・和集合、積集合での色表現

色の混合には、下図に示すように加法混色と減法混色の2つがある。

ICS_色混合_加減法_1_new一般的には、加法混色は加算、減法混色は減算として説明されているが、もう1つの表現方法がある。それは、論理学(ブール代数)の応用であるが、この理論を適用すれば、加法混色は「和集合(論理和)」で考えること、および、減法混色は「積集合(論理積)」で考えることができる。

つまり、色光の三原色であるRGBと色材の三原色であるCMYの関係は、右図に示すようになる。加法混色では、R+G=YG+B=CB+R=Mが導き出される。(和集合)

これは、ブール代数の論理和に相当する。

一方、減法混色では、Y*C=GY*M=RC*M=B    

が導き出される。(積集合)

これは、ブール代数の論理積に相当する。この考え方は、色フィルタを重ね合せる原理に基づいているものと解釈してよい。

このように色の混合は、いろいろな表現方法があるので、最も理解しやすい方法で覚えるのがよい。このことを踏まえ導き出せる「混色の法則」について以下に説明する。

-加法混色

これは光を混ぜたときに適用される。 絵の具を混ぜる場合とは状況が異なるので注意が必要である。絵の具の代わりに、ここではカラーテレビの液晶モニタ(LCD)を例にとって考えてみる。LCDには赤・緑・青の3つの小さなドット(エリア)が1つのかたまりとして無数に並んでいる。この赤・緑・青の3色の明滅具合によって、いろいろな色が再現される。これらの色は何かに反射したものではなく、それ自体発光している「色光」である。このように色光どうしが混ざり合う場合を加法混色という。

-減法混色

加法混色の三原色は赤・緑・青(RGB)であったが、減法混色における三原色は「緑みの青(シアン)」「赤紫(マゼンタ)」「黄(イエロー)」である。では、絵の具を例にして考えてみると、たとえば、キャンバスを彩る黄色い絵の具の色は、光源(太陽や蛍光灯など)の光が絵の具に当たって反射したものを黄色と感じているに過ぎない。黄色は中波長と長波長の光が混色されてできる色である。つまり、黄色の絵の具は短波長(青に見える部分)の光を吸収してしまう性質を持っている。

光の三原色や色の三原色は、光(透過)と色(反射)といった自然現象から来る当然の帰結であるが、その本質的な違いを良く理解すべきであることを強調したい。

時として、三原色など初歩の初歩だと軽んじている人を散見するが、本当に色の本質を知って色づくりを行うことの重要性を認識すべきである。(甘く見て、軽んじてはならない)

ここで述べた集合論(積と和)は色の混合を理解するのに役立つものであるから、色を扱う現場で大いに活用していただきたい。

-色の混合(生成)

色材の三原色であるシアン、マゼンタ、イエローの3色による混色では、原色を重ねるごとに、眼に入ってくる光は引き算するように少なくなって(暗くなって)いき、3色とも等濃度で重ねると灰から黒の無彩色になる。逆に、スポットライトの光を重ねるように色光の三原色、つまりRGBの光を 重ねていくと、重ねる度ごとに明るくなっていき、RGB3色とも等濃度で重ねると最も明るい場合は白(純白)になる。これらのことから、色材の混色を「減法混色」、光の混色を「加法混色」と呼ぶようになった。

色の混合は「光」であれ、「色」であれ、色空間の全てを満たすものである。しかし、「色」の場合は色空間の範囲は「光」ほど広くなく、従って表現できる色数も限定的になる。

そのため、レンダリングインテントによって限りなく近似した色で表現することになるが、この処理は厳密に言えば「色の一致」(100%の色再現)ではない。印刷系のごく一部ではそれでも「完全な色の一致性がある」と言っているが、それを言う場合の前提条件を明確にした説明、議論にしないと話にならないことを理解すべきである。勿論、感覚的に目で色を数値化することは無理であるあるので、どうしても測定器や什器を使用して色値を計測するが、それらの機器は誤差を持たず100%正確に測れることは量子力学の基礎理論からして不可能であることを理解できれば、そのような理屈が通らなことは明かである。

 

・階調と濃度表現

下図に示すように、一般にグレースケールで表現される。

ICS_色調整_グレースケール_1
 グレースケールGray Scaleまたはgrayscale)とは、コンピュータ上及び写真での色の表現方法の一種である。デジタル画像の中でも、ピクセルの標本値に光度以外の情報が含まれていない画像のことである。グレースケールでは、二値画像と異なり、画像を光が最も強い白から最も弱い黒まで間の灰色の明暗も含めて表現する。

グレースケールの画像は観測した光が紫外線、可視光線、赤外線だった時、ピクセルごとの電磁スペクトルの帯の光の強さを測定した結果としても得られる。またそれらは特定の周波数の光のみが捕捉された場合、単色であることが多い。また、グレースケールはフルカラーの画像から作り出すこともできる。

-数値表現

 ピクセルごとの光の強さの表現には範囲がある。この範囲は抽象的には、0(光が全くない状態:黒)から1(すべての光が最大限出ている状態:白)までの値を取りうる。この表記法は学術論文等で使われているが、この表記は色度学的に白や黒がどんな色であるかは定義していない。

他の記述法としては、光の強さをパーセンテージで表す方法がある。この場合ではスケールは0%から100%までとなる。これは光の強さをより直感的に表現することができるが、もし値が整数値しか用いられなかった場合、表せる光の強さは101種類だけとなり、幅広いグラデーションの色を表すには不十分である。またパーセント表記法は ハーフトーン印刷でどのくらいのインクが使われたかを示すのにも使われるが、そうなるとスケールの上下が逆転し、0%が紙の色の白(何も印刷されていない)、100%が真っ黒を表すことになる。

コンピュータの中では、グレースケールは有理数を用いて計算されるが、画像のピクセルは量子化されたバイナリの形で保存される。初期のグレースケールモニターの一部は、4ビット、つまり16段階しかICS_色調整_グレースケール_1d表すことができなかった。しかし現在では、写真などグレースケールの画像は8ビットで保存されるのが普通になり、256段階の光の強さで表示、記録、印刷できるようになっている。しかしその256段階は非線形のスケールになっている。この8ビットという値は、ブロックノイズを回避できるぎりぎりの値だが、1ピクセルがちょうど1バイトであるので、プログラミングには都合が良い。     しかし、医用画像処理やリモートセンシングなどの技術的な利用に対しては8ビットでは足りない(もっと高画質なものが必要)ので、センサーの精度を十分に活かすために1ピクセルあたり10ビットや12ビットの画像が用いられ、コンピュータ内で近似誤差(英語版)が起きないようにしている。この場合、コンピュータが処理しやすい16ビットが用いられることも多い。TIFFPNGなどの画像ファイルフォーマット(英語版)などは製作当初から16ビットをサポートしている。しかし、多くのブラウザや画像プログラムではこれを8ビットにして表示している。

ピクセルの色深度がいくらであっても、値が0の時は黒で、最大値(8ビットでは25516ビットでは65,535)では白であることは同じである。

[補遺]カラーをグレースケールに変換する理論的考察

RGBに基づく色空間の色を光度だけで表されるグレースケールに変換するためには、線形RGB空間において重み合計(英語版)を計算しなければならない。それはつまり、ガンマ圧縮関数は最初にガンマ拡張によって取り除かれるということである。

sRGB色空間では、ガンマ拡張は次のように定義される。

ICS_色調整_グレースケール_1b





ただし、CsRGBはガンマ圧縮されたsRGBの原色(RsRGBGsRGBBsRGB)のうちのいずれかの光の強さの値で、それぞれ0以上1以下である。また、Clinearは、それに線形的に対応するRGBの光の強さの値である。(こちらも0以上1以下)したがって、光度は3つの線形的な光の強さの値の重み合計として計算される。sRGBの色空間は、CIE1931色空間では線形光度Yで表され、以下のように与えられる。

Y = 0.2126 R + 0.7152 G + 0.0722 B

係数は、人間の三色型色覚における各色の認識の強さを測定したものを表しており、原色ごとに異なる値である。特に、人間の視覚が最も敏感に反応するのは緑で、最も反応が鈍いのは青である。グレースケールの強さを線形のRGBに変換する際、3つの原色の光の強さは全て同じ値(計算によって導かれた線形光度Y)に設定されている。(この時、(R,G,B)=(Y,Y,Y)となる。)線形光度は通常ガンマ圧縮して非線形表現に戻さなければならない。しかしsRGBでは、3原色の強さの値が全て、上に示したガンマ拡張の逆操作であるガンマ圧縮によって

ICS_色調整_グレースケール_1c




実際には、3原色の強さの割合が全て同じであるため、値をsRGBおよび単一チャンネル表現に対応した画像フォーマット(英語版)に一度保存するだけでよい。sRGBの画像を認識できるウェブブラウザやその他のソフトウェアは、sRGBを用いている時には、通常3原色が全て同じ値である場合のカラー画像とグレースケールの画像で全く同じ処理が行われる。

現代のデジタル技術を応用したデジタルカメラに用いられた撮像素子(CCDC-MOS)は色を持っていない。そのために光学フィルタを使ってわざわざRGB3色の成分に分解してそれを画像形成する際に合成した色として表現している。そうした仕組みを良く理解すると「カラー」は「モノクロ」の階調を基調とした合成技術の賜であることが理解できよう。

-階調 ( shade)  階調数 / 諧調

階調とは、コンピュータが画像を扱う際に、色の濃さや明るさを何段階で表現することができるかを表す数を指す。この数が大きいほど細かな色や明るさの違いを表現できるが、画素あたりのデータ量は増大する。

自然界では色は光の波長によって異なり、連続量の一種だが、コンピュータで画像を扱う際にはこれを離散量(有限桁の数値)に変換する必要がある。その際、ある色の最も明るい(濃い)状態と暗い(薄い)状態の間を何段階で識別・表現することができるかを表す値が階調である。

-ガンマ値  gamma value  γ値

ガンマ値とは、画像の入出力機器の特性を表す値の一つで、入出力される信号や電圧と、実際の画素の輝度などの関係を表したものである。

表示装置で発光素子などに対して加える電圧の変化と、対応する輝度の変化は正比例とはならず、入力値を装置に固有の指数でべき乗した値に比例するという関係になることが多い。この固有の指数のことをガンマ値と呼び、機器の種類や原理、個別の製品の設計などによって異なる。液晶ディスプレイの場合は2.2前後の値となる。

ICS_色調整_グレースケール_ガンマ_2_new
最も単純な階調は白黒画像(モノクロ2階調)であり、すべての画素が真っ白と真っ黒のいずれかで表現される。一般にモノクロ画像あるいはグレースケール画像と呼ばれるものは白と黒の中間に濃さの異なる複数の灰色を表現することができるもので、よく用いられる256階調(各画素の情報量は8ビット)のモノクロ画像では白、黒、254段階の灰色の256色を表現できる。

カラー画像の場合は色を複数の原色に分解し、各色の階調の組み合わせで表現できる色の数が決まる。一般的には色をRRed:赤)・GGreen:緑)、BBlue:青)の3色に分解し、それぞれを同じ階調で表現することが多い。この各色について256段階(8ビット)の階調を扱うことができる方式を「フルカラー」(full color)あるいは「トゥルーカラー」(true color)と呼び、16777216色を表現することができる。

ICS_色調整_グレースケール_3