アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

2018年07月

CMMを深堀りする

ICS_CMM_色変換_概念_2_new
 このフローチャートはCMMを主体とした作業プロセスを示したものである。
CIEで推奨する4つのレンダリングインテントの内、その一つを設定した場合、入力デバイスプロファイルから画像のデータを読み取る。そのデータを基にしてCMMエンジンを使用して元画像データを再現画像データに置き換える。この情報は、直ちに出力デバイスプロファイルとして作成され、最終的には変換する画像に適用されCMMは終了する。
画像変換する際に適用される色空間はPCS(Profile Connection Space=接続色空間)というが、このPCSにはデファクトスタンダードである色空間が採用される。
CMMの重要なことは、「色空間変換は、CMM(カラーマネージメントモジュール)を使用して行い、CMMは複数インストールして選択することができる。CMMでは、レンダリングインテント(色空間変換の方法)を選択することもできる。」ということで、画像を恣意的に仕上げるための必須なスキルといえる。

CMMエンジンを使ってみる

ICS_CMM_計算実行_使用例_new

 カラーマネージメントモジュール(CMM)によって処理される画像は、色空間変換システム(CMMエンジン)の機能によってそれぞれ既定(初期設定された)の4つの方法で変換前の色空間から処理したい色空間へと色空間変換される。
4つの方法とは、「知覚的」「彩度」「相対的色域を維持」及び「絶対的色域を維持」を言うが、どれも特徴がって完全な画像変換が成されるわけではない。「知覚的」と「相対的な色域を維持」は主に写真業界で使われており、「彩度」は主にデザイン業界で使われている。
 ただ、注意しておきたいことは、このに挙げた4つの方法はあくまでもICC(国際カラーコンソーシアム)が推奨しているもので、理論的には無限の方法があることで、これを如何様にもデザインして恣意的に使用できる理解して頂きたい。つまり、どうも画像変換が恣意的に実行できない場合などは自分で自由にCMMを開発して個人用に使用できるようにすれば良いことを意味している。その理由はどんな方法であれ画像変換が行われた画像データはICCで統一的にルール化した規定には違反しないからである。つまり、画像データは次のプロセスに何の問題もなく正確に伝えられるからである。勿論、部分的なCMMなどは現実的に成り立ち、むしろ正しい画像変換が行えるからである。
 では、実際にどのような画像変換するかというと、レンダリングインテント(描画意図)に基づいている。

 CMMエンジンの機能は、上図に示すように、例えばデジタルカメラで撮った画像データをモニタで見ることを想定した場合、入力デバイスで作成された入力ファイル(RGB)は一端インデペンデントカラーである共通色空間を介して中間ファイル(L*a*b*)に変換される。更に中間ファイルから再びモニタプロファイル(RGB)に逆変換されて新しい画像データが生成される。
 この変換作業に着目して具体的にどのように数値化されるかを、下図を参照しながら解説する。

この図では、入力デバイスの画像データがRGBで、中間ファイルである三刺激値XYZを仮想的に作成し、またPCS*1を介してL*a*b*に変換し、さらにL*a*b*からプリンタにCMYKとして出力するシステムである。
 まず、RGBから三次元のLUT3D-LUT)を用いて、三刺激値XYZに演算処理する。 

このXYZを画像処理し、第1次の中間ファイル(XYZ)を作成する。PCSでは、まずL*a*b*CMYKLUTを作成する。次に出力データに変換するために新しいLUTL*a*b*CMYKを含んだ参照表により)を作成する。これを4D-LUTCMYK用)を介してプリンタに出力するために最終のCMYKデータに変換する。

LUTを使った実際の変換方法は、図にも見られるように、元のデータが持っている入力プロファイルを基に変換元のデバイス値を算出するものである。次に変換先となるプリンタのICCプロファイルを参照して作られたLUT(参照表)に合致したデバイス値を参照して(探し出して)新しいデバイス値を割り当てる。つまり、入力デバイスは、変換を行う直前のLUTを持っており、中間ファイル作成前のLUTと出力側のLUTを参照していき、中間ファイル同士が一致している部分でその値に対応した出力デバイスのデータ値を選ぶようにしている。

CMMエンジンについて

ICS_CMM_データ授受_Win_Mac_2_new
CMMエンジンとは、画像変換するためのエンジン(ファームウェア)である。また。CMMとは、Color Management ModuleまたはColor Matchinng Methodという画像を変換するための「描画意図」と呼ばれている概念である。
よくある間違いで、Windowsで採用されているICM(Image Color Matchung)およびMacintoshで採用されているColorSyncをCMMエンジンと考えている人もいるが、これらは単にCMMエンジンの入り口に誘導するためのソフトである。CMMエンジンには標準として使用されているCMMとAdobe CMM、Heiderberug CMMなどがある。
ICC(国際カラーコンソーシアム)では、「知覚的」「彩度」「相対的な色域を維持」「絶対的な色域を維持」の4つを標準として採用しているが、実際のCMMは無限にある。(無限にあるというとセミナなどで「嘘だ!」といわれることがるが、それは間違いで、部分的なCMMも含めて非常に多くのCMMを開発して実際に使用されている実態を知っておくことが大切にである。”井の中の蛙”が大海を知らないのは情けないと言わざるを得ない。)

色再現方法(解の1つ)

CMS_基礎_21_色再現_new

 色再現するという基本的な意味は、原画像と再現画像とで色の一致を図ることである。といっても現実的には色の完全一致は不可能なので、だからこそフォトグラファー、デザイナー、印刷屋などが色一致を追求してなんとか原画像と一致できる(近づける)色再現を目指して常日頃努力しているのである。
 色再現する方法は、結構難しい作業で実際の現場で「色再現性の良い」画像に仕上げることは至難な業であるがために、極端な言い方をすると色の一致性を諦めている人すらいるのが実情である。
しかし、色再現の方法は、ある意味で先人たちの努力で理論的な取り組みがなされ、方法論が確立したものもある。つまり、市販のアプリケーションツールを使用したり、国際カラーコンソーシアムの推薦する方法に頼ったり、あるいは色管理工学の分野でオーソライズされた方法で実現することが可能である。

 色再現理論の1つに、「ハント (Hunt) の色再現」がある(上図参照)。これには6つのカテゴリーがあり、いずれかの方法で色合わせを行う方法である。上述したように色の完全一致は不可能なことから、「恣意的な色再現」を実現するために何らか方法を選択して再近似色に色合わせを実現しなければならない。ただ、ハントの方法のどれを選ぶべきかは、あくまでもクリエーターの意志で決めるべきもであるから、ここでは絶対的な色再現方法は言うことができない。少なくともどれも理論的な根拠を持っているので、クリエーターは自信を持って画像制作に臨んで頂きたい。

 重要なことは、色再現は測色的にも、視覚的にも限りなく一致することが求められているということである。しかし、今日までの色再現は、どちらかというと測色的色再現に重点が置かれてきた。このため例えば、モニタで見た画像とプリントした画像の色が合わないという問題が一向に解決されずにいた。この問題は以前から公知の事実であったが結果的には対応がかなり遅れていた。最近になってようやく視覚的な色再現を行おうという機運が高まってきたことは間違いない。これは、

-データに基づいた正確な色再現
-人間の視覚特性を考慮した好ましい色再現

2つがクライアントとの間でトラブルを発生させない重要なテーマとなったことである。

ハントの色再現は、あまりなじみがないようであるが実はいろいろと応用されており、色再現を行う方法を考えるときに大変役に立つ考え方(分類と方法)であるといえる。しかし、通常の色再現では上に挙げた6つの方法があり、これを全て使うわけではないが、やはり目的に応じてどれを採用するかを吟味することが重要である。


三原色とは何か?

CIE_3_RGBCMY_1_1_new
 三原色の概念は知っているようで知らないように見受けられる。
上図に示すように、三原色には「光(色光)と「色(色材)」の2種類があり、それぞれRGBとCMYで構成されていることは誰でも知っていることである。しかし、RGBを使えば「光の三原色」、CMYを使えば「色の三原色」と果たして断言できるものであろうか?答えは、ノーである。つまり、色材のRGBを使った重ね合わせでは、色を加える毎に暗くなり(黒に近づき)、色光のCMYを使った重ね合わせでは色を加える毎に明るく(白に近づき)なる。
要するに、RGBとかCMYは言ってみれば単一光(色)であり、これ自体は大きな意味を持たないのである。
簡単に言えば、色を加える(重ね合わせる)と明るくなる色の組み合わせが「光の三原色」で表現できる色表系列であり、色を加える(重ね合わせ)と暗くなる色の組み合わせが「色の三原色」で表現できる色表系列である。
更に、光の三原色は純粋に加法計算できるが、インクや絵の具のい場合は減法計算では合わなくなる。ただし、カラーフィルタやカラフィルムを使えば純粋に減法計算が可能となる。加えて、色の三原色CMYを混合した色は一口で言えば「黒」となるが、厳密にいえば黒の違いが生ずる。カラーフィルタやカラーフィルムのCMYを課さな合わせた黒はBlack(コンポジットの黒)となりる、インクや絵の具のCMYを重ね合わせた黒はKey Plate (墨版の黒)となる。この場合、一般にCMYK色表系列という(四原色とは言わない)。
 このように三原色といっても単純に加法とか減法とはならず、色素を構成する素材が何であるかによって三原色が決まるのである。

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