光と色の関係は密接である。つまり、電磁波である可視光線は物体の色が持つ固有の波長(周波数の逆数)によって決まるのであるから、当然のことながら色を決めるのは光そのものであることは間違いのないことである。また、可視光線は図に示すように太陽のスペクトルとして抽出できるので、いわゆる虹の七色は創成される。

 目に見える色は光(白色光)は物体に照射され、それが持つ色成分を反射し、それをヒトの目で捉えて、初めて色として認識される。

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 色(colorは、可視光の組成の差によって感覚質の差が認められる視知覚である色知覚、および、色知覚を起こす刺激である色刺激を指す。

色覚は、目を受容器とする感覚である視覚の機能のひとつであり、色刺激に由来する知覚である色知覚を司る。色知覚は、質量や体積のような機械的な物理量ではなく、音の大きさのような心理物理量である。例えば、物理的な対応物が擬似的に存在しないのに色を知覚する例として、ベンハムの独楽がある。同一の色刺激であっても同一の色知覚が成立するとは限らず、前後の知覚や観測者の状態によって、結果は異なる。


・光と色の三原色

 光や色には、それぞれ基本となる3色の色がある。これらを光の三原色、色の三原色という。では、それらはどんな色のことを指し、どんな違いがあるのかをまとめてみた。

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-光の三原色

割合を変えて混ぜ合わせ様々な色光を表現することができる、基本となる「R(レッド)」「G(グリーン)」「B(ブルー)」の3色のことできないある。

*光源色 

太陽光や白熱光、蛍光灯など、光源そのものが発っしている色のことを「光源色」という。

*加法混色(加色混合)

光源色は、太陽光や液晶ディスプレイなど色光を指し、光の三原色であるRGB混合比によって表せられている。光源それぞれが持つ色光の明るさが重なり、もとの光の明るさに足されて明るい色になるので、RGBを同じ量で混ぜ合わせると白になる。

-色の三原色

割合を変えて混ぜ合わせ様々な色材を表現することができる、基本となる「C(シアン)」「M(マゼンタ)」「Y(イエロー)」の3色のことである。

ヒトが見ている色は、物体が光源からの光の一部を吸収し、残りの光を反射している。この反射された光が人間の目に入り色として認識されてる。

物体によって光のどの部分をどれだけ吸収し、どれだけ反射するかは異なるため、それぞれが固有の色を持つことになる。なので光が照らされない真っ暗な部屋で物体を見ると、色どころか、物の形も分からなくなる。

*物体色 

自ら光を放たず光に照ら参照らされて見える色のことを「物体色」という。また、物に光が照らされたときに、その光の一部は物体内部に吸収され、それ以外の吸収されなかった光は跳ね返り、この反射した光を人間の目が色としてとらえる。この色を「表面色・反射色」といい、光が透明、または半透明な物体を通り抜けて見える色を「透過色(ガラス、セロファンなど)」という。

*減法混色(減色混合)

物体色は、そのもの自体が発光しないものの色のことを指し、色の三原色であるCMYの混合比によって表せられている。絵具やインクなどは物体色であるため、光を吸収する性質を持っているので、透過率が下がり暗い色になり、CMYを同じ量で混ぜ合わせると黒に近い色になる。

理論上では、CMYによって全ての色が表現できるとされているが、実際にはCMYを混ぜ合わせ綺麗な黒を表現することは技術的に難しく、鈍い色にしかならない。このため、プリンターなどの印刷機で黒をより美しく表現するために黒(K)をプラスして表現している。

 *プロセスカラー 

黒を含んだCMYKを「プロセスカラー」 と呼び、通常のカラー印刷の多くはこの4色が用いられている。

ちなみに黒の「K」は、黒インクで画像の輪郭細部を表現するために使われた、印刷版のことを「Key Plate」と呼び、これを使用する際に黒インクが用いられていたことから、黒の略語に「K」が用いられている。