加法混色』と言われている。

CMYKカラーとは

CMYカラーは、色料の三原色「C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)」のことである。

これらは混ぜれば混ぜるほど色が暗くなり、理論上は黒色に近づいていくため『減法混色』と言われている。CIE_xy_各種色再現域4

理論上と書いたのには訳があり、実際にはどんどん濁った灰色になっていくが、一般的にイメージする『黒色』にはなってくれない。 プロセスカラー印刷では、黒の部分を引き締めるために、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)にブラック(K)のインクを加えた4色(プロセスカラー)でフルカラーを表現しています。

カラースペース(色表現の広さ)について

RGBCMYKでは、再現できる色の領域(色空間・カラースペース)が異なる。
右図から、RGBでは再現可能であってもCMYKでは再現できない領域があることがわかる。
そのためRGBで作成されたデータを印刷すると、再現できない領域が別の色(CMYKでの近似色)に置き換えられ、全体的にくすんだ色味に仕上がる。
よって、印刷用データは、CMYKカラーで作成する必要がある。

 


デジタル画像の評価方法

デジタル画像の評価方法

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 図1は、デジタルカメラで撮影した画像をディスプレイでみて恣意的な画像に仕上げるためにディスプレイを見ながら画像の編集や加工を行い、最終的にインクジェットプリンタを用いて出力するというプロセスで、実際に評価する項目を視覚化したものである。

言うまでもなくあまり徹底されていないが画像評価というものは、画像創生と同じ程度に重要な行為である。何故かというと「撮る」「観る」「印す」といった3つの行為を実践する場合、何を基準にすべきかという観点で捉えると、「よく理解していない人」が多すぎる。

 撮影時に使用する機器(カメラ、パソコン、ディスプレイ、照明機器など)や計測器(各種チャート、カラーメータ、露出計など)あるいは出力機器(プリンタなど)はよく吟味するが、それらのツールを使って何が分かるか、何を意図しているのかを明確にしないまま、ただ経験的、慣習的にワークフローに沿って事を進めているが、少なくとも「恣意的な画像」を得るために「画像品質に要求される特性要因」(図1参照)をどのように評価し実践するかを念頭にしているのか疑問を感じる。

 想定さるコンテンツ(最終作品)は要求されるクオリティ(画像品位)をどのように織り込まれたものであるかを熟考してそれぞれの特性要因を醸成するテクニックを適用することが非常に重要である。

 主観的評価は、実際に見たものをそのまま評価するもので、「官能評価」という。また、客観的評価は、他人から観たらこう見える、という評価で実際には測定器やチャートを使って評価することであり、「定量評価」という。また、特性要因としては、「階調性」「色再現性(色域)」「鮮鋭性」「ノイズ性」及び「光沢性」(写真の場合のみ)の5項目が挙げられる。

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 図2は、最終的に得られた画像(表示系でも出力系でも関係なく)を観て、所期の目的を達成したかどうかを主観的評価と客観的評価を織り交ぜて精査しなければならない。

なお、画像の特性要因個々についてはここでは省略するが、必要に応じて個人(会社・団体なども)にあった評価方法を確立することが肝要である。

一般的な画像処理は、撮影直後のメタデータを色分解して光の三原色(RGB)での三次元の数値データとして置換する。このデータをLUTLookup Table、参照表)を用いて最近似色に符号化(数値化された情報を2値化した最適値)する。これらの符号化されたデータでデジタル画像を組み立てている。そして完成した画像を形成するが、変換過程でどんな特性要因に着目してデータ変換したかが、「恣意的な画像創成」の鍵を握る。勿論、恣意的な画像が得られなければ画像編集・加工するか撮り直しをすれば良いことは言うまでもないが、如何に効率よく最適な画像を創るかは、個人の自由意思で決定すべきことである。

アナログからデジタルへの変換方法


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・デジタル化の仕組み

 図1に示す通り、二次元画像や三次元画像を問わず、画像のデジタル化は、まず標本化から始まる。標本化する場合にはサンプリング周波数、つまり画像を分割する目盛の大小を決める。周波数が高ければ高い程、細かいサイズに分割できる。標本化が終ると、それを数値で置換する。これを量子化0,1の数字以外も含む)というが、量子化は離散的な値(とびとびの値)に数値化することである。また、デジタルの意味は、次の3つがある。

    0101の配列により情報を信号化し運用する総体的事柄をいう。(これは符号化である)

つまり、デジタルは01からなるコードをもとに表現される。数字・アルファベット・漢字・図などは、ドットの数が多くなるだけ書体や図の表現を詳細にかつ大量な処理を可能にする。アナログ情報と違ってデジタル情報は、その信号を遠隔地に劣化なく送信することができるのが最大のメリットである。

ここで注意すべきことは、「数値化」は単に1,2,3,4,5・・・と整数値で表現するが、それに対して「符号化」は整数値を01のみで表現することである。

②紙・マイクロフィルム情報(文書・帳票・図面)・写真などのアナログデータをデジタル信号に変換して記録することをいう。また、画像加工・コピー・検索・通信などデジタルデータにすることで利用範囲を拡大することができる。

③デジタルデータを活用することでオリジナルであるアナログデータの劣化防止、データ活用の効率化を実現できる。

-標本化 (Sampling)

 標本化または英語でサンプリング(sampling)とは、時間的に連続した信号を一定の間隔をおいて測定することにより、離散的な(連続でない、とびとびの)データとして収集することである。アナログ信号をデジタルデータとして扱う場合には、標本化が必要になる。標本化によって得られたそれぞれの値を標本値という。

連続信号に周期 T のインパルス列を掛けることにより、標本値の列を得ることができる。 この場合において、周期の逆数 1/T をサンプリング周波数(標本化周波数)といい、一般に fs で表わす。

周波数帯域幅が fs 未満に制限された信号は、fs 2倍以上の標本化周波数で標本化すれば、それで得られた標本値の列から元の信号が一意に復元ができる。これを標本化定理という。

数学的には、標本化されたデータは元信号の連続関数 f(t) とくし型関数 comb(fs t)の積になる(fs はサンプリング周波数)。これをフーリエ変換すると、スペクトルは元信号のスペクトル F(ω) が周期 fs で繰り返したものになる。 このとき、間隔 fs F(ω) の帯域幅より小さいと、ある山と隣の山が重なり合い、スペクトルに誤差を生ずることになる(この現象をエイリアシングという)。

サンプリング周波数は、音声等のアナログ波形を、デジタルデータにする際の標本化(サンプリング)で、1秒間における標本を採る頻度である。単位はHz

サンプリングレート、サンプルレートとも呼ばれる。

ある波形を正しく標本化するには、波形の持つ周波数成分の帯域幅の2倍より高い周波数で標本化する必要がある(これをサンプリング定理と呼ぶ)。 逆に、サンプリング周波数の1/2の帯域幅の外側の周波数成分は、復元時に折り返し雑音となるため、標本化の前に帯域制限フィルタにより遮断しておかなければならない。

音楽CDで使用されるサンプリング周波数は44.1kHzであるため、直流から22.05kHzまでの音声波形を損なわずに標本化できる。あらかじめ、カットオフ周波数20kHzのローパスフィルタで前処理が行なわれているが、人の可聴域の上限にほぼ一致しているため、実用上問題なく音声を再現できることになる。理論的には22.05kHzまで伝送可能だが、いかに急峻な減衰特性を持つフィルタといえども無限の減衰勾配を持つことはできない。22.05kHz以上で所定の減衰特性を持ち、かつできるだけ広い通過帯域と許容できる位相特性を持つフィルタとして、20kHz前後のカットオフ特性が選ばれることが多い。ただし、20kHz以上の高調波成分も、実際は聞く事が出来ていて、音色の違いとして感知できるという説もあり、カットしてしまうことは好ましくなく、アナログレコードの方が優れているという意見の根拠とされている。

また、フィルム映画やテレビジョン信号も、本来時間的に連続した画像を離散的な時刻で撮影した「コマ」を記録・再生するので、フレームレートも広い意味でのサンプリング周波数ととらえ、三次元ビデオ信号処理として扱われる。これは特にフレームレート変換を伴う方式変換技術や、インターレース/プログレッシブ走査変換、フレーム間圧縮を伴う高効率符号化技術などでは重要な概念である。

-量子化(Quantization

物理学において、古典力学で連続量と考えられていた物理量が、量子力学の量子条件に合わせて離散的な(とびとびの)値になること。連続量を不連続量で表す近似ではない。ミクロの世界が本質的に不連続になっていると考えなければならない。なお、古典力学の理論から量子力学の理論に移行するための手続きそのものを指す場合もある。具体的には正準量子化、経路積分量子化、確率過程量子化などが存在する。

情報理論において、アナログデータ(連続量)をデジタルデータなどの離散的な値で近似的に表すこと。離散値としてとりうる値の範囲を広げると(例えば値をあらわすのに用いるビット数を増やすと)、一般に量子化の精度を上げることができる。

データ圧縮においては、値の精度を落としてより少ない(粗い)区間に分け直すこと。元の区間に戻すことを逆量子化と呼ぶ。

-符号化 (Encode)

符号化あるいはエンコードとは、アナログ信号やデジタルデータに特定の方法で、後に元の(あるいは類似の)信号またはデータに戻せるような変換を加えることである。

一般的には、エンコードするための機器・回路・プログラムをエンコーダ、デコード(記事内後述を参照)するための機器・回路・プログラムをデコーダと呼んでいる。

特にコンピュータ(特にパーソナルコンピュータ)分野では、エンコードとは、音声や動画などをコーデックを用いて圧縮することを言う。一部では「エンコ」と略して呼ぶこともある。以下に符号化の3つのポイントについて簡単に説明する。

エンコード(encodeは、符号化といい、デジタルデータを一定の規則に従って、目的に応じた符号に変換することである。エンコード方法の詳細は符号化方式を参照のこと。

コンピュータにおいてはファイルの圧縮(「高効率符号化」ともいう)あるいは暗号化のことを指す場合もある。この場合エンコードを行う機能(ソフトウェアやハードウェア)を「エンコーダ」という。

デコード(decodeは、復号化といい、エンコードの対義語。エンコードした情報を元に戻すこと。復号する機能を「デコーダ」(decoder)という。情報の通信や記録を行う装置によっては、エンコーダとデコーダの両方を備える場合があり、このような双方向の変換機能あるいは変換装置、アルゴリズム等はコーデックと呼ばれる。

コンピュータでは、与えられた機械語を内部表現として解釈することをデコードと呼び、その論理回路をデコーダと呼ぶ。デコーダを中心に、命令とデータを収集し、演算部に情報を送る機構全体はフロントエンドと呼ばれる。

文字化けは、エンコードとデコードの方式に異なるものを用いると、符号が元に戻らない。その結果、本来のものとはまったく異なる意味不明の文字や記号の羅列が表示されることがある。これを文字化けという。例えば、Shift_JIS で記述されているWebページを、文字コードとして(Shift_JIS ではなく)Unicode を選択して読んだ場合、文字化けが起こる。

 

デジタル画像の仕組み

 部分的には、上述の内容と重複するので、飛ばし読みしても構わない。

・「画素」の「数字」への置換(量子化と数値化=符号化)

 デジタル化の仕組みについては、図2に示した通りである。

 アナログ画像がデジタル画像に変換されるプロセスは、

  画像分割 標本化(サンプリング)量子化 符号化(数値化)

であり、このプロセスがデジタル画像を作成するための基本ステップとなっている。

アナログ信号をデジタル信号に変換する場合は、基本的に、

    標本化(Sampling):アナログ情報から一定の時間間隔で標本(サンプル)を取り出す

    量子化(Quantization):標本化された情報を決められた整数レベル(デジタル・レベル)に整える

    符号化(Encoding):量子化された信号をデジタル値にする(例:0110

3つのステップがある。

標本化(サンプリング)

PCMで考えると、まず入力されてきたある帯域のアナログ信号の周波数(例:固定電話のアナログ音声信号の周波数は最大3.4kHz4kHz)をデジタル化する場合には、まず、その帯域の2倍以上の周波数(標本化周波数という。この例では4kHz×28kHz)で標本化(サンプリングという)することが必要になる。

このような操作をする理由は、2倍以上の周波数によって標本化すると、デジタル化した信号を元の連続的なアナログ信号に完全に復元できることが分かっているからである。これは、「シャノン(Shannon)-染谷の標本化定理」あるいは「サンプリング定理」と呼ばれ、また「ナイキスト(Nyquist)の定理」と呼ばれることもある。

「量子化」から「符号化」へ

取り出されたそれぞれの標本値(サンプル)は、アナログ信号であるから連続的な値で表現されるが、次に、これを必要なレベル数のデジタル表現(整数値)に変換する。これを「量子化」と言う。このとき、何ビットでデジタル化するか(これを量子化のレベルという)によって、画像(音の場合も同じ)が粗くなったりきめ細かくなったりする。

例えば、標本化のレベルが、

    4ビットの場合は4ビット=2416レベル(粗い画像)

    8ビットの場合は8ビット=28256レベル(一般的な画像)

    16ビットの場合は16ビット=21665536レベル(きめ細かい画像)

というようになる。(ただし、16ビットは一般的な画像では扱わない)

 

 近年普及してきたデジタルアーカイブ(NHKなど)は、長年保存すべく記録として、アナログ(銀塩フィルム)を基調にデジタル変換して加工・編集されている。

当時のフィルムは解像度などの表現力は相当あったが、表示方式や表示器を含めてトータルシステムにおいて、画像処理の劣化が改善されず、従って画像の表現力が優れていなかった。しかし、現在は画像処理技術が発展・進歩してきており、当時表現できなかった画像が今見ると鮮やかに蘇ってきているのを見ると、やはり時代の進化によってアーカイブス(映像記録)の価値が高まったといえる。

実はハロゲン化銀によらないアナログ復活の素材研究が既になされて来ており、これが実用化されれば良し悪しは別にして再びアナログの時代がやってくるかも知れない。

 

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