#1 フェヒナーの法則

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 ヴェーバー‐フェヒナーの法則(WeberFechner lawは、感覚に関する精神物理学の基本法則で、中等度の刺激について五感のすべてに近似を与えることが知られている。

・ヴェーバーの法則

エルンスト・ヴェーバーは、刺激の弁別閾(丁度可知差異:気づくことができる最小の刺激差)は、基準となる基礎刺激の強度に比例することを見いだした。

はじめに加えられる基礎刺激量の強度をR とし、これに対応する識別閾値をΔR とすると、R の値にかかわらず

 ΔR/R=Constant

が成り立つ。この一定の値をヴェーバー比という。

たとえば、100の刺激が110になったときはじめて「増加した」と気付くならば、200の刺激が210に増加しても気付かず、気付かせるためには220にする必要がある。

・フェヒナーの法則

ヴェーバーの弟子であるグスタフ・フェヒナーは、ヴェーバーの法則の式を積分することにより、以下の対数法則を導き出した。

刺激量の強度R が変化する時、これに対応する感覚量E

の関係となる。ここでC は定数である。つまり心理的な感覚量は、刺激の強度ではなく、その対数に比例して知覚される。

フェヒナーの法則と呼ばれることも多いが、ヴェーバーの法則から導出したことからヴェーバー・フェヒナーの法則とも呼ばれる。

たとえば、100の刺激が倍に増加して200になるときの感覚量と、200の刺激が倍に増加して400になるときの感覚量の変化は等しい。

 

#2 プルキニェ現象(ブルーシフト)

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 プルキニェ現象(Purkinje Phenomenonもしくはプルキニェ効果(Purkinje effectは、19世紀のチェコの生理学者ヤン・エヴァンゲリスタ・プルキニェが解明したことから名付けられた視感度がずれる現象をいう。「プルキニエ」や「プルキンエ」と表記されることもある。

色は網膜の視細胞で感知しているが、明るい場所では赤が鮮やかに遠くまで見え、青は黒ずんで見える。一方、暗い場所では青が鮮やかに遠くまで見えるのに対して、赤は黒ずんで見える。これは、桿体と呼ばれる視細胞の働きによるもので、人の目は暗くなるほど青い色に敏感になる。

防犯のために活用する動きも見られる。奈良県警はイギリスのグラスゴーの防犯対策に倣い(ただし、グラスゴーでは当初景観改善のために導入された)、奈良市で青色街路灯を導入し一定の効果をあげたため、奈良市以外でも天理市、生駒市など県北部の都市を中心に導入を進めている。現在は兵庫県においても多数採用されている。

 一方、ブルーシフト青方偏移またはプルキニェシフトともいい、近づいている天体からの光のスペクトル線の波長が、波長の短い方、すなわち青い方にずれているこという。これはドップラー効果によって起こり、遠ざかる速度が大きいほど、ずれも大きい。反対方向つまり赤の方向にずれる赤方偏移と対をなしている。

赤方偏移が、ビッグバン後の膨張宇宙の証明であることの反対解釈として、青方偏移は、「宇宙の縮小」=「世界の終焉」を象徴するSFのテーマに用いられることがある。

写真においては、明け方近くに太陽が出る直前にこのブルーシフト現象が見られ、とても幻想的な写真が撮られることで知られている。

 

#3 視覚範囲の比較

・視感度と錐体分光感度

視覚とは、光のエネルギーが網膜上の感覚細胞に対する刺激となって生じる感覚のことである。いわゆる五感のひとつである。「視覚」という言葉は、形態覚、運動覚、色覚、明暗覚などの総称として用いられている。

視覚によって、外界にある物体の色、形、運動、テクスチャ、奥行きなどについての情報、物体のカテゴリーについての情報、物体の位置関係のような外界の空間的な情報などが得られる。また、自己の運動に関する情報も視覚から得られ、時に視覚誘導性自己運動感覚などを引き起こす原因ともなる。

「したがって、視覚は光情報をもとに外界の構造を推定する過程とみなせる」と言われる[誰によって?]。脊椎動物の神経系では、可視光は網膜において符号化され、外側膝状体 (LGN) を経て大脳皮質において処理される。

本稿ではヒトを中心に、動物の視覚のみを扱う。脊椎動物(ヒトを含む)、節足動物(昆虫、甲殻類)、軟体動物(タコ、イカ)など、多くの動物が視覚をもつ。

なお、視覚を用いて認識することを「見る(みる)」といい[6]、転じて、「読む」、「会う」、「試す」などの意味もある(「試す」の意味での「見る」は、一般的には仮名書きされる)。遠くから大局を眺める、というニュアンスや、あるいは、深い認識の過程(いわゆる「心の目」)のほうを積極的に使う、といったニュアンスを含む場合は「観る」とも書く。

ICS_光_知覚_人間_鳥類_視感度_1_new 右図は、人間の錐体細胞(S, M, L)と桿体細胞(R)が含む視物質の吸収スペクトルを示したものである。

視覚系の感度は、光の波長によって異なる。ヒト視覚系の視感度は、明所視では555 nmでピーク値をとる。このときの感度を基準として、他の波長の光に対する感度を求めると、可視光全体に対する比視感度が求まる。暗所視では507 nmの光に対して最も感度がよい。暗所では感度曲線が短波長側にシフトしている。この事実をプルキンェシフト(#2参照)と呼ぶ。放射輝度と視感度をかけ合わせた値を輝度と呼ぶ。

明所視では色が知覚される。色覚異常者の視感度曲線や等色関数から、分光感度の異なる3種類の光受容器(錐体)が存在することが示唆される(三色説)。健常者の等色関数および2色型色覚異常者の混同色中心から、錐体分光感度を求めることができる。暗所視における光受容器(桿体)は1種類であるため色覚は存在しない。桿体分光感度は暗所視視感度に等しい。

ICS_光_知覚_人間_鳥類_視感度_1a_new視物資は、光受容器内の視細胞に含まれる感光色素タンパク質で、光を吸収する性質をもつ。脊椎動物の網膜には、桿状体(桿体)と錐状体(錐体)の2種類の視細胞があり、それぞれの外節には性質の異なる視物質が存在している。桿状体の視物質は桿状体物質、錐状体の視物質は錐状体物質とよばれ、前者は薄明視に、後者は昼間視に関係している。これらの視物質は発色団レチナール(11-シス型)とタンパク質部分であるオプシンとが結合したもので、光を照射するとレチナールはオールトランス型に変化する。オールトランス型レチナールは異性化酵素の作用で、ふたたび11-シス型となり、オプシンと結合して視物質が再生される。一方、レチナールにはレチナール1とレチナール2の二つがあり、オプシンにも桿状体オプシンと錐状体オプシンの2種類があるので、これらの組合せで4種類の視物質(ロドプシン、ポルフィロプシン、アイオドプシン、サイアノプシン)が理論上存在することになる。

 これまでに、ロドプシンが多くの脊椎動物の桿状体物質として、ポルフィロプシンが淡水魚や両生類の桿状体物質として、アイオドプシンが鳥類の錐状体物質として、それぞれ確認されている。ヒトでは単一錐状体の光吸収を測定することによって、それぞれ赤色、緑色、青色に感ずる3種類の錐状体物質を区別することができる。無脊椎動物では、頭足類の網膜や甲殻類、昆虫類の複眼からロドプシン様の視物質などが抽出されている。

ICS_光_知覚_人間_鳥類_視感度_1b_rev 右図に示すように、人間と鳥類の視覚範囲を比較すると、赤、緑、青の分光感度に差がみられ、かつ鳥類は紫外線領域にも視覚を持っていることが分かる。そのために下図のような黄色い花を見るときその見え方が違うのである。これは、人間と鳥類の視覚情報が生来違っていることが進化の過程で醸成されたもので、人間が見る花は美しさの探求に対して、鳥類は花の蜜(食べ物)と捉えられることが生活の糧になっているからである。