CIE L*a*b*色空間(L*a*b*色空間、CIE 1976

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CIE1976年に定めた均等色空間のひとつである。次の三次元直交座標を用いる色空間をL*a*b*色空間またはCIE LAB(シー・アイ・イー・エル・エー・ビーまたはシーラブと呼ぶ)色空間という。実際の色の数値化には、表色系を使用して、次式で計算される。

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 L*a*b*色空間(Lab color space)は補色空間の一種で、明度を意味する次元 L と補色次元の a および b を持ち、CIE XYZ 色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。

Hunter 1948 L, a, b 色空間の座標軸は Lab である。しかし最近では CIE 1976 (L*, a*, b*) 色空間の非公式な略称としても Lab が使われている(こちらは CIELABとも呼ばれ、座標軸は実際には L*a*b* である)。このため、単に Lab と記述すると若干あいまいとなる。これらの色空間は用途は相互に関連しているが、実装は異なる。

どちらの色空間もマスターの色空間である CIE 1931 XYZ 色空間から派生したもので、CIE 1931 XYZ 色空間はどのスペクトル出力分布が同じ色として知覚されるかを予測できるが、知覚的均等性はなかっICS_色空間_Lab_2a_newた。マンセル・カラー・システムに強く影響され、どちらの"Lab"色空間もXYZ空間から単純な式で変換できるが、XYZよりも知覚的に均等になっている。「知覚的に均等」とは、色の値が同じだけ変化したとき、人間がそれを見たときに感じられる変化も等しいことを意味する。色を有限精度の値で表すとき、これによって色合いの再現性が向上する。どちらのLab色空間も、ホワイトポイントの変換前のXYZデータについて相対的である。Lab値は絶対的な色を定義するものではなく、あくまでもホワイトポイントを指定した上での相対的値である。実際にはホワイトポイントには何らかの標準を仮定し、明確に示さないことが多い。例えば、絶対的値を示すレンダリングインテントである ICC L*a*b* CIE標準光源 D50 をホワイトポイントとした相対値であり、他のレンダリングインテントとは相対的関係にある。

CIELABにおける明度は相対輝度の立方根を使って計算され、Hunter Lab では平方根を使う(近似方法がやや古い)。既存の Hunter Lab 値と比較するなどの用途以外では、一般にCIELABの使用が推奨されている。

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均等色空間

 一般にUniform Color Spaceのことを指す。色空間上での距離・間隔が、知覚的な色の距離・間隔に類似するよう設計されている空間。色の物理的な差異よりも、人間の知覚上での差異に主眼を置いた色空間。工業的には、工業製品の色彩の管理に要請される。

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色の均等性は色空間を表現するのにとても重要な要素である。なぜかというと色域で表現する際、同じ範囲で表現される色が違っていたら、色調を正確に判断することができなくなるからである。

理想的な色空間の表現は上図のようになっていることである。

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左側は、色度図上で同心円が同じ大きさになっており、均等な色を表現できる。

中央は、色相の線も角度が均一でしかも直線的(曲がっていない)になっている。

右側は、従来の色度図を均等化したものである。(u”,v’軸になっていることに注意)