・色温度とホワイトバランス

 -色温度

ICS_色調整_モニタ個体差_変化理由_2_new色温度(いろおんどcolor temperatureとは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。単位には熱力学的温度の K(ケルビン) を用いる。

ここで定義する色温度は、「表現しようとする光の色をある温度(高熱)の黒体から放射される光の色と対応させ、その時の黒体の温度をもって色温度とする」ものである。

物体が理想的な黒体であると想定すると、ある温度において黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。定性的にいえば、温度が低い時は暗いオレンジ色であり、温度が高くなるに従って黄色みを帯びた白になり、更に一段と高くなると青みがかった白になる。このように、白という色を黒体の温度で表現することができる。

どのような物質も、高熱を加えると、その温度によってさまざまな波長の光を放射するようになる。その色合いは、物質ごと、温度ごとに微妙に異なる。例えば、鉄の破片など金属をガスの炎で加熱すると光を発するようになる。このとき発せられる色を「呈色」というが、最初の温度が低い段階は、赤色かオレンジ色であり、温度が上昇するごとに次第に白く輝くようになり、やがては青白い光へと変化していく。

どんな物質でも、温度によってさまざまな波長の光を放射するようにななり、その呈色(色合い)の様相は、物質ごと、温度ごとによって微妙に異なってくるということである。

*色温度の単位

理想的な黒体を想定すると、ある温度において黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。温度が低い時は暗いオレンジ色であり、温度が高くなるにつれて黄色みを帯びた白になり、さらに高くなると青みがかった白に近くなる。このように、白という色を黒体の温度で表現することができ、この温度を色温度と呼ぶ。

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(このカラーチャートは概略図であり、特に物体を特定して色温度を計算したものではない。理論式については「プランクの法則*1」に従っている。)

朝日や夕日の色温度はおおむね 2000 K であり、普通の太陽光線は 5000 - 6000 K である。澄み切った高原の空の正午の太陽の光はおおよそ 6500 K といわれる。これらは、一般に考えられている白よりかなり黄色っぽい。実際に物体を照らす光には天空光(直射日光以外の光)の青色がかなり色みに影響しており、6500 K よりも高い色温度では「白」く感じられる)。

*1 プランクの法則

ICS_色調整_黒体放射_スペクトル_1

プランクの法則(Planck's lawとは物理学における黒体から輻射(放射)される電磁波の分光放射輝度、もしくはエネルギー密度の波長分布に関する公式をいう。プランクの公式とも呼ばれる。ある温度 T における黒体からの電磁輻射の分光放射輝度を全波長領域において正しく説明することができる。1900年、ドイツの物理学者マックス・プランクによって導かれた。プランクはこの法則の導出を考える中で、輻射場の振動子のエネルギーが、あるエネルギー素量(現在ではエネルギー量子と呼ばれている)ε = hν の整数倍になっていると仮定した。このエネルギーの量子仮説(量子化)はその後の量子力学の幕開けに大きな影響を与えている。

*色の再現性

写真やテレビ、パソコンのモニタ(ディスプレイ)などでは、色温度は色の正確な再現のために重要である。

写真では、スタジオ撮影のライト(写真・映画用タングステンランプ)が 3200 K、太陽光線が 5500 K と想定されており、フィルム(長露光用のタングステンタイプと短露光用のデイライトタイプ)はこの色温度の照明下で最適な色再現ができるよう作られている。

色彩工学では「標準の光D65」が現在の事実上の標準であり、これは色温度 6500 K である。アメリカのカラーテレビ(NTSC)では色温度基準は 6500 K で、日本のテレビ (NTSC-J) の色温度基準は 9300 K であり、かなり青みがかっている。

パソコンのモニタは 9300 K が主流だが、極端な廉価品を除き、6500 KsRGBモード)と5000 K に変更できるため、グラフィックデザインや映像制作などの都合で適切な色温度を選べる。また、鋭く青白い 9300 K の設定から温和な 6500 K 5000 K に変えることで作業者の疲労感(ストレス)が和らぎ、色彩についての正確さが厳しく要求されない場面でもこの機能は有用である。PowerStripf.luxのようなソフトウェアでもパソコンの色温度が調整できる。

部屋の照明に利用されている蛍光灯では、「電球色」「昼白色」「昼光色」等に分類されて色温度が3200K程度、5200K程度、7200K程度に設定されている。

これらの設定は、蛍光灯や白熱灯などの照明光源やカメラやディスプレイなどさまざまな視覚に関する機器に対して、光の色の基準として使用されている。

*色温度と視覚

人間の視覚における色の認識と色温度とは比例関係にない。そのため、人の感じ方により近い表現として、色温度の逆数である逆色温度を使う方法がある。逆色温度はケルビンでの値の逆数の K−1(毎ケルビン)ではなく、それを100万倍したミレッド (M) またはメガ毎ケルビン (MK−1) を使う(呼び名は違うが大きさは同じ単位である)。

ICS_色調整_明るさ_コントラスト_線形_0_new
屋内照明として広く利用されている蛍光灯は主に「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」に分類されており、順に約3000 K3500 K4200 K5000 K6500 Kである。これらは、それぞれ 333 MK−1286 MK−1238 MK−1200 MK−1154 MK−1 となり、全て差が 40–50 MK−1 前後になり、色の変化が一定に感じられる。色温度が高い側の間隔が広く、その中間の色温度の蛍光灯があまりないのはこのためである。前記のうち、現在は「電球色」「昼白色」「昼光色」が一般に販売されており、LED照明もこれに準じている。

上図に示すように、人間の眼やカラーフィルムにとって、どのくらい光源の色温度が変わると光色が違って感じられるかということはきわめて重要であるが、その許容範囲(ラチチュード) は、通常の人間の眼で光源によって違うけれど100以下~300K程度が限界であり、照明光源の色温度の変化がラチチュードの限界以内であれば、実用的には問題ないということである。そこで、これを昼光用(デーライトタイプ)の場合にあてはめて色温度のラチチュードを求めてみると、5,500Kのランプの場合は5,208Kから5,814K、また3,200Kのランプの場合は3,096Kから3,303Kとなり、撮影光源の色温度がこの範囲内にあれば、実用上のラチチュードに入ると考えて問題ない。(ただし、厳密にみると若干の違いがあるので注意を要する)

以上のデータを見ても判るように、色温度の高い蛍光灯はかなり広いラチチュード(5,500Kでは±約300K)を持つが、色温度 の低い白熱電球などはきわめて狭い(3,200Kでは±約100Kしかない)ので、色温度を調節するのに、色温度が低い状態ほど厳密に管理する必要があるということが判る。

また、正しい色を創出させるためには、適正な色温度を持った光源を選定する必要がある。

3,500K:白熱灯の下で表示される際の色温度。この環境では、黄色ないし薄緑がかって

      見える。

4,100K:白色蛍光灯の色温度。これはCIE標準光源のF2又はF6の光源を示す。

5,500K:日光を含む昼間の明かりの色温度で、標準光源D50D65の間にある。

      CIEではD55を標準として定義するのに用いられる光源を、日光又は天空光と

呼んでいる。

6,500K:この白色点は、CIEの標準光源D65に近い色温度である。

7,500K:この白色点は、CIEの標準光源D75に近い色温度である。

9,300K:これは、Apple製パソコン用モニタの白色点である。