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数学と芸術

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  数学における美学の心理は、統合心理学  におけるピエロ・フェルッチの業績である精神解析学以後の手法、認知心理学 ( シェパードトーン (無限音階) における自己相似を用いた錯覚の研究) 、美学的評価の神経心理学、などとして研究されている。 これらは単に数学の芸術への応用としてのみではなく、数学の持つ美を見える・聞こえる・感じる、といった方法による表現、すなわち表現の美をもたらす。 なお、これらは単に数学を利用した芸術として扱うべきものではなく、数学の深層美がそこに存在することが重要であろう。 いくつかの芸術分野での数学的な美の例を以下に示す。

音楽

ヤニス・クセナキス の確率的音楽、ヨハン・セバスチャン・バッハの対位法、 イーゴリ・ストラヴィンスキーの春の祭典のようなポリリズム的構造、エリオット・カーターのMetric modulation、アーノルド・シェーンベルクの十二音技法での順列、そしてカールハインツ・シュトックハウゼンの Hymnen でのシェパードトーンの応用など。

舞踊術

シャッフルは Temple of Rudra (オペラ) での舞踊術に適用されている。

美術

美術のなかでの顕著な一例は黄金比である。美術作品での対象物の形、構図、などにおいて安定性のひとつの根拠として用いられている。これが数学的な定義による黄金比の輸入によるものであるにしろ、結果として美術作品から黄金比が見いだされたものであるにしろ、数学と美術の関連性を示す有意な例である。このような安定性を与える他の例として白銀比、フィボナッチ数がある。

ビジュアルアート

カオス理論とフラクタル幾何学のデジタルアートへの応用、レオナルド・ダ・ビンチの対称性の研究、ルネッサンス美術の遠近法の開発における射影幾何学、オプ・アートでのグリッド、ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタのカメラオブスキュラでの光幾何学、解析的な立体派と未来派など。