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美と哲学

ピタゴラスそしてピタゴラス派の哲学学校は文字通りの数に関する真実性を信じていた。二つの自然数の比として表現できない数の存在は自然に背くことだと考えていた彼らにとって無理数の存在の発見は大きなショックであった。現代の見方ではピタゴラスの数に関する神秘的な扱いは数学者によるものというよりは数秘術者による扱いであると考えられている。ピタゴラスの不十分に洗練された世界で欠如していたものは自然数の比の無限数列の極限、すなわち現代の実数に関する概念である。
プラトンの哲学では2つの世界、すなわち我々が住む物理的世界、そして数学を含む普遍の真理を持つ概念的世界、がある。彼は物理的世界はさらに完全な概念世界の単なる投影像であると信じていた。
ガリレオ・ガリレイは全ての現代物理学の数学的基盤と整合する一文として「数学は神が創造した世界を設計するために用いた言語である」と主張した。
ハンガリーの数学者、ポール・エルデシュは無神論者ではあるが、「神が最も美しい数学的証明を書き下した想像の書籍がある」と考えている。エルデシュが個別の証明の評価を要求されたとき、「その神の書籍が根拠だ! (from The Book!)」と絶叫した。この世を神が創造したときの法則に関する根源的な真実の発見として、数学は神という異なる宗教において擬人化されたものの自然な候補である。
20世紀のフランスの哲学者アラン・バディウはオントロジーは数学であると主張する。バティウは数学、詩、そして哲学の間の深いつながりを信じている。
いくらかのケースでは自然哲学者と数学を繁用する他の科学者は、美と物理的真実の間の飛躍的な予想を作ったが、真実でないことが明らかになったものもある。例えば、ヨハネス・ケプラーは彼の生涯において、当時知られていた太陽系の惑星の軌道の均衡性は、5個のプラトン立体の配列から神が構成し、それぞれの軌道はひとつの多面体に外接かつ別の多面体に内接する球上にある、と信じていた。プラトン立体は確かに5個あり、ケプラーの仮説は6個の惑星軌道のみに適合するものであり、後の天王星の発見によって否定される。