2.5 標準光源と人工光源

Fig1_2_5_1 標準光源は、測色用の標準として用いられる光源である。白熱電球を代表する A 正午陽光とほぼ同じ B 平均太陽光に近い C 三種類が国際的定められている。

また、CIE標準光源とは、測色用に定められたCIE標準の光を実現するために、CIE(国際照明委員会)によって定められた人工光源のことをいう。

照明光の分光分布が変化すると、1つの物体色に対して無数の三刺激値が存在する。このため、色を表示する際の標準的な照明光として、CIE標準の光源が定められた。

実在する標準光源としては、以下の規定がある。

標準光源A:相関色温度2,855.6Kのタングステン電球

標準光源Bすでに廃止された

標準光源C:標準光源Aに規定のフィルタを組み合わせ、相関色温度 6,774K にした光源

その他D65DTなどを実現する人工光源は、いまだ確定されていないが、JISでその評価方法が定められている。

 一方、人工光源は、太陽光以外の人工の光源である。自然光と呼ばれているものは狭い意味では太陽光または太陽光が青空や雲により反射されて地上に届く、いわゆる昼光のことである。一方、広義には特殊な自然光として月明かり、星明かり、稲妻、火炎、生物発光なども挙げられる。自然光に対し、人工光源は人間が意図して作り出した光源であり、最も代表的なものは電気エネルギーを利用した光源(ランプ)であろう。人工光源の分類法としては幾つかの方法が行われている。例えば発光原理によって大分類する方法、加熱方法によって大分類する方法、あるいは歴史的な出現順序に従って大分類する方法などである。また発光物質の相状態に応じて気体、液体、固体の発光として大分類し、その後に発光原理や加熱方法等によって分ける方法も考えられる。

一般には加熱方法による分類と発光原理よる分類はほぼ一致するため、両者を混合した大分類法がよく用いられている。この分類方法に従うと燃焼、電気抵抗加熱(白熱発光)、ガス放電、EL、レーザーなどに大分類することになる。この分類法は、応用の立場の技術者にはなじみやすい方法であり、また歴史的な出現順序にもほぼ一致している。従って、ここではこの方法に従って分類する。なお燃焼光源を自然光源とするか人工光源と考えるかには意見の分かれるところであるが、単なる薪の燃焼は自然光源と考え、十分な加工を施した油灯、蝋燭、ガス灯などの光源は、人工光源として扱われている。

Fig1_2_5_2
 光源の違いによって、色温度も異なるので、色違いが起こり様々な色に変化してしまう。

Fig1_2_5_3
 上図は、光源(照明)を変えて実際に撮影されたものであるが、同じ被写体でもかなり違う結果である。このように、光源の影響を極力なくすためには、照明を吟味する必要がある。照明選定の3ステップは、

1.照明の当て方(正反射光/拡散反射光/透過光)を決める

・検出部分の特徴(キズ・形状・有無等)を見る。

・表面は平面か曲面か、凹凸があるかを見て決める。

2.照明方法・形状を決める

・ワークの立体的条件や設置条件から決める。

リングかローアングルか同軸かドームか など

3.照明の色(波長)を決める

・ワークと背景の材質や色を見て決める

青か赤か白か など