アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

2019年04月

光と色の関係と発生原理(2/2)

・光電効果

光電効果photoelectric effectとは、外部光電効果と内部光電効果の総称である。単に光電効果という場合は外部光電効果を指す場合が多い。内部光電効果は光センサなどで広く利用される。光電効果そのものは特異な現象ではなく酸化物、硫化物その他無機化合物、有機化合物等に普遍的に起こる。

外部光電効果:金属等に光を照射すると光電子が飛び出す

物質に光を照射すると、電子(光電子)が物質の表面から放出される。この現象を外部光電効果、または単に光電効果と言う。広義には電子のみならず、原子や分子が外部に放出される現象も含める。また、気体の原子や分子が自由電子を放出する光イオン化(英: photoionization、光電離)も広義の外部光電効果である。

光電子の放出は物質に一定の振動数以上の光を照射した時のみ発生する。このときの振動数を限界振動数 ν0 と言う。またその時の波長を限界波長 λ0 と言い、これらの値は物質の種類によって決まっている。入射光の強度にはよらない。

この現象の起こりやすさは仕事関数 φ で表すことができ、ν0 λ0 を用いて書くと、c を光速、e を電気素量として

ICS_光_光電効果_概念_1a_new



と表される。

-応用例

外部光電効果の応用例としては、外部光電効果型の光センサ(光電管、光電子増倍管や撮像管など)がある。光電面には仕事関数の小さいアルカリ金属が用いられる。内部光電効果を利用したものに比べて暗電流が少ない、線形性が良いなどの特徴を持ち、光やX線の高感度検出や精密測定に用いられる。特に光電子増倍管は汎用の超高感度光センサとしての用途が広く、原子吸光分析法等、各種の研究開発や工業生産・測定などの現場で利用されている。

また、放出された光電子のエネルギーや運動量を調べることで物質内部のバンド構造や表面状態などを調べられるため、光電子分光法などの分析手法にも応用される。

ICS_光_光電効果_概念_1b_new
・光度、輝度、照度の関係

 光束は,光源全体の明るさを示す指標である。単位はlm(ルーメン)。照明用光源の明るさを表す際によく用いられる。光源から放射された光の明るさを人の目の感度(視感度)を考慮して表した物理量となる。具体的には,等方性の光度1cd(カンデラ)の光源から1sr ステラジアン)の立体角内に放射される光束が1lmとなる。ここでsrは立体角の単位であり,球の半径(r )の2乗(r 2)の面積を,球面上から切り取る円錐形状の頂点が成す角を示す。

 光度は,光束の立体角密度を示す指標である。単位はcd。表示用LEDなどのまぶしさを表す際に用いられることが多い。周波数540×1012Hz(波長555nm)の単色放射を放出し,所定の方向におけるその放射強度が1/683W/srである光源の,その方向における光度が1cdと定義される。

 輝度は,光源をはじめ,反射面や透過面などの2次光源から観測者に向かって発する光の強さを示す指標である。単位はcd/m2。光束と同様に人の目の感度に合わせて表した物理量となる。液晶パネルやPDPといった,ディスプレイの画面の明るさを表す際によく用いられる。

  照度は,平面内に照射された光の明るさを示す指標である。単位はlx(ルクス)で,lm/m2と表すこともある。光源から平面状の物体に向けて放射された光束のうち,単位面積当たりに入射する光束の量となる。照明器具では,その器具で面を照射したときの面上での明るさを比較する際に用いられる。

ICS_光_光電効果_概念_2
光束と照度,光度の関係をまとめたもの(図:日亜化学工業の資料を基に本誌が作成)

 光束と光度,輝度,照度の関係を簡単にまとめると,光束を単位立体角で割ったものが光度,光束を照射する単位面積で割ったものが照度,光度を照射する単位面積で割ったものが輝度となる。

ICS_光_光度_輝度_照度_関係_1_new照明を評価するには、「光束」、「光度」、「照度」、「光束発散度」、「輝度」という5つの測光量を利用している。ここでは、「光度」、「照度」、「輝度」の3つを上述の内容と重複するが大事なので簡単に説明しておく。

光度とは

 光源から出る光が方向により感じている光の強さが異なることは、その光源は各方向へでていく光束の量が異なるためである。光源からある方向へでていく単位立体角当たりの光束の量は光度という。

光度の量記号はIで、単位はcd(カンデラ)である。

光源から光束が出ている。ある方向の立体角度はωとする。その立体角ICS_光_光度_輝度_照度_関係_2_new度ωに当たる面積に照らす光は光束Φとする。

 光度Icd) = 光束Φ(lm) ÷ 立体角度ω(sr

 光度は上記の計算式を利用して、光束と立体角度から求める。

照度とは

  照度とは、光源から出ている光がある面対して、どの位降り注いているかを表すもので、単位面積あたりに照射する光束で定義している。

照度の量記号はEで、単位はlx(ルクス)である。

照度というのは、単位面積に入射する光束なので、次の式で求める。

 照度Elx) = 光束Φ(lm) ÷ 面積Am^2

さらに、照度の大きさを比較する。

    、②のように、光源が近ければ、照度が高くなり、明るく感じる。

    、④のように、光源の入射角度が垂直でなく斜めになれば、照度が低くなり、暗く感じる。

 ⑤、⑥のように、光源の数が多ければ、照度が高くなり、明るく感じる。

輝度とは

  輝度は光源が輝いている程度を表すために使われている。ある方向に対して、光源からの光度をその方向からの光源の見かけ面積で割った値は輝度という。 輝度の量記号はLで、単位はcd/m^2(カンデラ毎平方メートル)である。

輝度は次の式で求める。

 輝度Lcd/m^2) = 光度Icd) ÷ 面積Am^2

輝度は光源面だけではなく、光が照らしている壁などの面に対しても使われている。

光と色の関係と発生原理(1/2)

 光と色の関係は密接である。つまり、電磁波である可視光線は物体の色が持つ固有の波長(周波数の逆数)によって決まるのであるから、当然のことながら色を決めるのは光そのものであることは間違いのないことである。また、可視光線は図に示すように太陽のスペクトルとして抽出できるので、いわゆる虹の七色は創成される。

 目に見える色は光(白色光)は物体に照射され、それが持つ色成分を反射し、それをヒトの目で捉えて、初めて色として認識される。

ICS_光_プリズム_分散_6_new

 色(colorは、可視光の組成の差によって感覚質の差が認められる視知覚である色知覚、および、色知覚を起こす刺激である色刺激を指す。

色覚は、目を受容器とする感覚である視覚の機能のひとつであり、色刺激に由来する知覚である色知覚を司る。色知覚は、質量や体積のような機械的な物理量ではなく、音の大きさのような心理物理量である。例えば、物理的な対応物が擬似的に存在しないのに色を知覚する例として、ベンハムの独楽がある。同一の色刺激であっても同一の色知覚が成立するとは限らず、前後の知覚や観測者の状態によって、結果は異なる。


・光と色の三原色

 光や色には、それぞれ基本となる3色の色がある。これらを光の三原色、色の三原色という。では、それらはどんな色のことを指し、どんな違いがあるのかをまとめてみた。

ICS_光_プリズム_分散_7_new

-光の三原色

割合を変えて混ぜ合わせ様々な色光を表現することができる、基本となる「R(レッド)」「G(グリーン)」「B(ブルー)」の3色のことできないある。

*光源色 

太陽光や白熱光、蛍光灯など、光源そのものが発っしている色のことを「光源色」という。

*加法混色(加色混合)

光源色は、太陽光や液晶ディスプレイなど色光を指し、光の三原色であるRGB混合比によって表せられている。光源それぞれが持つ色光の明るさが重なり、もとの光の明るさに足されて明るい色になるので、RGBを同じ量で混ぜ合わせると白になる。

-色の三原色

割合を変えて混ぜ合わせ様々な色材を表現することができる、基本となる「C(シアン)」「M(マゼンタ)」「Y(イエロー)」の3色のことである。

ヒトが見ている色は、物体が光源からの光の一部を吸収し、残りの光を反射している。この反射された光が人間の目に入り色として認識されてる。

物体によって光のどの部分をどれだけ吸収し、どれだけ反射するかは異なるため、それぞれが固有の色を持つことになる。なので光が照らされない真っ暗な部屋で物体を見ると、色どころか、物の形も分からなくなる。

*物体色 

自ら光を放たず光に照ら参照らされて見える色のことを「物体色」という。また、物に光が照らされたときに、その光の一部は物体内部に吸収され、それ以外の吸収されなかった光は跳ね返り、この反射した光を人間の目が色としてとらえる。この色を「表面色・反射色」といい、光が透明、または半透明な物体を通り抜けて見える色を「透過色(ガラス、セロファンなど)」という。

*減法混色(減色混合)

物体色は、そのもの自体が発光しないものの色のことを指し、色の三原色であるCMYの混合比によって表せられている。絵具やインクなどは物体色であるため、光を吸収する性質を持っているので、透過率が下がり暗い色になり、CMYを同じ量で混ぜ合わせると黒に近い色になる。

理論上では、CMYによって全ての色が表現できるとされているが、実際にはCMYを混ぜ合わせ綺麗な黒を表現することは技術的に難しく、鈍い色にしかならない。このため、プリンターなどの印刷機で黒をより美しく表現するために黒(K)をプラスして表現している。

 *プロセスカラー 

黒を含んだCMYKを「プロセスカラー」 と呼び、通常のカラー印刷の多くはこの4色が用いられている。

ちなみに黒の「K」は、黒インクで画像の輪郭細部を表現するために使われた、印刷版のことを「Key Plate」と呼び、これを使用する際に黒インクが用いられていたことから、黒の略語に「K」が用いられている。


光源の分光分布(分光エネルギー)

・分光分布

 分光分布は、音、匂い、肌触り感等と同じように、色は私たちが目で見て得られる感覚の一特性である。その感覚は、光が目に入ることによって得られるものである。つまり、色を感じる原因は光である。だから、色の感覚をより厳密に定量的に表現するためには、それぞれの色感覚に対応する光の性質を知ることが必要である。周知のように、光は電磁波の一部分で、目は380nm780nmの範囲を感じることができる。虹の色はとても有名であるが、光の波長と色との関係は分光スペクトルで説明した通りである。

太陽からの光、水銀灯の光、電灯の光など光源の種類によって、放射される光の性質は異なるが、どれもほぼ380nm780nmの範囲の光を含んでいる。物体がその光をどのように反射するかによって、目に入る光の性質が分かる。例えば、赤い色紙は短い波長の光を吸収し、長い波長の光をよく反射するので、目に入る光は短波長の光が少なく、長波長の光が多くなり、目には赤い色に見えるということになる。また、緑色の色紙は短波長の光と長波長の光を吸収するので、中波長の光が多く目に入ってくる。したがって、緑色に見えるというわけである。

ICS_光_スペクトル_白色光_2a_rev
上図のように光源の種類によって、物の見え方が異なる。それは、光源によって、分光分布がちがうからである。光エネルギーが自然光のように一様に含まれているほど自然光と同じようにみえる。これを、演色性といい、Raで表す。

・各種光源の分光分布(例)

ここでいう分光分布とは、光源の光の中に重なり合う青紫から赤までの光が、どういった割合で含まれているかを表したものである。(分光分布図) これらの光が一様に含まれていればいるほど、色が忠実(=自然光に近い)ということになる。

光源は、光を発生するものの総称である。 太陽や火なども含まれるが、一般的に人工光源をいう場合が多く、電気や化学のエネルギー変換によって作られた光を放出する面または物体のことをいう。 主に使用される照明用光源は、ハロゲン電球、蛍光ランプ、水銀ランプ、蛍光水銀ランプ、安定器内蔵型水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムランプ、レーザー光、LVDLEDなどがあり、その代表的な光源の典型的な分光分布は下図に示した通りである。

ICS_光_スペクトル_白色光_2b_rev
・色見え方

ICS_光_スペクトル_物体色_3_new-目に届いた光の色が見える

色が見えるということは、特定の色の光が目に届くということだ。たとえばネオンサインの青い光が目に飛び込んでくれば、私たちはそれを青いと感じる。では、トルコ石のように自分から光を出していない「物」が、青く見えるのはなぜか?

この場合、私たちは物に当たって反射してきた光の色を、その物の色として見ている。青い光だけをはね返し、それ以外の光を吸収する物からは、青い光だけが目に入ってくるので、私たちは青い物と感じるのdearu

。赤は赤い光だけを、黄色は黄色い光だけを反射する。白はすべての光を反射する。黒はすべての色を吸収し、目に入ってくる光が何もないので黒く見える。これが「物についた色」の見え方のしくみである。空の青も、信号の赤も、レモンの黄色も、さまざまな波長の光が目に入って色が見えるという原理は同じである。

-色がついて見えるしくみ

ICS_光_スペクトル_物体色_4_new白い紙からは、すべての色の光が反射されて、目に届く。青い紙からは、青い光だけが反射されて、目に届く。黒い紙はすべての色を吸収し、反射される光がない。

 物が光を吸収するとは、どういうことだろうか。光が吸収されるということは、物を構成している原子の中の電子がエネルギーを受け取り、高エネルギー状態(励起状態)になることだ。その後、電子はエネルギーの低い元の状態に戻るが、その際に熱エネルギーを放出する。黒い紙に光が当たると熱くなるのは、このためである。

・光源、光束、照度、光度、輝度の違い

ルクス(照度)は「光に照らされた面の明るさ」を示す単位、ルーメン(光束)は「照明器具そのものの明るさ」を示す単位。一般的に、照明器具の明るさを比べる場合、ルーメンの数値で比較する。

ICS_光_スペクトル_物体色_5_new
   本稿の出典先:https://www.daisaku-shoji.co.jp/iel/w_kougen.html

出典先は、「大作商事であるが、その中の「光源、光束、照度、光度、輝度の違い」という部分を引用したものである。筆者自身も類似した画像を作成し、セミナや授業などで教えたものであるが、この単語の意味の重要性を理解してホームページに掲載していたので敢えて出典させていただきました。

 そもそも「光と影」と言われるように光の存在(役割)は非常に大切なものである。特に写真家(フォトグラファー)にとっては必要欠かざるべきものであるが、少なくとも「照度、光度、輝度の違い」を理解することが重要である。もちろん、それらを知っていなくとも、良いのであるが、どんな立場にあれ指導者たるに値する人はこの程度のことを知らないのでは話にならない。よくセミナなどで画像の話をすると写真のことはさておき、いい加減な写真を撮っても市販のレタッチソフトで修正すれば良い、などというお粗末な話をしている人が少なからずいるのには驚かさせれる。写真文化が開花して未来志向で発展させていくためには、基本に立ち返って少しは原理原則(つまり、技術的な話)を教養として身につけることが大切だと考えているので、ここに掲載した次第である。これから映像の世界はクリエーティブでなければならず、3D、CG、ムービーなどと関連したニューコンセプトで生き残る道を真剣に考えるべきである。

光の発生メカニズム

 写真を扱う場合の基本要素は、光である。

よくライティングに関する論文やカタログの要旨などを見ると、必ずと言ってよいくらいに、「光」を扱っている。そこでここでは、色の基本に戻って「光」について説明する。

は、もともとは人間の眼を刺激して視覚を与えるものをいう。現代物理では、光が電磁波としての性質をもつことから、紫外線や赤外線のように眼に見えない波長の電磁波まで含めて光ということが多く、眼に見える範囲の波長がJISによれば、およそ 780nmの赤色から 380nmの紫色までの光を特に可視光線と呼ぶこともある(工業的には700nm380nm)。また,短波長のX線やγ線などを含めて光と呼ぶことがある。光の本質に関しては、19世紀初め頃に光の干渉,回折、かたより (偏光 ) などの現象から波動説が唱えられた。さらにジェームズ・クラーク・マクスウェルにより、光は電波と同じ性質をもつ電磁波の一種であることが提唱された。一方、マックス・プランクの黒体放射の理論や,光電効果などから光の粒子的性格も明らかにされた。光の粒子は光子または光量子と呼ばれる。その後発展した量子力学によって光の波動性と粒子性とが統一的に説明されるにいたった。波長からみれば、電磁放射は波長 3×10-7 nmのγ線から数百万 kmで測定される長い電波まで、非常に広い帯域にわたって生じる。真空中の光の速度は基本的な物理定数であり、その値は 2.99792458×108m/s である。(光速不変)

ICS_光_エネルギー_重力_運動_熱_光_3_new
 光が初めてこの宇宙に出現したのは、地球創生(ビッグバンによる開闢)から約38万年後であった。これは「宇宙の晴れ上がり」と言って、プラズマ宇宙から解放されて現状の見える宇宙が出現したのである。

光の発生メカニズムは上図のように、素粒子から元素が生成され、霧や雲状の原始宇宙が誕生し始めて軽い元素が作られた。そのことにより、物質に質量が与えられそれによって重力が発生した。そして惑星、恒星、銀河などに運動(直進、回転など)を与えるようになった。それらの運動エネルギーをもとに、熱エネルギーが創成され、やがて光を発するようになった。これら一連のエネルギー変換のプロセスによって、「光」が生まれた。もちろんこの光によって色が創成されることは周知の通りである。

ICS_光_スペクトル_プリズム_1a_new
ICS_光_スペクトル_1_3_new
 色(colorは、可視光の組成の差によって感覚質の差が認められる視知覚である色知覚、および、色知覚を起こす刺激である色刺激を指す。

色覚は、目を受容器とする感覚である視覚の機能のひとつであり、色刺激に由来する知覚である色知覚を司る。色知覚は、質量や体積のような機械的な物理量ではなく、音の大きさのような心理物理量である。例えば、物理的な対応物が擬似的に存在しないのに色を知覚する例として、ベンハムの独楽がある。同一の色刺激であっても同一の色知覚が成立するとは限らず、前後の知覚や観測者の状態によって、結果は異なる。

 光(白色光)をプリズムに通すとスペクトル(正確には、分光スペクトル)として分光され色が創出される。このスペクトルは赤から紫まで連続した色で表現できる。

ICS_光_スペクトル_太陽光_白熱灯_new
一般に光源としては、自然光(太陽光)と人工光(LEDや電球など)に大別されるが人工光は下図のように、例えばLEDの場合、エネルギーが高い準位にあった電子が基底状態か準位の低いレベルに落ち込んだ時に(転移)光を発する。ICS_光_エネルギー_準位_概念_1_new

 素粒子の間に働く自然界の4つの力、電磁気力、弱い力、強い力、重力が存在している。それらの力は相互作用を。これらの力はそれぞれ、光子、ウィークボソン、グルーオン、(たぶん)グラビトンによって伝達されています。ココらへんとか、ココらへん参照だよ。

そんな4つの力ですが、宇宙が生まれてすぐのアツアツドロドロの時代には区別がつきませんでした。時間が経って宇宙が冷めていくにしたがって、重力が分離して、強い力が分離して、最後に弱い力と電磁気力に分離して、今のような4つの力になったと考えられています。図に表すと右図のようになる。

基本相互作用(Fundamental interaction)は、物理学で素粒子の間にICS_光_4種_力_1b_new
相互にはたらく基本的な相互作用。
素粒子の相互作用、自然界の四つの力、単に相互作用ともいう。

現代素粒子論は、量子揺らぎの効果があるとはいえ、基本的に素粒子の半径を無限小として扱う理論である。この理論では、例えば適当な粒子が二つ飛んできてこれらが衝突する可能性というのは粒子同士が引きあうことなしにはゼロである。 粒子が動力学的な衝突を起こすためには粒子同士の間に相互作用力が働いている必要があり、逆に言えば、この相互作用力こそが粒子の運動を支配しているとも言える。 馴染みの深いものとしては、磁石同士の間で磁場が発生し、磁石が引きあう、といった例が挙げられる。現代素粒子論では粒子の運動は場を記述する数学で正確に扱うことが出来る。すなわち、「場」と「粒子」は同一のものと見なされており、磁場(素粒子論では電場と統一されて電磁場)が存在するということはその場が記述する粒子が存在しているということになる。これが、「ゲージ粒子」である。

ICS_光_4種_力_1a_new
 4つの力を説明していくと、まず「重力」は、あらゆる粒子に働く力である。日頃、私たちも重力の影響を受けているが、この力は、他の3つの力に比べて非常に弱いものだ。ニュートンの発見した「万有引力の法則」は、この重力の法則である。重力のゲージ粒子は、重力子(グラビトン)とされるが、これは未知の素粒子である。

ICS_光_4種_力_1c_new 次に「電磁力」は、電気をおびた粒子に対して働く力である。原子同士を結んで分子をつくったり、原子核と電子を結びつけて原子をつくったりする。マクスウェルの電磁気学は、この力を理論化したものだ。電磁力のゲージ粒子は、光子(フォトン)である。

 また「弱い力」は、放射能や星の核反応に関係するものである。たとえば、ベータ崩壊で中性子がニュートリノと電子を出して、陽子に変わるときなどにはたらく微弱な力だ。弱い 力のゲージ粒子はウィークボソンである。これにはプラスとマイナスの電荷を持つW+W-、電気的に中性なZ0の3つがある。

 最後の「強い力」は、クォークを結合させ、陽子や中性子、中間子などを作る力である。中間子は原子核内の陽子や中性子を結合させる核力の源となる力だが、この核力も強い力の一種である。強い力はクォークの「色」という状態に対して働くことから「色の力」とも呼ぶ。強い力のゲージ粒子は、グルーオンである。

本稿の出典先:http://koshiro56.la.coocan.jp/contents/relativity/contents/relativity221.html

 

画像問題 (2/2)

前回よりの続き

#3 ゴースト

ICS_光_000_1a_new強い光源にレンズを向けた時にレンズ内で反射を繰り返すことにより発生する本来は写らない光のことをいう。つまり、フレアの一種であるが、レンズ面で複雑に反射を繰り返した光がはっきりと画像として写ったものがゴーストである。絞りの前後の反射で起こったゴーストは絞りの形状で発生することがある。

良く見ると太陽の周りにもモヤモヤと規則的な模様がついているが、格子状の模様は出てきていない。このような典型的なゴーストは太陽など非常に強い光源を撮影した場合、光がセンサ面やレンズの間などカメラ内で反射を繰り返して写真に写り込んでしまう現象である。ゴーストはまた、光源と画面中央を結んだ反対側に発生するのが一般的である。

 ゴーストは悪い面ばかりでない。ゴーストの発生を抑えたいシーンもあれば、写真の味付けのためにわざとゴーストを加えて煌めきのある作品にしたりすることもある、ということが重要なポイントである。

 

#4 ノイズ

本来「ノイズ(noise)」には「不要な情報」という意味があり、デジタルカメラにおいては

写真上でザラザラした質感を感じさせるものである。ファインダーで覗いた時には見えないけど画像やプリントにしたときに写っている小さなザラつきのことである。

 以下に、Web上に掲載されたものを参考のために紹介する(一部改変)。

Astrophotography by T.Yoshida (URLhttp://ryutao.main.jp/report_noise.html

光の回っていない暗い場所で、デジタル一眼レフカメラを使って撮影していると、 液晶モニタに出てきた画像が、なんだかざらついていたり、黒いプツプツが目立つ画像になったりすることがある。 これらはノイズと呼ばれているものである。

以前の機種と比べると、ノイズがずいぶん減ったが、それでも全くノイズが発生しないわけではない。

・ノイズの正体

ICS_光_000_1b_new デジタルカメラの撮像素子に用いられているCCD(またはCMOS)は、光が当たるとそこに電子を発生させる。その蓄えられた電子が、電子回路によって信号に変換されて最終的に画像になる。理想的には、光が撮像素子に当たったときだけ電子が発生すればよいが、実際は長い間露出していると、CCDが熱せられたりして、余計な電子が発生してしまう。いわゆる暗電流ノイズと呼ばれているもので、右下の画像のようにプツプツした点に写る。

また、デジタルカメラにはたくさんの電子回路が用いられているので、信号がいろいろな回路に渡されている間に余計な信号(雑音)をもらって、画像にノイズが混じってしまうことがある。こうしたノイズは、「読み出しノイズ」や「バイアスノイズ」と呼ばれている。

・時間ノイズ

 ICS_光_000_1c_new 写真撮影において、長時間露出時に発生するノイズは厄介である。一般的な写真の世界では、数秒の露出でも長時間露出と言われるが、天体写真の世界では、数十秒から十数分の露出が当たり前の世界である。写真とは比べものにならない、長時間ノイズとの戦いがそこには待っている。上述した通り、長く露出していると、暗電流ノイズがどんどん出てきてしまう。そしてそれが、ポツポツとした明るい点になって、画像に現れてくる。しかし、このノイズの出方には規則性があり、同じ条件(同じ温度,露出時間,ISO感度)で撮影すると、ほぼ同じ場所にノイズが発生する。

この特性を利用したのが、デジタルカメラに搭載されているノイズリダクション機能である。ノイズリダクション機能をオンにして撮影すると、本撮影後にカメラが自動的にシャッター(もしくは電子シャッター)を閉じて、もう一枚画像を撮影し始める。そして、ちょうど同じ露出時間で撮影を止め、そのノイズ画像を撮影画像から引くことでノイズ低減を行う。

・感度ノイズ

ICS_光_000_1d_new 市販されているデジタルカメラは、ISO感度をユーザーが変更できるようになっている。

ISO感度の値を大きな数字に変更すると、あたかもCCDの感度が上がったようになり、短いシャッター速度で、暗い被写体を撮ることができるようになる。

ISO感度が上がれば、暗いところでも手持ちで撮れるようになるので、夢のような機能であるが、世の中はそれほど甘くはなく、高感度に設定するほど、ノイズが増えてしまう。

デジタルカメラのISO感度を上げる(ゲインを上げる)ことによって発生するノイズは、高感度ノイズと呼ばれている。一般写真の世界では、長時間ノイズよりも、高感度ノイズの発生量の方が注目されているようである。

高感度での撮影は大変魅力的であるが、ダイナミックレンジが狭くなりがちである。

・ブロックノイズ

ブロックノイズは、JPEG撮影時によく出てくるノイズである。JPEG画像はファイルサイズを小さくするために、色情報などを圧縮している。たいていの場合は、8x8ピクセルを1ブロックに区切って圧縮しているので、 この境界線上でノイズが発生しやすくなる。

ブロックノイズを目立たなくするためには、画像の圧縮率を高めるほどノイズは多くなるので、なるべく圧縮率の少ないモード(Fineモードなど)で撮影するのが良い。また、デジタル一眼レフカメラなら、RAWTIFFモードで撮影することで、このノイズ発生を防ぐことができる。

・アンプノイズ、熱カブリ

ICS_光_000_1e_new デジタルカメラを使用して写真撮影していると、 「このデジタルカメラはアンプノイズが多いな」とか「熱カブリが全く出ないカメラだよ」という言葉を耳にすることがある。アンプノイズや熱カブリというのは、デジカメの内部回路に起因する読み出しノイズで、電子回路の熱が主な原因と考えられている。

アンプノイズの発生するデジタルカメラで長時間露光すると、液晶モニタに右のようなピンク色のカブリが発生する。このピンク色の部分がアンプノイズで、この量はカメラの機種によって大きく異なる。全くカブリが出ないデジタルカメラもあれば、画面全体を覆うようなものもある。また、気温が高いとアンプノイズが目立つ機種もある。アンプノイズもデジタルカメラのノイズリダクション機能をオンにすれば、低減することが可能であるが、リダクション後も、ノイズが発生していた部分の画像は、データーが少ない(階調が少ない)状態となってしまう。そのため、画像処理を進めていくと、そのアンプノイズを補正した部分だけが、 ザラザラした仕上がりとなってしまい、写真に不自然さが残ってしまう。

・ランダムノイズ

その名の通りランダムに出てくるノイズで、真っ暗な被写体なのに画面全体がざらついたようなザラザラした感じの写真になるノイズである。ランダムノイズを取り去るには、画像の重ね合わせ(コンポジット)が必要である。何枚も同じ画像を撮り続け、パソコン上で画像処理を行うことで軽減することができる。一般的に4枚の画像をコンポジット(モデルや芸能人の、業界内部用プロフィールカード)すれば、シグナルとノイズの比率は2倍に向上すると言われている。

・色ノイズ、偽色

色ノイズや偽色と呼ばれるノイズは、デジタルカメラのCCDがカラーCCDであることから生じるものである。元々のノイズ自体には色が付いていないが、撮影後にデジタルカメラが、RGBフィルタの情報を元に現像処理を行うことで、ノイズにも色がついてしまう。そのため、できあがった画像を拡大してみると、赤や緑、それに青といった原色のノイズが出ていて驚くことがある。それは、元々ノイズには色が着いていないからである。

 

ギャラリー
  •  光と色の基礎知識 No.36(最終回)
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