・色温度とホワイトバランス
-色の生成
・ホワイトバランス
ホワイトバランス(White Balance, Color Balance)は、カメラにおいて、さまざまな色あいの光源のもとで、望んだ色調の写真を得るための補正のことである。パランスについて純白の被写体をどう写すか、という点に代表させてホワイトバランスと言う。一般に赤みがかったり青みがかったりといった光源が多いため、赤-シアンを主軸とする「色温度」の調整が主となるが、他色の方向での調整も含む。
・厳密に正確な色再現フィルムカメラで厳密に撮影する場合は、カラーメーターによって色温度を測定し、その色温度に適した色補正用フィルタを装着したり、特殊なフィルム(タングステンタイプなど)をもちいて撮影している。アーカイブ目的の場合はカラーチャートを一緒に写し込む場合もある。デジタルカメラではカメラに内蔵されている機能で補正が可能なため、色補正の機材の準備や手間がかからない。これは、フィルムカメラによる撮影と比べて大きなメリットである。
-ホワイトバランス機能の種類
ホワイトバランス機能には、だいたい以下のような種類がある。上位機になるほど、手動操作が可能になり機能が多い傾向がある。
オート
撮影対象の光源の状況を、画像エンジンが自動で判断し、適正な色状態を再現する。略称はAWB。撮影場面によっては補正が足りない、あるいは過剰補正となる場合も多々ある。そもそも、万能なオートホワイトバランスというものは存在せず、カメラ毎にメーカーの開発部門の設計思想を反映していると思しき「癖」が存在している。
プリセット(等。ニコン他「プリセット」の語をこの機能ではなく次に説明する機能に使っているメーカーもある)
晴天時や曇天時・電球光・蛍光灯・エレクトロニックフラッシュ光などごとの、あらかじめ用意されている設定から選択する。
プリセットホワイトバランス(ニコン・ペンタックス)・マニュアルホワイトバランス(キヤノン)・プリセットカスタムホワイトバランス(フジフイルム)・ワンタッチホワイトバランス(オリンパス)・カスタムホワイトバランス(ソニー・シグマ)・ホワイトセット(パナソニック)・ワンプッシュホワイトバランス
色基準(純粋な白色もしくはグレー。白紙を使うのが簡単だが、撮影機材では露出確認用の18パーセントグレーが兼用される)となる被写体を撮影者が用意し、それをカメラに測定させ、それを基準とする。
-色温度指定
色温度を直接、あるいはスライドバー操作などでマニュアル入力する。
-ホワイトバランス補正
露出補正と同様、オートあるいは前述の測定によるバランスから、マニュアルで補正・調整するもの。たとえば、夕日の写真を撮る際に正常なホワイトバランスでは赤みがうまく表現できない場合、赤系に補正して赤みを強調させる、といった効果を出すことができる。
ホワイトバランスブラケティング
オートブラケット機構の1つで、オートバランスや設定値から、青系・赤系and/or緑系・赤紫系で前後何段階かシフトさせ同時に(あるいは連続して)撮影する。
以上は撮影時の設定だが、いわゆるRAW画像データが取得可能な場合、いわゆるRAWデータ現像時にも、ホワイトバランス調整が可能である(ないし、調整が必要である)。
色調整のポイント
・明るさとコントラスト
下図は「明るさ」と「コントラスト」の簡単な調整方法である。これら4つの方法はいずれも「トーンカーブ」を操作して色調整を行うものである。
そもそもトーンカーブとは写真の明るさや明暗の比率(コントラスト)を自由に調節するためのものである。「トーン」とは「調子」と言う意味で、写真では軟調~硬調などのような用語としても使われている。その「調子」を曲線を使って思い通りに調節できるのがトーンカーブである。
重要なことは、下図に示すように、明るさは「補正なし」の特性を上下方向に平行移動することである。つまり、光エネルギーを増減さうることで得られる。
一方、コントラストは「補正なし」の特性の傾き(勾配)を中心値の周りに回転させることである。
明るさの補正やコントラストの補正で、値を変化させることによって、上側に飽和した場合には「白飛び」が発生し、下側に飽和した場合には「黒飛び」が発生するので、そのときの効果(現象)をよく把握して補正を行うことがとても重要なことである。
・ガンマ補正画像や映像の色の明暗が出力機器で正しく表示されるよう、対象機器のガンマ値に応じた色の補正を行うことをガンマ補正(gamma correction)という。
画素の色データをそのまま入力値として表示装置に像を写すと、装置のガンマ特性に応じて色にひずみが生じ、中間階調の色が本来より過度の暗くなったり明るくなったりする。これを避けるため、機器の持つガンマ値を打ち消すようにデータに補正を加え、表示された状態が本来の色に近づくようにする。
例えば、液晶ディスプレイのガンマ値は約2.2であるため、画像の色データをそのまま入力すると本来より暗く沈んだ表現となってしまう。このとき画像側にガンマ値約0.45(2.2の逆数)の補正をかけた値を入力すると、本来の表現に近い像が得られる。
実際には、ある機器に合わせたガンマ値が設定された画像などを別の機器で扱う場合に、特性の違いによる明暗の歪みが生じないようガンマ値が1に近づくよう補正することを指すことが多い。
上図に示すように、実際のガンマ補正は、機器側のガンマ特性に合わせて、自然な色になるよう色情報 ( 色データ ) を調整して帳尻を合わせる仕組みのことである。通常、ディスプレイのガンマ特性は中間調が暗くなる傾向にある。
そこで、あらかじめ中間調を明るくしたデータ信号を入力し、「入力:出力」のバランスを「 1 : 1 」に近づけることで、色情報を正確にやり取りできるように工夫している。