アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

2018年09月

色変換と色表現方法

ICS_RI_色域圧縮_方法_5b_rev
ICS_RI_色域圧縮_方法_6_new

 これまでも述べたように2つの色空間があって上図上側に図示したように、例えば、モニタの色空間(RGB)からプリンタの色空間(CMY)へ色変換しようとすると、プリンタの色空間はモニタの色空間の全色域を包含していないので当然元の色は色域からはみ出してしまう。これでは元の色を表現することができなくなるために、モニタの色域内の最も近似した色に置換しなければならない。つまり、存在しない色を何とかレンダリングインテントを適用して階調が崩れないように色変換を行う。このときCIEで4つの方法を推奨しているので、最も相応しい色を選択すればよい。
次に、色変換で問題になることは上図下側に図示したように同じRGB表色系でもsRGBとAdobeRGBでは同じGreenでも色が違ってしまう。なぜそうなるかというと、sRGBとAdobeRGBでは色域が違うからで、
(R,G,B)=(0,255,0)
の値でもxyY色度図上の色を置換すると異なった色に変換されてしまう。
従って、色空間を変換する場合は、あらかじめ色調表現が好ましい方向でなされることが非常に重要なこととなる。(色変換に失敗するケースでは、このことを念頭に置いていないか、忘れている場合が多い)
一時、写真業界ではAdobeRGBが多く採用されていたが、現在ではsRGBを採用することが多くなってきた。(これは、単に色空間が広いから良いとするのではなく、色管理全体の関わり合いの中から必然的に醸成されたもである、ということを肝に銘じておくべきである)
言いたいことは、色空間の生い立ちを正しく見極め、それを画像表現する際に最適に適合させることである。

色域圧縮の無限性と最適な方法の醸成

ICS_RI_ガモットマッピング_1_new

ICS_RI_圧縮程度_4_newICS_RI_画像圧縮_方法_3a_new
ICS_RI_画像圧縮_方法_4_new
 色域圧縮つまりカラーマッピングとは、2つのデバイス間で変換先の色域からはみ出した部分を色域内の最も近似した色に移動(マッピング)させることである。従って、厳密にいえば近似色はあくまでも元の色と同じものであるとは言えない。しかし、一般的にみるとこれらの近似色は原画像の色を反映させたもので、違う色とは言い切れないのである。(上図上段参照)
前にレンダリングインテントはCIEの規定では4つあると述べたが、実は色の圧縮方法は無限位に存在しているのである。ここではほんの一例を示すが、上図中段左側に示すように色域から外れた部分のみを新しい色に変換する方法がある。この方法を疑問視したイメージクリエーターがいたが、はみ出した色は元の色のまま変換せず、はみ出した色だけを近似色にするわけであるからとても現実的であると言える。恐らく上述したように近似色(原画に最も近い色に変換した色)は大雑把に半ば強引に言えば、同じ色と見做せるわけだから見かけ上はトーンジャンプや違った色になることはない(理論上はそうなる)。つまり、「相対的な色域を維持」と「絶対的な色域を維持」を合成したようなもので、変換先の色域全体に対して狭い色域ならば色差は限りなく小さくなり殆ど原画像と言っても良いと考える。
上図中段右側は、全般的な色域圧縮の方法を示したもである。これは、ある色Fをターゲットガマット(目標色)のディスティネーションガマット(目的色=着地点の色=再原色)に色近似させる場合、どこに変換させるかをしましたイメージ図である。典型的な圧縮れを記述したが、要するにどの場所に変換しても色のバランスが取れていればそれで問題ないことを言いたいのである。その理由は、色は絶対的なものではなく(反論されそう?)相対的なものだし、色の判定は人間の脳で最終決定しているものだからクオリアが完全に相関が取れない以上、「見た目良ければそれで良し」としなければならないのである。
上図下段は、目標色(原画)と再原色(変換先の色=近似色)との関係を示したものである。通常の色域圧縮では線型圧縮が用いられるが、これは、色変換を比例した割合(線型)で目標色を色再現することをいう。
これに対して、高精度圧縮があることを知るイメージクリエータは少ない(というより殆どいない)。
この圧縮方法は、基本的には線型圧縮を行うが、色域の限界点近傍でクリッピング(2つのレイヤーを合成するテクニック)するが、その際に直線的操作するのではなく、曲線的に漸近線を描くように変化させる方法である。
この方法を使うと色の変化が自然に見えるように変換されるのである。

色変換は再原色を如何に「恣意的に創成させる」かにあるので、規定概念にとらわれることなく自由にのびのびと行ことがとても重要である。ただ、レンダリングインテントは無限にあると言っても、現実に実行するには独自のアルゴリズムを開発する必要がある。しかしながら、他を圧して(勝って)差別化するためには、常に新しい挑戦と工夫が大切であり、目標に向かって常に前向きに努力していかなければ生き残れないことを肝に銘じなければならない。

ICCプロファイルとレンダリングインテント

ICS_RI_インテント_トータル_0b_new

ICS_RI_インテント_トータル_0c_new
 色彩画像の世界では、「レンダリングインテント」(描画意図)とは、例えば、プリンタでその色域外のカラーを使用して出来るだけ元画像に近似した色を創生することを意味している。
先に述べたICC プロファイルでは、次のレンダリングインテントをサポートている。
  • 知覚的
  • どちらかといえば、明度を重視・維持してレンダリングすることである。
  • イメージにプリンターの色域外のカラーが含まれている場合に、プリンタは、イメージ内のカラーを、プリンタの色域に既にあるカラーも含めてすべて調整する。これにより、すべてのカラーが色域内になり、カラー間の相対的な関係が保持される。これでイメージは視覚的に見やすいものになるが、比色分析上は正確ではない。知覚は、特に写真などのイメージの一般的な複製に有効である。

  • 彩度
  • どちらかといえば、彩度を重視・維持してレンダリングすることである。
  • スプールファイルにプリンタの色域外のカラーが含まれている場合に、プリンタが色域外のカラーを色域内の最も近いカラーで置き換える。色域内のカラーがより鮮明になるようにその調整も行う。彩度は使用率の最も低いレンダリングインテントであるが、グラフや図を含むイメージなどのビジネス・グラフィックスに有効である。

  • 相対的な色域を維持
  • 「知覚的」と「彩度」の中間的な特徴を生かしてレンダリングすることである。
  • スプールファイルにプリンタの色域外のカラーが含まれている場合に、プリンタが色域内の最も近いカラーを置き換える。色域内のカラーは調整されない。メディアの白色点がそれぞれ異なる用紙に印刷されたカラーは、視覚的に一致しないことがある。 メディアの白色点 は、スプールファイルが印刷される用紙のカラーである。例えば、相対的な色域を維持を使用して白の用紙、オフホワイトの用紙、および青の用紙にイメージを印刷する場合、プリンタはそれぞれに同じ量のインクまたはトナーを使用するため、生成される色は技術的に同じになる。ただし、これらのイメージは異なって見えることがある。これは目で見たときに目が背景のカラーに調整され、そのカラーを異なって解釈するためでありまる。この相対的な色域を維持は、一般的にベクトル・グラフィックに対して使用される。

  • 絶対的な色域を維持
  • 同じ色同士だけを採用し、はみ出した色は切り捨てるレンダリングインテントである。
  • 絶対的な色域を維持と同じメソッドを使用してすべてのカラーがマップされる。ただし、すべてのカラーがメディアの白色点に対して調整される。例えば、絶対的な色域を維持を使用して白の用紙、オフホワイトの用紙、および青の用紙にイメージを印刷する場合、プリンタはそれぞれに対して使用されるインクまたはトナーを調整する。その結果として生成されるカラーは技術的に同じではないが、目で見たときに用紙のカラーと関連付けてイメージを解釈する仕方によってこれらのイメージが同じように見えることがある。絶対的な色域を維持は、一般的にロゴに対して使用される。または、インクの成分を変更した時などに適用される。

  • 本文は、「https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/ssw_ibm_i_72/rzau6/rzau6colorrendering.htm」を引用し、それに筆者の考えで加筆訂正したものです。


ICCプロファイルの内容(定義)

ICS_ICC_プロファイル_QM例_1_new
 ICCプロファイルは、画像に添付されたカルテ(履歴)のようなもので、原画像が創成された時点からメタデータとして扱われている。その内容は何かというと、上図に表した内容(一例)となっている。

 カラーマネージメントという概念は、元来、目標色と再原色を一致させる(限りない近似色)ための管理手法である。つまり、色補正のように画像補整する技術ではなく、あくまでもデジタルカメラやスキャナ、モニタ、プリンタなどの入出力デバイス間で扱う色を統一的に管理しようとする技術である。これらの画像処理プロセスの中で、各入出力デバイスの発色特性情報を記録したものが、カラープロファイルである。このカラープロファイルは、次の画像処理の段階で行われる色の情報を正しく伝える役割を持っており、入出力デバイス同士でより正確にカラーマッチングするためには、相互の機器のカラープロファイルが絶対に必要となる。このため、カラープロファイルを用いるカラーマネージメントは、大別すると、入力側(ソース)出力側(アウトプット)との2つのプロファイルがある。

カラープロファイルは、世界的な規格化、統一化を推進するために設立された団体名 International Color Consortium の名称をつけて、ICCプロファイルとも呼ばれている。

・ソースプロファイル

元になる写真原稿をスキャナで入力したり、デジタルカメラで撮影したりする入力段階において使用されるプロファイル

-レタッチ編集ソフトなどの作業領域において使用されるプロファイル

(ワークスペースプロファイル、あるいはドキュメントプロファイルとも呼ばれる場合がある)

・アウトプットプロファイル

モニタやディスプレイ上で使用される、モニタ/ディスプレイプロファイル

-プリンタで出力する段階において使用されるメディアプロファイル

ICCプロファイルの役割は、あくまでも色に関する全ての情報(色領域や構成要素タグの内容など)を定義付けることであり、そのファイルが色を変換させたり、管理させているのではないということが重要なポイントである。「ICCプロファイルを設定したら色が変わってしまった。」というような話を聞くことがあるが、それは全くの誤解である。設定方法など、よほどの誤りがない限り、色は正確に管理できるようになる。

・各種プロファイル

(1) RGBプロファイル

これにはモニタやスキャナ、ごく一部のプリンタ、sRGBAppleRGBなどの閾値定義プロファイル(色空間を定義している)が相当する。

(2) CMYKプロファイル

プリンタや印刷出力機に使用される。上述のRGBプロファイルとほぼ同じである。

(3) Lab/XYZプロファイル

これを使うデバイスが現実には見つからないため、目的が現時点では不明である。基本的な構造は先のRGBCMYKのプロファイルと同じである。

(4) Named Colorプロファイル

スポットカラーや特色のインキ番号に対するLab値を記述している。これをサポートしているプリンタ、アプリケーションは非常に少ない上、現存するプロファイルを探すのも難しい状態である。

(5) 作業色空間(ワーキングカラースペース)

 sRGBAdobeRGBCMYKJapan Colorなど)

(6) デバイスプロファイル

 インプットプロファイル(デジタルカメラ、スキャナなど)

モニタ/ディスプレイプロファイル(モニタ、ディスプレイなど

アウトプットプロファイル(プリンタ、DDCPなど)

(7) 色空間

 RGBCMYKCIE L*a*b*CIE XYZHSVHSLなど

(8) その他

 PCSへの変換プロファイル、デバイスリンクプロファイルなど


なお、ICCプロファイルのバージョンの変更履歴は、以下に示す通りで、2010-12時点で4.3.0となっている。

ICC profile specification version

Profile version

According specification

Notes

2.0.0

ICC 3.0 (jun 1994), 3.01 (May 1995)

 

2.1.0

ICC 3.2 (nov 1995), 3.3 (nov 1996), 3.4 (aug 1977)

 

2.2.0

ICC.1:1998-09

 

2.3.0

ICC.1A:1999-04

Addendum to ICC.1:1998-09

2.4.0

ICC.1:2001-04

Minor revision for web of ICC.1:1998-09

4.0.0

ICC.1:2001-12

Revision of ICC.1:2001-04

4.1.0

ICC.1:2003-09

 

4.2.0

ICC.1:2004-4

Revision of ICC.1:2003-09

4.2.0

ICC.1:2004-10

Revision of ICC.1:2003-09

4.3.0

ICC.1:2010-12

Technically identical to ISO 15076-1:2010

 

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