写真を扱う場合の基本要素は、光である。

よくライティングに関する論文やカタログの要旨などを見ると、必ずと言ってよいくらいに、「光」を扱っている。そこでここでは、色の基本に戻って「光」について説明する。

は、もともとは人間の眼を刺激して視覚を与えるものをいう。現代物理では、光が電磁波としての性質をもつことから、紫外線や赤外線のように眼に見えない波長の電磁波まで含めて光ということが多く、眼に見える範囲の波長がJISによれば、およそ 780nmの赤色から 380nmの紫色までの光を特に可視光線と呼ぶこともある(工業的には700nm380nm)。また,短波長のX線やγ線などを含めて光と呼ぶことがある。光の本質に関しては、19世紀初め頃に光の干渉,回折、かたより (偏光 ) などの現象から波動説が唱えられた。さらにジェームズ・クラーク・マクスウェルにより、光は電波と同じ性質をもつ電磁波の一種であることが提唱された。一方、マックス・プランクの黒体放射の理論や,光電効果などから光の粒子的性格も明らかにされた。光の粒子は光子または光量子と呼ばれる。その後発展した量子力学によって光の波動性と粒子性とが統一的に説明されるにいたった。波長からみれば、電磁放射は波長 3×10-7 nmのγ線から数百万 kmで測定される長い電波まで、非常に広い帯域にわたって生じる。真空中の光の速度は基本的な物理定数であり、その値は 2.99792458×108m/s である。(光速不変)

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 光が初めてこの宇宙に出現したのは、地球創生(ビッグバンによる開闢)から約38万年後であった。これは「宇宙の晴れ上がり」と言って、プラズマ宇宙から解放されて現状の見える宇宙が出現したのである。

光の発生メカニズムは上図のように、素粒子から元素が生成され、霧や雲状の原始宇宙が誕生し始めて軽い元素が作られた。そのことにより、物質に質量が与えられそれによって重力が発生した。そして惑星、恒星、銀河などに運動(直進、回転など)を与えるようになった。それらの運動エネルギーをもとに、熱エネルギーが創成され、やがて光を発するようになった。これら一連のエネルギー変換のプロセスによって、「光」が生まれた。もちろんこの光によって色が創成されることは周知の通りである。

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 色(colorは、可視光の組成の差によって感覚質の差が認められる視知覚である色知覚、および、色知覚を起こす刺激である色刺激を指す。

色覚は、目を受容器とする感覚である視覚の機能のひとつであり、色刺激に由来する知覚である色知覚を司る。色知覚は、質量や体積のような機械的な物理量ではなく、音の大きさのような心理物理量である。例えば、物理的な対応物が擬似的に存在しないのに色を知覚する例として、ベンハムの独楽がある。同一の色刺激であっても同一の色知覚が成立するとは限らず、前後の知覚や観測者の状態によって、結果は異なる。

 光(白色光)をプリズムに通すとスペクトル(正確には、分光スペクトル)として分光され色が創出される。このスペクトルは赤から紫まで連続した色で表現できる。

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一般に光源としては、自然光(太陽光)と人工光(LEDや電球など)に大別されるが人工光は下図のように、例えばLEDの場合、エネルギーが高い準位にあった電子が基底状態か準位の低いレベルに落ち込んだ時に(転移)光を発する。ICS_光_エネルギー_準位_概念_1_new

 素粒子の間に働く自然界の4つの力、電磁気力、弱い力、強い力、重力が存在している。それらの力は相互作用を。これらの力はそれぞれ、光子、ウィークボソン、グルーオン、(たぶん)グラビトンによって伝達されています。ココらへんとか、ココらへん参照だよ。

そんな4つの力ですが、宇宙が生まれてすぐのアツアツドロドロの時代には区別がつきませんでした。時間が経って宇宙が冷めていくにしたがって、重力が分離して、強い力が分離して、最後に弱い力と電磁気力に分離して、今のような4つの力になったと考えられています。図に表すと右図のようになる。

基本相互作用(Fundamental interaction)は、物理学で素粒子の間にICS_光_4種_力_1b_new
相互にはたらく基本的な相互作用。
素粒子の相互作用、自然界の四つの力、単に相互作用ともいう。

現代素粒子論は、量子揺らぎの効果があるとはいえ、基本的に素粒子の半径を無限小として扱う理論である。この理論では、例えば適当な粒子が二つ飛んできてこれらが衝突する可能性というのは粒子同士が引きあうことなしにはゼロである。 粒子が動力学的な衝突を起こすためには粒子同士の間に相互作用力が働いている必要があり、逆に言えば、この相互作用力こそが粒子の運動を支配しているとも言える。 馴染みの深いものとしては、磁石同士の間で磁場が発生し、磁石が引きあう、といった例が挙げられる。現代素粒子論では粒子の運動は場を記述する数学で正確に扱うことが出来る。すなわち、「場」と「粒子」は同一のものと見なされており、磁場(素粒子論では電場と統一されて電磁場)が存在するということはその場が記述する粒子が存在しているということになる。これが、「ゲージ粒子」である。

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 4つの力を説明していくと、まず「重力」は、あらゆる粒子に働く力である。日頃、私たちも重力の影響を受けているが、この力は、他の3つの力に比べて非常に弱いものだ。ニュートンの発見した「万有引力の法則」は、この重力の法則である。重力のゲージ粒子は、重力子(グラビトン)とされるが、これは未知の素粒子である。

ICS_光_4種_力_1c_new 次に「電磁力」は、電気をおびた粒子に対して働く力である。原子同士を結んで分子をつくったり、原子核と電子を結びつけて原子をつくったりする。マクスウェルの電磁気学は、この力を理論化したものだ。電磁力のゲージ粒子は、光子(フォトン)である。

 また「弱い力」は、放射能や星の核反応に関係するものである。たとえば、ベータ崩壊で中性子がニュートリノと電子を出して、陽子に変わるときなどにはたらく微弱な力だ。弱い 力のゲージ粒子はウィークボソンである。これにはプラスとマイナスの電荷を持つW+W-、電気的に中性なZ0の3つがある。

 最後の「強い力」は、クォークを結合させ、陽子や中性子、中間子などを作る力である。中間子は原子核内の陽子や中性子を結合させる核力の源となる力だが、この核力も強い力の一種である。強い力はクォークの「色」という状態に対して働くことから「色の力」とも呼ぶ。強い力のゲージ粒子は、グルーオンである。

本稿の出典先:http://koshiro56.la.coocan.jp/contents/relativity/contents/relativity221.html