アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

2019年08月

光と色の基礎知識 No.1

1.光学概論

人間とは、地球上で生活を営む生命体で、社会的なありかた、関係性、人格を中心にとらえた「ひと」のことである。また、その存在のありかた全体を指すこともある。

地球=太陽系に属する惑星で、様々な物理法則から逃れられない。

生命=生物が生物として自己を維持、増殖、外界と隔離する活動の総称で固有の特性を持つ。

太陽=銀河系(天の川銀河)の恒星の1つである。太陽系の物理的中心であり、太陽系の全質量の99%以上を太陽が占める。典型的な主系列星で、スペクトル型はG2V(黄色)である。推測年齢は約46億年で、主系列星として存在する期間の半分を経過しているものと考えられている。

太陽の光(可視光線)には、無数の色が含まれている。

太陽光=白色光(色が見ない光)で、分光するとスペクトルが得られる(分光スペクトル)可視光線=電磁波の一部で、380nm780nm(JIS)の波長範囲を持つ

Fig1_0_1

全ての分光スペクトルを束ねて逆に辿れば、元の白色光に戻る。

色の違いは、波長によって決定される。

Fig1_0_2

#1 スペクトル

スペクトル(spectrumは、複雑な情報や信号をその成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したもののことである。2次元以上で図示されることが多く、その図自体のことをスペクトルと呼ぶこともある。

様々な領域で用いられる用語で、様々な意味を持つ。現代的な意味のスペクトルは、分光スペクトルか、それから派生した意味のものが多い。

Fig1_0_3

・分光スペクトル

分光学では、電磁波(光)をプリズムや回折格子といった分光器を通すことにより得られる、電磁波の波長ごとの強度の分布を分光スペクトルという。分光スペクトルには、対象物と光との関係によるスペクトルの種類とスペクトルの波形の特長による種類とがある。

・対象物と光との関係によるスペクトルの種類

-光源スペクトル

対象物が発する光のスペクトルをいう。

-反射スペクトル

標準の光源に対し、対象物で反射する光のスペクトルをいう。

-透過スペクトル

標準の光源に対し、対象物を透過する光のスペクトルをいう。

-吸収スペクトル

標準の光源に対し、対象物が吸収する光のスペクトルを吸収スペクトルという。一般的に吸収しやすい光のエネルギー(波長)は、物質によって異なる。直接は計測できず、減算で計算する。

・スペクトルの波形の特長による種類

-連続スペクトル

熱放射による光はあらゆる波長の光を含んでいる。このような光はプリズムで分光すると連続的な虹色の模様になる。そこでこのような光のスペクトルを連続スペクトルという。

-輝線スペクトル

電離あるいは励起された原子から放射される光は原子内の電子のエネルギー準位が量子化されているため、ある特定の波長だけに限られている。このような光はプリズムで分光すると離散的ないくつかの光の線となる。この光の線を輝線といい、輝線からなるスペクトルを輝線スペクトルという。

-吸収線スペクトル

連続スペクトルを放つ光源と観測者との間に原子が存在すると、その原子がある特定の波長の光を吸収して励起されるため、その波長での強度が減少したスペクトルとなる。このような光はプリズムで分光すると連続的な虹色の模様の中にいくつかの暗い線が見られる模様となる。この暗い線を吸収線または暗線という。吸収線を持つスペクトルが吸収線スペクトルである。

光は粒子と波動の二重性を持っていることがヤングの実験によって実証されている。

粒子と波動の二重性(Waveparticle dualityとは、量子論・量子力学における「量子」が、古典的な見方からすると、粒子的な性質と波動的な性質の両方を持つという性質のことである。

光のような物理現象が示す、このような性質への着目は、クリスティアーン・ホイヘンスとアイザック・ニュートンにより光の「本質」についての対立した理論(光の粒子説と光の波動説)が提出された1600年代に遡る。その後19世紀後半以降、アルベルト・アインシュタインやルイ・ド・ブロイらをはじめとする多くの研究によって、光や電子をはじめ、そういった現象を見せる全てのものは、古典的粒子のような性質も古典的波動のような性質も持つ、という「二重性」のある「量子」であると結論付けられた。この現象は、素粒子だけではなく、原子や分子といった複合粒子でも見られる。実際にはマクロサイズの粒子も波動性を持つが、干渉のような波動性に基づく現象を観測するのは、相当する波長の短さのために困難である。

Fig1_0_4

光が波動でもあることから、色も波動で表現できることが一般的に知られている。これは、プリズムによって得られた分光スペクトルによって色分けでき、いわゆる虹の七色を形成している。これを「色の三属性」に当てはめてみると、光のエネルギーの大小で明度を決め、電磁波の高低で彩度を決め、そして周波数の違いで色相を決めている。

 

#2 電磁波

 電磁波(electromagnetic waveは、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。いわゆる光(赤外線、可視光線、紫外線)や電波は電磁波の一種である。電磁放射(英: electromagnetic radiation)とも呼ばれる。現代科学において電磁波は波と粒子の性質を持つとされ、波長の違いにより様々な呼称や性質を持つ。通信から医療に至るまで数多くの分野で用いられている。

電磁波は波であるので、散乱や屈折、反射、また回折や干渉などの現象を起こし、 波長によって様々な性質を示す。このことは特に観測技術で利用されている。

微視的には、電磁波は光子と呼ばれる量子力学的な粒子であり、物体が何らかの方法でエネルギーを失うと、それが光子として放出される。また、光子を吸収することで物体はエネルギーを得る。電磁波と波長の関係は下図に示した通りである。

なお、可視光線は、JISによって定められており、380nm780nmの範囲となっている。

Fig1_0_5
Fig1_0_6


λ は波長、E は電場の振幅、M は磁場の振幅を表す。横軸は距離であり電磁波の進行方向を指す。縦軸は電場と磁場であり、磁場の軸は奥行き方向に倒して描かれている。図に示されるように、電磁波は横波として伝播する。(上図の説明)

 電場と磁場は真空中にも存在でき、波を伝える媒体となる物質(媒質)が何も存在しない真空中でも電磁波は伝わる。電磁波の電場と磁場の振動方向は互いに垂直に交わり、電磁波の進行方向もまた電磁場の振動方向に直交する。つまり電磁波は横波である。基本的に電磁波は空間中を直進するが、物質が存在する空間では、吸収、屈折、散乱、回折、干渉、反射などの現象が起こる。また、重力場などの空間の歪みによって進行方向が曲がる(歪んだ空間に沿って直進する)ことが観測されている。

Fig1_0_7媒質中を伝播する電磁波の速度は、真空中の光速度を物質の屈折率で割った速度になる。例えば、屈折率が 2.417 のダイヤモンドの中を伝播する可視光の速度は、真空中の光速度の約 41% に低下する。ところで、電磁波が異なる屈折率の物質が接している境界を伝播するとき、その伝播速度が変化することによって屈折が起こる。これを利用したものにレンズがあり、メガネやカメラ、天体望遠鏡などに使われ、電子回路の複写などにも利用されている。 なお屈折率は電磁波の波長によって異なるため、屈折する角度も波長に依存する。これを分散と呼ぶ。虹が七色に見えるのは、太陽光が霧などの微小な水滴を通るとき、分散があるために、波長が長い赤色光と波長の短い紫色光が異なる角度に屈折するためである。

電磁波は、特にその波長によって物体との相互作用が異なる。そこで、波長帯ごとに電磁波は違う呼び方をされることがある。すなわち、波長の長い方から、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線(あるいはガンマ線)などと呼ばれる。我々の目で見えるのは可視光線のみだが、その範囲(波長 0.4 μm 0.7 μm、正確には380nm780nm)は電磁波の中でも極めて狭い。可視光線の中では単色光の場合、赤、黄、緑、青、紫の順に波長が短くなる。そのため、ある基準よりも波長の長い電磁波を「赤い」、波長の短い電磁波を「青い」と表現することがある。 前述の通り、真空中では電磁波の速さは一定であるため、波長の長い電磁波は振動数が小さく、波長の短い電磁波は振動数が大きい。

電磁波には重ね合わせの原理が成り立ち、電磁波は線型性を持つことが知られる。線型性によって、電磁波を平面波、すなわち特定の振動方向と進行方向を持つ波の重ね合わせとして表現することができる。平面波はまた、同じ方向へ進む正弦波を用いて分解することができる。各々の正弦波は、波長、振幅、伝播方向、偏光、位相によって特徴付けられる。

ある電磁波を多くの正弦波の重ね合わせとみなしたとき、波長ごと、あるいは振動数ごとの成分の大きさの分布をスペクトルという。 例えば、理想的な白色光はすべての波長成分が一様に含まれている。逆に単色光は1つの波長成分だけを持つ。



画像の表現と調整方法(2/2)

・色温度とホワイトバランス

-色の生成

・ホワイトバランス

 ホワイトバランス(White Balance, Color Balanceは、カメラにおいて、さまざまな色あいの光源のもとで、望んだ色調の写真を得るための補正のことである。パランスについて純白の被写体をどう写すか、という点に代表させてホワイトバランスと言う。一般に赤みがかったり青みがかったりといった光源が多いため、赤-シアンを主軸とする「色温度」の調整が主となるが、他色の方向での調整も含む。

ICS_色調整_明るさ_コントラスト_線形_0a_new
ICS_色調整_明るさ_コントラスト_線形_0b_new
・厳密に正確な色再現

 フィルムカメラで厳密に撮影する場合は、カラーメーターによって色温度を測定し、その色温度に適した色補正用フィルタを装着したり、特殊なフィルム(タングステンタイプなど)をもちいて撮影している。アーカイブ目的の場合はカラーチャートを一緒に写し込む場合もある。デジタルカメラではカメラに内蔵されている機能で補正が可能なため、色補正の機材の準備や手間がかからない。これは、フィルムカメラによる撮影と比べて大きなメリットである。

-ホワイトバランス機能の種類

ホワイトバランス機能には、だいたい以下のような種類がある。上位機になるほど、手動操作が可能になり機能が多い傾向がある。

オート

撮影対象の光源の状況を、画像エンジンが自動で判断し、適正な色状態を再現する。略称はAWB。撮影場面によっては補正が足りない、あるいは過剰補正となる場合も多々ある。そもそも、万能なオートホワイトバランスというものは存在せず、カメラ毎にメーカーの開発部門の設計思想を反映していると思しき「癖」が存在している。

プリセット(等。ニコン他「プリセット」の語をこの機能ではなく次に説明する機能に使っているメーカーもある)

晴天時や曇天時・電球光・蛍光灯・エレクトロニックフラッシュ光などごとの、あらかじめ用意されている設定から選択する。

プリセットホワイトバランス(ニコン・ペンタックス)・マニュアルホワイトバランス(キヤノン)・プリセットカスタムホワイトバランス(フジフイルム)・ワンタッチホワイトバランス(オリンパス)・カスタムホワイトバランス(ソニー・シグマ)・ホワイトセット(パナソニック)・ワンプッシュホワイトバランス

色基準(純粋な白色もしくはグレー。白紙を使うのが簡単だが、撮影機材では露出確認用の18パーセントグレーが兼用される)となる被写体を撮影者が用意し、それをカメラに測定させ、それを基準とする。

-色温度指定

色温度を直接、あるいはスライドバー操作などでマニュアル入力する。

-ホワイトバランス補正

露出補正と同様、オートあるいは前述の測定によるバランスから、マニュアルで補正・調整するもの。たとえば、夕日の写真を撮る際に正常なホワイトバランスでは赤みがうまく表現できない場合、赤系に補正して赤みを強調させる、といった効果を出すことができる。

ホワイトバランスブラケティング

オートブラケット機構の1つで、オートバランスや設定値から、青系・赤系and/or緑系・赤紫系で前後何段階かシフトさせ同時に(あるいは連続して)撮影する。

以上は撮影時の設定だが、いわゆるRAW画像データが取得可能な場合、いわゆるRAWデータ現像時にも、ホワイトバランス調整が可能である(ないし、調整が必要である)。

 

色調整のポイント

・明るさとコントラスト

 下図は「明るさ」と「コントラスト」の簡単な調整方法である。これら4つの方法はいずれも「トーンカーブ」を操作して色調整を行うものである。

 そもそもトーンカーブとは写真の明るさや明暗の比率(コントラスト)を自由に調節するためのものである。「トーン」とは「調子」と言う意味で、写真では軟調~硬調などのような用語としても使われている。その「調子」を曲線を使って思い通りに調節できるのがトーンカーブである。

ICS_色調整_明るさ_コントラスト_調整_1_new

重要なことは、下図に示すように、明るさは「補正なし」の特性を上下方向に平行移動することである。つまり、光エネルギーを増減さうることで得られる。

一方、コントラストは「補正なし」の特性の傾き(勾配)を中心値の周りに回転させることである。

 明るさの補正やコントラストの補正で、値を変化させることによって、上側に飽和した場合には「白飛び」が発生し、下側に飽和した場合には「黒飛び」が発生するので、そのときの効果(現象)をよく把握して補正を行うことがとても重要なことである。

ICS_色調整_明るさ_コントラスト_調整_2_new
・ガンマ補正

 画像や映像の色の明暗が出力機器で正しく表示されるよう、対象機器のガンマ値に応じた色の補正を行うことをガンマ補正(gamma correctionという。

画素の色データをそのまま入力値として表示装置に像を写すと、装置のガンマ特性に応じて色にひずみが生じ、中間階調の色が本来より過度の暗くなったり明るくなったりする。これを避けるため、機器の持つガンマ値を打ち消すようにデータに補正を加え、表示された状態が本来の色に近づくようにする。

例えば、液晶ディスプレイのガンマ値は約2.2であるため、画像の色データをそのまま入力すると本来より暗く沈んだ表現となってしまう。このとき画像側にガンマ値約0.452.2の逆数)の補正をかけた値を入力すると、本来の表現に近い像が得られる。

実際には、ある機器に合わせたガンマ値が設定された画像などを別の機器で扱う場合に、特性の違いによる明暗の歪みが生じないようガンマ値が1に近づくよう補正することを指すことが多い。

ICS_色調整_明るさ_コントラスト_画質_ガンマ補正_rev
  上図に示すように、実際のガンマ補正は、機器側のガンマ特性に合わせて、自然な色になるよう色情報 ( 色データ ) を調整して帳尻を合わせる仕組みのことである。

 通常、ディスプレイのガンマ特性は中間調が暗くなる傾向にある。

そこで、あらかじめ中間調を明るくしたデータ信号を入力し、「入力:出力」のバランスを「 1 1 」に近づけることで、色情報を正確にやり取りできるように工夫している。

画像の表現と調整方法(1/2)

・色温度とホワイトバランス

 -色温度

ICS_色調整_モニタ個体差_変化理由_2_new色温度(いろおんどcolor temperatureとは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。単位には熱力学的温度の K(ケルビン) を用いる。

ここで定義する色温度は、「表現しようとする光の色をある温度(高熱)の黒体から放射される光の色と対応させ、その時の黒体の温度をもって色温度とする」ものである。

物体が理想的な黒体であると想定すると、ある温度において黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。定性的にいえば、温度が低い時は暗いオレンジ色であり、温度が高くなるに従って黄色みを帯びた白になり、更に一段と高くなると青みがかった白になる。このように、白という色を黒体の温度で表現することができる。

どのような物質も、高熱を加えると、その温度によってさまざまな波長の光を放射するようになる。その色合いは、物質ごと、温度ごとに微妙に異なる。例えば、鉄の破片など金属をガスの炎で加熱すると光を発するようになる。このとき発せられる色を「呈色」というが、最初の温度が低い段階は、赤色かオレンジ色であり、温度が上昇するごとに次第に白く輝くようになり、やがては青白い光へと変化していく。

どんな物質でも、温度によってさまざまな波長の光を放射するようにななり、その呈色(色合い)の様相は、物質ごと、温度ごとによって微妙に異なってくるということである。

*色温度の単位

理想的な黒体を想定すると、ある温度において黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。温度が低い時は暗いオレンジ色であり、温度が高くなるにつれて黄色みを帯びた白になり、さらに高くなると青みがかった白に近くなる。このように、白という色を黒体の温度で表現することができ、この温度を色温度と呼ぶ。

ICS_色調整_モニタ個体差_変化理由_3_new

(このカラーチャートは概略図であり、特に物体を特定して色温度を計算したものではない。理論式については「プランクの法則*1」に従っている。)

朝日や夕日の色温度はおおむね 2000 K であり、普通の太陽光線は 5000 - 6000 K である。澄み切った高原の空の正午の太陽の光はおおよそ 6500 K といわれる。これらは、一般に考えられている白よりかなり黄色っぽい。実際に物体を照らす光には天空光(直射日光以外の光)の青色がかなり色みに影響しており、6500 K よりも高い色温度では「白」く感じられる)。

*1 プランクの法則

ICS_色調整_黒体放射_スペクトル_1

プランクの法則(Planck's lawとは物理学における黒体から輻射(放射)される電磁波の分光放射輝度、もしくはエネルギー密度の波長分布に関する公式をいう。プランクの公式とも呼ばれる。ある温度 T における黒体からの電磁輻射の分光放射輝度を全波長領域において正しく説明することができる。1900年、ドイツの物理学者マックス・プランクによって導かれた。プランクはこの法則の導出を考える中で、輻射場の振動子のエネルギーが、あるエネルギー素量(現在ではエネルギー量子と呼ばれている)ε = hν の整数倍になっていると仮定した。このエネルギーの量子仮説(量子化)はその後の量子力学の幕開けに大きな影響を与えている。

*色の再現性

写真やテレビ、パソコンのモニタ(ディスプレイ)などでは、色温度は色の正確な再現のために重要である。

写真では、スタジオ撮影のライト(写真・映画用タングステンランプ)が 3200 K、太陽光線が 5500 K と想定されており、フィルム(長露光用のタングステンタイプと短露光用のデイライトタイプ)はこの色温度の照明下で最適な色再現ができるよう作られている。

色彩工学では「標準の光D65」が現在の事実上の標準であり、これは色温度 6500 K である。アメリカのカラーテレビ(NTSC)では色温度基準は 6500 K で、日本のテレビ (NTSC-J) の色温度基準は 9300 K であり、かなり青みがかっている。

パソコンのモニタは 9300 K が主流だが、極端な廉価品を除き、6500 KsRGBモード)と5000 K に変更できるため、グラフィックデザインや映像制作などの都合で適切な色温度を選べる。また、鋭く青白い 9300 K の設定から温和な 6500 K 5000 K に変えることで作業者の疲労感(ストレス)が和らぎ、色彩についての正確さが厳しく要求されない場面でもこの機能は有用である。PowerStripf.luxのようなソフトウェアでもパソコンの色温度が調整できる。

部屋の照明に利用されている蛍光灯では、「電球色」「昼白色」「昼光色」等に分類されて色温度が3200K程度、5200K程度、7200K程度に設定されている。

これらの設定は、蛍光灯や白熱灯などの照明光源やカメラやディスプレイなどさまざまな視覚に関する機器に対して、光の色の基準として使用されている。

*色温度と視覚

人間の視覚における色の認識と色温度とは比例関係にない。そのため、人の感じ方により近い表現として、色温度の逆数である逆色温度を使う方法がある。逆色温度はケルビンでの値の逆数の K−1(毎ケルビン)ではなく、それを100万倍したミレッド (M) またはメガ毎ケルビン (MK−1) を使う(呼び名は違うが大きさは同じ単位である)。

ICS_色調整_明るさ_コントラスト_線形_0_new
屋内照明として広く利用されている蛍光灯は主に「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」に分類されており、順に約3000 K3500 K4200 K5000 K6500 Kである。これらは、それぞれ 333 MK−1286 MK−1238 MK−1200 MK−1154 MK−1 となり、全て差が 40–50 MK−1 前後になり、色の変化が一定に感じられる。色温度が高い側の間隔が広く、その中間の色温度の蛍光灯があまりないのはこのためである。前記のうち、現在は「電球色」「昼白色」「昼光色」が一般に販売されており、LED照明もこれに準じている。

上図に示すように、人間の眼やカラーフィルムにとって、どのくらい光源の色温度が変わると光色が違って感じられるかということはきわめて重要であるが、その許容範囲(ラチチュード) は、通常の人間の眼で光源によって違うけれど100以下~300K程度が限界であり、照明光源の色温度の変化がラチチュードの限界以内であれば、実用的には問題ないということである。そこで、これを昼光用(デーライトタイプ)の場合にあてはめて色温度のラチチュードを求めてみると、5,500Kのランプの場合は5,208Kから5,814K、また3,200Kのランプの場合は3,096Kから3,303Kとなり、撮影光源の色温度がこの範囲内にあれば、実用上のラチチュードに入ると考えて問題ない。(ただし、厳密にみると若干の違いがあるので注意を要する)

以上のデータを見ても判るように、色温度の高い蛍光灯はかなり広いラチチュード(5,500Kでは±約300K)を持つが、色温度 の低い白熱電球などはきわめて狭い(3,200Kでは±約100Kしかない)ので、色温度を調節するのに、色温度が低い状態ほど厳密に管理する必要があるということが判る。

また、正しい色を創出させるためには、適正な色温度を持った光源を選定する必要がある。

3,500K:白熱灯の下で表示される際の色温度。この環境では、黄色ないし薄緑がかって

      見える。

4,100K:白色蛍光灯の色温度。これはCIE標準光源のF2又はF6の光源を示す。

5,500K:日光を含む昼間の明かりの色温度で、標準光源D50D65の間にある。

      CIEではD55を標準として定義するのに用いられる光源を、日光又は天空光と

呼んでいる。

6,500K:この白色点は、CIEの標準光源D65に近い色温度である。

7,500K:この白色点は、CIEの標準光源D75に近い色温度である。

9,300K:これは、Apple製パソコン用モニタの白色点である。

 

三原色の原理と階調表現

・和集合、積集合での色表現

色の混合には、下図に示すように加法混色と減法混色の2つがある。

ICS_色混合_加減法_1_new一般的には、加法混色は加算、減法混色は減算として説明されているが、もう1つの表現方法がある。それは、論理学(ブール代数)の応用であるが、この理論を適用すれば、加法混色は「和集合(論理和)」で考えること、および、減法混色は「積集合(論理積)」で考えることができる。

つまり、色光の三原色であるRGBと色材の三原色であるCMYの関係は、右図に示すようになる。加法混色では、R+G=YG+B=CB+R=Mが導き出される。(和集合)

これは、ブール代数の論理和に相当する。

一方、減法混色では、Y*C=GY*M=RC*M=B    

が導き出される。(積集合)

これは、ブール代数の論理積に相当する。この考え方は、色フィルタを重ね合せる原理に基づいているものと解釈してよい。

このように色の混合は、いろいろな表現方法があるので、最も理解しやすい方法で覚えるのがよい。このことを踏まえ導き出せる「混色の法則」について以下に説明する。

-加法混色

これは光を混ぜたときに適用される。 絵の具を混ぜる場合とは状況が異なるので注意が必要である。絵の具の代わりに、ここではカラーテレビの液晶モニタ(LCD)を例にとって考えてみる。LCDには赤・緑・青の3つの小さなドット(エリア)が1つのかたまりとして無数に並んでいる。この赤・緑・青の3色の明滅具合によって、いろいろな色が再現される。これらの色は何かに反射したものではなく、それ自体発光している「色光」である。このように色光どうしが混ざり合う場合を加法混色という。

-減法混色

加法混色の三原色は赤・緑・青(RGB)であったが、減法混色における三原色は「緑みの青(シアン)」「赤紫(マゼンタ)」「黄(イエロー)」である。では、絵の具を例にして考えてみると、たとえば、キャンバスを彩る黄色い絵の具の色は、光源(太陽や蛍光灯など)の光が絵の具に当たって反射したものを黄色と感じているに過ぎない。黄色は中波長と長波長の光が混色されてできる色である。つまり、黄色の絵の具は短波長(青に見える部分)の光を吸収してしまう性質を持っている。

光の三原色や色の三原色は、光(透過)と色(反射)といった自然現象から来る当然の帰結であるが、その本質的な違いを良く理解すべきであることを強調したい。

時として、三原色など初歩の初歩だと軽んじている人を散見するが、本当に色の本質を知って色づくりを行うことの重要性を認識すべきである。(甘く見て、軽んじてはならない)

ここで述べた集合論(積と和)は色の混合を理解するのに役立つものであるから、色を扱う現場で大いに活用していただきたい。

-色の混合(生成)

色材の三原色であるシアン、マゼンタ、イエローの3色による混色では、原色を重ねるごとに、眼に入ってくる光は引き算するように少なくなって(暗くなって)いき、3色とも等濃度で重ねると灰から黒の無彩色になる。逆に、スポットライトの光を重ねるように色光の三原色、つまりRGBの光を 重ねていくと、重ねる度ごとに明るくなっていき、RGB3色とも等濃度で重ねると最も明るい場合は白(純白)になる。これらのことから、色材の混色を「減法混色」、光の混色を「加法混色」と呼ぶようになった。

色の混合は「光」であれ、「色」であれ、色空間の全てを満たすものである。しかし、「色」の場合は色空間の範囲は「光」ほど広くなく、従って表現できる色数も限定的になる。

そのため、レンダリングインテントによって限りなく近似した色で表現することになるが、この処理は厳密に言えば「色の一致」(100%の色再現)ではない。印刷系のごく一部ではそれでも「完全な色の一致性がある」と言っているが、それを言う場合の前提条件を明確にした説明、議論にしないと話にならないことを理解すべきである。勿論、感覚的に目で色を数値化することは無理であるあるので、どうしても測定器や什器を使用して色値を計測するが、それらの機器は誤差を持たず100%正確に測れることは量子力学の基礎理論からして不可能であることを理解できれば、そのような理屈が通らなことは明かである。

 

・階調と濃度表現

下図に示すように、一般にグレースケールで表現される。

ICS_色調整_グレースケール_1
 グレースケールGray Scaleまたはgrayscale)とは、コンピュータ上及び写真での色の表現方法の一種である。デジタル画像の中でも、ピクセルの標本値に光度以外の情報が含まれていない画像のことである。グレースケールでは、二値画像と異なり、画像を光が最も強い白から最も弱い黒まで間の灰色の明暗も含めて表現する。

グレースケールの画像は観測した光が紫外線、可視光線、赤外線だった時、ピクセルごとの電磁スペクトルの帯の光の強さを測定した結果としても得られる。またそれらは特定の周波数の光のみが捕捉された場合、単色であることが多い。また、グレースケールはフルカラーの画像から作り出すこともできる。

-数値表現

 ピクセルごとの光の強さの表現には範囲がある。この範囲は抽象的には、0(光が全くない状態:黒)から1(すべての光が最大限出ている状態:白)までの値を取りうる。この表記法は学術論文等で使われているが、この表記は色度学的に白や黒がどんな色であるかは定義していない。

他の記述法としては、光の強さをパーセンテージで表す方法がある。この場合ではスケールは0%から100%までとなる。これは光の強さをより直感的に表現することができるが、もし値が整数値しか用いられなかった場合、表せる光の強さは101種類だけとなり、幅広いグラデーションの色を表すには不十分である。またパーセント表記法は ハーフトーン印刷でどのくらいのインクが使われたかを示すのにも使われるが、そうなるとスケールの上下が逆転し、0%が紙の色の白(何も印刷されていない)、100%が真っ黒を表すことになる。

コンピュータの中では、グレースケールは有理数を用いて計算されるが、画像のピクセルは量子化されたバイナリの形で保存される。初期のグレースケールモニターの一部は、4ビット、つまり16段階しかICS_色調整_グレースケール_1d表すことができなかった。しかし現在では、写真などグレースケールの画像は8ビットで保存されるのが普通になり、256段階の光の強さで表示、記録、印刷できるようになっている。しかしその256段階は非線形のスケールになっている。この8ビットという値は、ブロックノイズを回避できるぎりぎりの値だが、1ピクセルがちょうど1バイトであるので、プログラミングには都合が良い。     しかし、医用画像処理やリモートセンシングなどの技術的な利用に対しては8ビットでは足りない(もっと高画質なものが必要)ので、センサーの精度を十分に活かすために1ピクセルあたり10ビットや12ビットの画像が用いられ、コンピュータ内で近似誤差(英語版)が起きないようにしている。この場合、コンピュータが処理しやすい16ビットが用いられることも多い。TIFFPNGなどの画像ファイルフォーマット(英語版)などは製作当初から16ビットをサポートしている。しかし、多くのブラウザや画像プログラムではこれを8ビットにして表示している。

ピクセルの色深度がいくらであっても、値が0の時は黒で、最大値(8ビットでは25516ビットでは65,535)では白であることは同じである。

[補遺]カラーをグレースケールに変換する理論的考察

RGBに基づく色空間の色を光度だけで表されるグレースケールに変換するためには、線形RGB空間において重み合計(英語版)を計算しなければならない。それはつまり、ガンマ圧縮関数は最初にガンマ拡張によって取り除かれるということである。

sRGB色空間では、ガンマ拡張は次のように定義される。

ICS_色調整_グレースケール_1b





ただし、CsRGBはガンマ圧縮されたsRGBの原色(RsRGBGsRGBBsRGB)のうちのいずれかの光の強さの値で、それぞれ0以上1以下である。また、Clinearは、それに線形的に対応するRGBの光の強さの値である。(こちらも0以上1以下)したがって、光度は3つの線形的な光の強さの値の重み合計として計算される。sRGBの色空間は、CIE1931色空間では線形光度Yで表され、以下のように与えられる。

Y = 0.2126 R + 0.7152 G + 0.0722 B

係数は、人間の三色型色覚における各色の認識の強さを測定したものを表しており、原色ごとに異なる値である。特に、人間の視覚が最も敏感に反応するのは緑で、最も反応が鈍いのは青である。グレースケールの強さを線形のRGBに変換する際、3つの原色の光の強さは全て同じ値(計算によって導かれた線形光度Y)に設定されている。(この時、(R,G,B)=(Y,Y,Y)となる。)線形光度は通常ガンマ圧縮して非線形表現に戻さなければならない。しかしsRGBでは、3原色の強さの値が全て、上に示したガンマ拡張の逆操作であるガンマ圧縮によって

ICS_色調整_グレースケール_1c




実際には、3原色の強さの割合が全て同じであるため、値をsRGBおよび単一チャンネル表現に対応した画像フォーマット(英語版)に一度保存するだけでよい。sRGBの画像を認識できるウェブブラウザやその他のソフトウェアは、sRGBを用いている時には、通常3原色が全て同じ値である場合のカラー画像とグレースケールの画像で全く同じ処理が行われる。

現代のデジタル技術を応用したデジタルカメラに用いられた撮像素子(CCDC-MOS)は色を持っていない。そのために光学フィルタを使ってわざわざRGB3色の成分に分解してそれを画像形成する際に合成した色として表現している。そうした仕組みを良く理解すると「カラー」は「モノクロ」の階調を基調とした合成技術の賜であることが理解できよう。

-階調 ( shade)  階調数 / 諧調

階調とは、コンピュータが画像を扱う際に、色の濃さや明るさを何段階で表現することができるかを表す数を指す。この数が大きいほど細かな色や明るさの違いを表現できるが、画素あたりのデータ量は増大する。

自然界では色は光の波長によって異なり、連続量の一種だが、コンピュータで画像を扱う際にはこれを離散量(有限桁の数値)に変換する必要がある。その際、ある色の最も明るい(濃い)状態と暗い(薄い)状態の間を何段階で識別・表現することができるかを表す値が階調である。

-ガンマ値  gamma value  γ値

ガンマ値とは、画像の入出力機器の特性を表す値の一つで、入出力される信号や電圧と、実際の画素の輝度などの関係を表したものである。

表示装置で発光素子などに対して加える電圧の変化と、対応する輝度の変化は正比例とはならず、入力値を装置に固有の指数でべき乗した値に比例するという関係になることが多い。この固有の指数のことをガンマ値と呼び、機器の種類や原理、個別の製品の設計などによって異なる。液晶ディスプレイの場合は2.2前後の値となる。

ICS_色調整_グレースケール_ガンマ_2_new
最も単純な階調は白黒画像(モノクロ2階調)であり、すべての画素が真っ白と真っ黒のいずれかで表現される。一般にモノクロ画像あるいはグレースケール画像と呼ばれるものは白と黒の中間に濃さの異なる複数の灰色を表現することができるもので、よく用いられる256階調(各画素の情報量は8ビット)のモノクロ画像では白、黒、254段階の灰色の256色を表現できる。

カラー画像の場合は色を複数の原色に分解し、各色の階調の組み合わせで表現できる色の数が決まる。一般的には色をRRed:赤)・GGreen:緑)、BBlue:青)の3色に分解し、それぞれを同じ階調で表現することが多い。この各色について256段階(8ビット)の階調を扱うことができる方式を「フルカラー」(full color)あるいは「トゥルーカラー」(true color)と呼び、16777216色を表現することができる。

ICS_色調整_グレースケール_3
 

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