アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

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三原色の原理と階調表現

・和集合、積集合での色表現

色の混合には、下図に示すように加法混色と減法混色の2つがある。

ICS_色混合_加減法_1_new一般的には、加法混色は加算、減法混色は減算として説明されているが、もう1つの表現方法がある。それは、論理学(ブール代数)の応用であるが、この理論を適用すれば、加法混色は「和集合(論理和)」で考えること、および、減法混色は「積集合(論理積)」で考えることができる。

つまり、色光の三原色であるRGBと色材の三原色であるCMYの関係は、右図に示すようになる。加法混色では、R+G=YG+B=CB+R=Mが導き出される。(和集合)

これは、ブール代数の論理和に相当する。

一方、減法混色では、Y*C=GY*M=RC*M=B    

が導き出される。(積集合)

これは、ブール代数の論理積に相当する。この考え方は、色フィルタを重ね合せる原理に基づいているものと解釈してよい。

このように色の混合は、いろいろな表現方法があるので、最も理解しやすい方法で覚えるのがよい。このことを踏まえ導き出せる「混色の法則」について以下に説明する。

-加法混色

これは光を混ぜたときに適用される。 絵の具を混ぜる場合とは状況が異なるので注意が必要である。絵の具の代わりに、ここではカラーテレビの液晶モニタ(LCD)を例にとって考えてみる。LCDには赤・緑・青の3つの小さなドット(エリア)が1つのかたまりとして無数に並んでいる。この赤・緑・青の3色の明滅具合によって、いろいろな色が再現される。これらの色は何かに反射したものではなく、それ自体発光している「色光」である。このように色光どうしが混ざり合う場合を加法混色という。

-減法混色

加法混色の三原色は赤・緑・青(RGB)であったが、減法混色における三原色は「緑みの青(シアン)」「赤紫(マゼンタ)」「黄(イエロー)」である。では、絵の具を例にして考えてみると、たとえば、キャンバスを彩る黄色い絵の具の色は、光源(太陽や蛍光灯など)の光が絵の具に当たって反射したものを黄色と感じているに過ぎない。黄色は中波長と長波長の光が混色されてできる色である。つまり、黄色の絵の具は短波長(青に見える部分)の光を吸収してしまう性質を持っている。

光の三原色や色の三原色は、光(透過)と色(反射)といった自然現象から来る当然の帰結であるが、その本質的な違いを良く理解すべきであることを強調したい。

時として、三原色など初歩の初歩だと軽んじている人を散見するが、本当に色の本質を知って色づくりを行うことの重要性を認識すべきである。(甘く見て、軽んじてはならない)

ここで述べた集合論(積と和)は色の混合を理解するのに役立つものであるから、色を扱う現場で大いに活用していただきたい。

-色の混合(生成)

色材の三原色であるシアン、マゼンタ、イエローの3色による混色では、原色を重ねるごとに、眼に入ってくる光は引き算するように少なくなって(暗くなって)いき、3色とも等濃度で重ねると灰から黒の無彩色になる。逆に、スポットライトの光を重ねるように色光の三原色、つまりRGBの光を 重ねていくと、重ねる度ごとに明るくなっていき、RGB3色とも等濃度で重ねると最も明るい場合は白(純白)になる。これらのことから、色材の混色を「減法混色」、光の混色を「加法混色」と呼ぶようになった。

色の混合は「光」であれ、「色」であれ、色空間の全てを満たすものである。しかし、「色」の場合は色空間の範囲は「光」ほど広くなく、従って表現できる色数も限定的になる。

そのため、レンダリングインテントによって限りなく近似した色で表現することになるが、この処理は厳密に言えば「色の一致」(100%の色再現)ではない。印刷系のごく一部ではそれでも「完全な色の一致性がある」と言っているが、それを言う場合の前提条件を明確にした説明、議論にしないと話にならないことを理解すべきである。勿論、感覚的に目で色を数値化することは無理であるあるので、どうしても測定器や什器を使用して色値を計測するが、それらの機器は誤差を持たず100%正確に測れることは量子力学の基礎理論からして不可能であることを理解できれば、そのような理屈が通らなことは明かである。

 

・階調と濃度表現

下図に示すように、一般にグレースケールで表現される。

ICS_色調整_グレースケール_1
 グレースケールGray Scaleまたはgrayscale)とは、コンピュータ上及び写真での色の表現方法の一種である。デジタル画像の中でも、ピクセルの標本値に光度以外の情報が含まれていない画像のことである。グレースケールでは、二値画像と異なり、画像を光が最も強い白から最も弱い黒まで間の灰色の明暗も含めて表現する。

グレースケールの画像は観測した光が紫外線、可視光線、赤外線だった時、ピクセルごとの電磁スペクトルの帯の光の強さを測定した結果としても得られる。またそれらは特定の周波数の光のみが捕捉された場合、単色であることが多い。また、グレースケールはフルカラーの画像から作り出すこともできる。

-数値表現

 ピクセルごとの光の強さの表現には範囲がある。この範囲は抽象的には、0(光が全くない状態:黒)から1(すべての光が最大限出ている状態:白)までの値を取りうる。この表記法は学術論文等で使われているが、この表記は色度学的に白や黒がどんな色であるかは定義していない。

他の記述法としては、光の強さをパーセンテージで表す方法がある。この場合ではスケールは0%から100%までとなる。これは光の強さをより直感的に表現することができるが、もし値が整数値しか用いられなかった場合、表せる光の強さは101種類だけとなり、幅広いグラデーションの色を表すには不十分である。またパーセント表記法は ハーフトーン印刷でどのくらいのインクが使われたかを示すのにも使われるが、そうなるとスケールの上下が逆転し、0%が紙の色の白(何も印刷されていない)、100%が真っ黒を表すことになる。

コンピュータの中では、グレースケールは有理数を用いて計算されるが、画像のピクセルは量子化されたバイナリの形で保存される。初期のグレースケールモニターの一部は、4ビット、つまり16段階しかICS_色調整_グレースケール_1d表すことができなかった。しかし現在では、写真などグレースケールの画像は8ビットで保存されるのが普通になり、256段階の光の強さで表示、記録、印刷できるようになっている。しかしその256段階は非線形のスケールになっている。この8ビットという値は、ブロックノイズを回避できるぎりぎりの値だが、1ピクセルがちょうど1バイトであるので、プログラミングには都合が良い。     しかし、医用画像処理やリモートセンシングなどの技術的な利用に対しては8ビットでは足りない(もっと高画質なものが必要)ので、センサーの精度を十分に活かすために1ピクセルあたり10ビットや12ビットの画像が用いられ、コンピュータ内で近似誤差(英語版)が起きないようにしている。この場合、コンピュータが処理しやすい16ビットが用いられることも多い。TIFFPNGなどの画像ファイルフォーマット(英語版)などは製作当初から16ビットをサポートしている。しかし、多くのブラウザや画像プログラムではこれを8ビットにして表示している。

ピクセルの色深度がいくらであっても、値が0の時は黒で、最大値(8ビットでは25516ビットでは65,535)では白であることは同じである。

[補遺]カラーをグレースケールに変換する理論的考察

RGBに基づく色空間の色を光度だけで表されるグレースケールに変換するためには、線形RGB空間において重み合計(英語版)を計算しなければならない。それはつまり、ガンマ圧縮関数は最初にガンマ拡張によって取り除かれるということである。

sRGB色空間では、ガンマ拡張は次のように定義される。

ICS_色調整_グレースケール_1b





ただし、CsRGBはガンマ圧縮されたsRGBの原色(RsRGBGsRGBBsRGB)のうちのいずれかの光の強さの値で、それぞれ0以上1以下である。また、Clinearは、それに線形的に対応するRGBの光の強さの値である。(こちらも0以上1以下)したがって、光度は3つの線形的な光の強さの値の重み合計として計算される。sRGBの色空間は、CIE1931色空間では線形光度Yで表され、以下のように与えられる。

Y = 0.2126 R + 0.7152 G + 0.0722 B

係数は、人間の三色型色覚における各色の認識の強さを測定したものを表しており、原色ごとに異なる値である。特に、人間の視覚が最も敏感に反応するのは緑で、最も反応が鈍いのは青である。グレースケールの強さを線形のRGBに変換する際、3つの原色の光の強さは全て同じ値(計算によって導かれた線形光度Y)に設定されている。(この時、(R,G,B)=(Y,Y,Y)となる。)線形光度は通常ガンマ圧縮して非線形表現に戻さなければならない。しかしsRGBでは、3原色の強さの値が全て、上に示したガンマ拡張の逆操作であるガンマ圧縮によって

ICS_色調整_グレースケール_1c




実際には、3原色の強さの割合が全て同じであるため、値をsRGBおよび単一チャンネル表現に対応した画像フォーマット(英語版)に一度保存するだけでよい。sRGBの画像を認識できるウェブブラウザやその他のソフトウェアは、sRGBを用いている時には、通常3原色が全て同じ値である場合のカラー画像とグレースケールの画像で全く同じ処理が行われる。

現代のデジタル技術を応用したデジタルカメラに用いられた撮像素子(CCDC-MOS)は色を持っていない。そのために光学フィルタを使ってわざわざRGB3色の成分に分解してそれを画像形成する際に合成した色として表現している。そうした仕組みを良く理解すると「カラー」は「モノクロ」の階調を基調とした合成技術の賜であることが理解できよう。

-階調 ( shade)  階調数 / 諧調

階調とは、コンピュータが画像を扱う際に、色の濃さや明るさを何段階で表現することができるかを表す数を指す。この数が大きいほど細かな色や明るさの違いを表現できるが、画素あたりのデータ量は増大する。

自然界では色は光の波長によって異なり、連続量の一種だが、コンピュータで画像を扱う際にはこれを離散量(有限桁の数値)に変換する必要がある。その際、ある色の最も明るい(濃い)状態と暗い(薄い)状態の間を何段階で識別・表現することができるかを表す値が階調である。

-ガンマ値  gamma value  γ値

ガンマ値とは、画像の入出力機器の特性を表す値の一つで、入出力される信号や電圧と、実際の画素の輝度などの関係を表したものである。

表示装置で発光素子などに対して加える電圧の変化と、対応する輝度の変化は正比例とはならず、入力値を装置に固有の指数でべき乗した値に比例するという関係になることが多い。この固有の指数のことをガンマ値と呼び、機器の種類や原理、個別の製品の設計などによって異なる。液晶ディスプレイの場合は2.2前後の値となる。

ICS_色調整_グレースケール_ガンマ_2_new
最も単純な階調は白黒画像(モノクロ2階調)であり、すべての画素が真っ白と真っ黒のいずれかで表現される。一般にモノクロ画像あるいはグレースケール画像と呼ばれるものは白と黒の中間に濃さの異なる複数の灰色を表現することができるもので、よく用いられる256階調(各画素の情報量は8ビット)のモノクロ画像では白、黒、254段階の灰色の256色を表現できる。

カラー画像の場合は色を複数の原色に分解し、各色の階調の組み合わせで表現できる色の数が決まる。一般的には色をRRed:赤)・GGreen:緑)、BBlue:青)の3色に分解し、それぞれを同じ階調で表現することが多い。この各色について256段階(8ビット)の階調を扱うことができる方式を「フルカラー」(full color)あるいは「トゥルーカラー」(true color)と呼び、16777216色を表現することができる。

ICS_色調整_グレースケール_3
 

表色系から見た画像の表現方法

・色度図上の分布

ICS_色空間_xy_色度図_カラー座標_new XYZ表色系(Yxy表色系)」は、1931年にCIE(国際照明委員会)で標準表色系として承認された色の表わし方である。マンセル表色系やNCSといった顕色系の色体系と異なり、混色系の色体系である。混色系とは、原色を設定してその混色量で色を表示する体系のことで、色の定量的表示に適している。「XYZ表色系」は、[R][G][B]Red/Green/Blue)という「色光の三原色」の混色量を原理にしている。この原理は、人間はRGB3種類の受容器によって色を知覚しているという「ヤング-ヘルムホルツの三原色説」の上に成り立っています。

 CIEは、色の表示を標準化するために[R][G][B]という原色を、赤原色[R]700nmnm=ナノメートル)、緑原色[G]546.1nm、青原色[B]435.8nmの単波長光と定め、これらの原色を用いた「等色実験」(三原色を調整しながら混色し、等色した=等しい色に見えた、その瞬間の三原色の各混色量を測る)を重ね、「等色関数」(人間の標準的な色覚を数値化した関数)を定義しました。

 色度図で表現できる色は、色の分布(上図参照)に示した通りであるが、これは明度L100の場合を示している。当然のことながら、表色はL値によって大きく変化するのでL値がいくらで表現しているかが色表現のポイントなる。また、色度図の外周はいわゆる純色を示しており(意外と知らない人が多い)、また、本来の色温度は色度(xy)上に座標で示される位置で光源特有の色として表わされる。

 

・マンセル表色系の特徴

 マンセル表色系(Munsell color systemは、色を分類、整理するための色彩体系の一つである。色の三属性(色相、明度、彩度)を見た目に等しい間隔となるように区分された顕色系の表色系である。

マンセル表色系は、アメリカの画家で美術教育家でもあったアルバート・ヘンリー・マンセル Albert Henry Munsell, 1858-1918)によって考案された。

現在使われているマンセル表色系は、マンセルの没後、アメリカ光学会(OSA)が実験によって修正を加えたものである。初期のマンセル表色系と区別するために「修正マンセル表色系」と呼ぶ場合もある。

-色相(Hue, ヒュー)

ICS_色空間_マンセル_色体系_色調図_newマンセル表色系の色相(Hue, ヒュー)はRYGBP(赤、黄、緑、青、紫)の5 を基本色として、それぞれの中間色相YRGYBGPBRP(黄赤、黄緑、青緑、青紫、赤紫)の5色を加えた10色を色相を表す記号として使う。

色相の並びは、RYRYGYGBGBPBPRPとなり、これを時計回りに円環にしたものを色相環と呼ぶ。

マンセル表色系では「10BG2 .5B5B7.5B10B2.5PB」など、色相の前に110の数字をつけることで、色みの違いを表す。

5の数字がついた色相は、その色相記号の代表色相となる。

10分割した場合、10YRから1GYまでは「10YR1Y2Y3Y4Y5YYの代表色相)、6Y7Y8Y9Y10Y1GY」のようになる。(0は使わないため、隣の記号の前に10をつけて表す)

-明度(Value, バリュー)

マンセル表色系の明度はグレースケールを基準とし、理想的な白の明度を10、黒の明度を0として、9色の無彩色を間に均等に置き、合計11段階に設定されている(小数点を入れた数字でも表示できる)

実際の色票では最も明るい明度は9.5、最も暗い明度は1.0となっている

-彩度(Chroma, クロマ)

マンセル表色系の彩度は、無彩色(彩度0)からどれだけ離れているかを表している。

数字が大きくなるほど彩度が高くなる。最高彩度の値は色相によって差があり、また同じ彩度でも色相によって鮮やかさが異なるように見えるす。

-色の表示方法

マンセル表色系では、色の三属性を表す数値を「色相(Hue 明度(Value/彩度(Chroma)」の順に表し、英語の頭文字をとって「HV/C」とも呼ばれる。読み方は、「5R 4/14」(ごあーるよんのじゅうよん)のように、明度と彩度を区切る「/」は「の」と読む。

無彩色の場合は、「N3」のように、中性を意味する「Neutral」の頭文字Nの後に明度の数値をつけて表す。

 加えるに、マンセル表色系は、デザイン部門では多用されている色空間である。これは、視覚的な要素を取り入れたことに特徴というかメリットが存在する。写真系では色の一致性を追求でき、均等性のある立体色空間(三次元表示)を好むためにCIE L*a*b*色空間がデファクトスタンダード(業界標準)になっているが、現代の多様性、顕美性、視覚性などに対応させることを考えるとマンセル表色系が良いと考えている。

 

・ディスプレイの色表現

ICS_色混合_デジタル_構成_newディスプレイ(display モニタ (monitor) ともいい、コンピュータなどの機器から出力される静止画または動画の映像信号を表示する機器である。

コンピュータの出力機器の一つであり、画像を表示する方法には以下のようなものがある。

-ブラウン管 (CRT)

-液晶ディスプレイ (LCD)

-プラズマディスプレイ (PDP)

-有機ELディスプレイ (OLED)

-マイクロLEDディスプレイ マイクロLEDディスプレイ Micro LEDmLED

-ビデオプロジェクタ

このうち、ビデオプロジェクタはブラウン管または液晶の表示をレンズで拡大表示するものが多いがデジタルミラーデバイス (DMD) を使ったものもある。

デスクトップパソコン向けの単体のディスプレイ装置は、かつては、ほとんどがブラウン管を使用した、パソコン専用のディスプレイだったため、CRTという用語がディスプレイ装置全体を指すほどであった。また、パソコンのグラフィック出力はテレビ(アナログブラウン管)よりも高解像度になり、専用のディスプレイはテレビよりも高価であった。

しかし1990年代後半から液晶を用いた単体のディスプレイ装置が登場し、2007年頃までにパソコン専用のCRTの新規生産出荷はほとんど行われなくなった。2009年現在では単体のディスプレイ装置の主流は液晶となっている。また、テレビ(デジタル化、液晶、PDP等)も高解像度となり、パソコンと接続して画像表示が可能になっていった。

パソコン専用の単体のディスプレイ装置(ブラウン管・液晶とも)については、パーソナルコンピュータ (PC) 本体とともに、「資源の有効な利用の促進に関する法律」の適用を受けることになり、メーカーによる回収・リサイクルが制度化された。

ビデオ信号はビデオ表示回路(ビデオカードなど)で生成発生され、少なくとも一つ以上の表示規格を満たす。規格には画面サイズ(表示領域の大きさ、表示画素数では無いことに注意)、発色数、水平および垂直方向の走査周波数、信号インターフェースの電気的特性などがあり、これらのいくつかは互いに関係しあう。

技術畑の人たちには「ディスプレイ」という言葉のほうが「モニタ」よりも好まれることがある。これは「機械語レベルのデバッグ」や「スレッド同期機能」をあらわす「モニタ」と混同しやすいためである。コンピュータディスプレイは、他に「ビデオ表示端末」(VDT) とも呼ばれる。

 

CIE L*a*b*色空間と均等色空間

CIE L*a*b*色空間(L*a*b*色空間、CIE 1976

ICS_色空間_Lab_1_new
CIE1976年に定めた均等色空間のひとつである。次の三次元直交座標を用いる色空間をL*a*b*色空間またはCIE LAB(シー・アイ・イー・エル・エー・ビーまたはシーラブと呼ぶ)色空間という。実際の色の数値化には、表色系を使用して、次式で計算される。

ICS_色空間_Lab_1b










 L*a*b*色空間(Lab color space)は補色空間の一種で、明度を意味する次元 L と補色次元の a および b を持ち、CIE XYZ 色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。

Hunter 1948 L, a, b 色空間の座標軸は Lab である。しかし最近では CIE 1976 (L*, a*, b*) 色空間の非公式な略称としても Lab が使われている(こちらは CIELABとも呼ばれ、座標軸は実際には L*a*b* である)。このため、単に Lab と記述すると若干あいまいとなる。これらの色空間は用途は相互に関連しているが、実装は異なる。

どちらの色空間もマスターの色空間である CIE 1931 XYZ 色空間から派生したもので、CIE 1931 XYZ 色空間はどのスペクトル出力分布が同じ色として知覚されるかを予測できるが、知覚的均等性はなかっICS_色空間_Lab_2a_newた。マンセル・カラー・システムに強く影響され、どちらの"Lab"色空間もXYZ空間から単純な式で変換できるが、XYZよりも知覚的に均等になっている。「知覚的に均等」とは、色の値が同じだけ変化したとき、人間がそれを見たときに感じられる変化も等しいことを意味する。色を有限精度の値で表すとき、これによって色合いの再現性が向上する。どちらのLab色空間も、ホワイトポイントの変換前のXYZデータについて相対的である。Lab値は絶対的な色を定義するものではなく、あくまでもホワイトポイントを指定した上での相対的値である。実際にはホワイトポイントには何らかの標準を仮定し、明確に示さないことが多い。例えば、絶対的値を示すレンダリングインテントである ICC L*a*b* CIE標準光源 D50 をホワイトポイントとした相対値であり、他のレンダリングインテントとは相対的関係にある。

CIELABにおける明度は相対輝度の立方根を使って計算され、Hunter Lab では平方根を使う(近似方法がやや古い)。既存の Hunter Lab 値と比較するなどの用途以外では、一般にCIELABの使用が推奨されている。

ICS_色空間_Lab_3_new

均等色空間

 一般にUniform Color Spaceのことを指す。色空間上での距離・間隔が、知覚的な色の距離・間隔に類似するよう設計されている空間。色の物理的な差異よりも、人間の知覚上での差異に主眼を置いた色空間。工業的には、工業製品の色彩の管理に要請される。

ICS_色空間_Lab_均等性_new
色の均等性は色空間を表現するのにとても重要な要素である。なぜかというと色域で表現する際、同じ範囲で表現される色が違っていたら、色調を正確に判断することができなくなるからである。

理想的な色空間の表現は上図のようになっていることである。

ICS_色空間_Lab_xy_2b_new
左側は、色度図上で同心円が同じ大きさになっており、均等な色を表現できる。

中央は、色相の線も角度が均一でしかも直線的(曲がっていない)になっている。

右側は、従来の色度図を均等化したものである。(u”,v’軸になっていることに注意)


色空間と色変換の本質

 色空間は本来三次元空間に表示されるのが正解なのだが、(特に、写真やデザインに関わる)映像業界では、一般的に二次元空間を用いることが多い。しかし、二次元空間だからといって信憑性がないとは言い切れない。その理由は、下図右側に示したように色表現は顕色系(色の三属性である「色相・明度・彩度」など、色を3つの特徴によって表現する表色系)であれ、混色系(「赤」、「白」、「黒」など何個かはじめにもととなる色(一次色)を決めて

それらの混ぜ具合(混色量)によって色を表現する表色系)その色空間はCIE XYZ表色系を基本としており、そのZ軸方向から見た姿(XYつまり色度)をトレースしているからである。周知の通り色空間ははCIEによって定められたXYZ系を二次元表現したものである。(下図右側)この図は非常に重要な意味を示唆していることに気づくであろう。

座標軸はXYZで表現され、その中に色空間が三角錐の中に表現できる。そしてZ軸は色の階調(濃度、濃淡)を示している。そしてCIE XYZで表現した部分がまさに各濃度における色空間を表しているから、当然のことながら各濃度における色域を表している。つまり、色空間はブラック(L=0)の部分で黒にシュリンクするし、ホワイト(L=100)で色域が最大になる。従って、色度図(xyY表色系)を見る場合に特に注意することはL値がいくらで表現されているかである。よくメーカーのカタログに色度図が表示されているが、L=100での色空間であるので、現実のL値に換算した色空間を想定すべきである。(出ると思っていた色が出ないのはこの誤謬によるものが多い)

さらに、ホワイトポイントWPの位置(の変化)にも注意が必要である。図の中央付近にあるWPが白を表現するが、Zの値がL値の変化で移動していることが分かる。また、WPが光源の色温度によって変化しその0軌跡は色度図上を移動していくことも重要な知見である。xyY表色系は、また、知覚色空間を表現する場合にも用いられる。SShort(短波長)

MMiddle(中波長)、LLong(長波長)をそれぞれ表し、人間が見た色刺激の値になっているので、知覚的な表現が可能になる。

ICS_色空間_3_new
  色空間(color spaceは、立方的に記述される色の空間である。カラースペースともいう。色を秩序立てて配列する形式であり、色を座標で指示できる。色の構成方法は多様であり、色の見え方には観察者同士の差異もあることから、色を定量的に表すには、幾つかの規約を設けることが要請される。また、色空間が表現できる色の範囲を色域という。色空間は3種類か4種類の数値を組み合わせることが多い。色空間が数値による場合、その変数はチャンネルと呼ばれる。

色空間の形状はその種類に応じ、円柱や円錐、多角錐、球などの幾何形体として説明され、多様である。

最も多用される色空間はCIE L*a*b*表色系であるが、これは次回に詳述するとして、同系列のHSV表色系(下図上側)とHLS表色系(下図下側)を参考のため簡単に記載する。

HSVはコンピュータ上で絵を描く場合や、色見本として使われる。これは、色を色相(色味)と彩度という観点から考える場合、加法混合や減法混合よりも自然で直感的だからである。HSVには色相 (hue)、彩度 (saturation)、明度 (value) が含まれている。HSB (hue, saturation, brightness) とも呼ばれる。

ICS_色空間_HSV_3_1_rev
HSVモデル

HLSは、HSLHSIなどとも呼ばれる。色相 (hue)、彩度 (saturation)、輝度 (luminance) よりなる、HSVに近い表現法である。明度と輝度との違いは値の算出方法である。HSVでは純色と白が同じ明度で表される六角錐モデルだったのに対し、HLSでは純色の輝度を50%とする双六角錐モデルで表現する。

ICS_色空間_HLS_3_2_rev
HLSモデル

 ICS_色管理_色変換_本質_1b_new カラーマネージメントシステムにおいては、色合わせが非常に大切である。原画に忠実な色表現を行うことは色再現の鉄則であるが、厳密に言えば100%合わせ込むことは不可能である。だからこそ色合わせはできるだけ原画に近い(色近似色)で創成されなければならない。

良くある誤謬で右図にあるように、「オリジナル」と「再現色」を一致させることが目的であるから色を加工してきれいに補正することはカラーマネージメントの趣旨に反するものであると肝にめいじて欲しい。

また、色補正の方法は様々なアプリケーションソフトが存在するが、簡単に言えば、下図に示すように、原画像の色を出力機(インクジェットプリンタや印刷機など)で出すときできるだけ原画像に近い色になるように置換して、出力している。

例えば、下図の場合、なにも補正しないで最初にプリントしたら変換前に赤、緑、青、黄がそれぞれ+!,+2,+1,0となったとする。それが変換時に赤、緑、青、黄をそれぞれ-1,-2,-1,0という補正値をかければ、理論的に変換誤差は全て0になる。

実際には、変換はそんなに簡単ではなく、複雑な処理をして色変換をしていることになる。

ICS_色管理_色変換_模式図_2_new

 

メタメリズムとアイソメリズム

写真は光の芸術であるが、それにしても光が映像に大きく影響を与えていることは何とも理解しがたいことのように思われる。このようなことが問題視されるのは、人間が目を通して者の形や色を知覚し、なおかつそれらの情報を脳で弁別・認識することから自然の理として捉えられなければならない。

例えば、デパートの照明で見た洋服の色と家の照明で見た色が違って見えたことはないだろうか?これは言うまでもなくメタメリズムという現象である。

本来的にみれば照明光で見た色はどちらも光で見た色なのだから同じに見えて当然だと考えてしまうのが普通のように思える。が、そうではないところに光の難しさがある。

 

#1メタメリズム

・メタメリズムの概念

 物体の色は照明光源の違いによって、いろいろと変化して見えるということが分かっている。ところで、例えば「太陽の下で同じ色に見えていた2つの試料が、室内に入って見たら違う色に見える」という場合がある。

下図を見てください。試料Aと試料Bを分光測色計で測定すると、分光反射率グラフで分かるように、分光反射率がそれぞれ違っている。また、測色用標準イルミナントD65で測定した値(L*a*b*)は同じであるが、測色用標準イルミナントAで測定した値(L*a*b*)は違っている。このように、分光反射率が異なる2つの色が特定の光源下で同じ色に見えることを、条件等色(メタメリズム(metamerism)と呼んでいる。条件等色(メタメリズム)は、着色材(顔料、染料)の種類が異なっていると起こりやすくなる。なんとも不思議である。では、この「条件等色」の問題を解決するためにはどうすればよいのであろうか。

条件等色の評価は、測色用標準イルミナントD65と測色用標準イルミナントAのように、発光特性の大きく違う2種類以上の光源で測定する必要がある。刺激値直読方法の測色計には、1種類の光源しか内蔵されていない。したがって、条件等色を測定することができない。

その点、分光測色計には、たくさんの照明光源のデータが内蔵されているから、条件等色を測定することができる。さらに、分光測色計の大きな特徴でもある分光グラフ表示機能によって、2の色の違い(波長成分の違い)をグラフによってはっきりと示してくれる。

ICS_色管理_メタ_演色性_メタメリズム_概念_1_new
・メタメリックマッチ

三刺激値を目標色に合わせようとする方法が考えられる。この方法で行うCCMをメタメリックマッチと呼ぶ。ここでいうCCMは、現在広く知られているようにComputer Color Matching(コンピュータカラーマッチング)の略号である。

視覚色を三刺激値で一致させるということは、計算する光源下では一致しても、他の光源では色が合わないリスク(つまりメタメリズム)を持つが、手持ち色剤を利用してほとんどの色を出すことができるメリットがある。

ICS_色管理_メタ_演色性_メタメリズム_概念_3_new

D65光源

目標色

CCM結果

L=50.73

L=50.73

a=4.01

a=4.01

b=-4.37

b=-4.37

ΔE=0.00

 

A光源

目標色

CCM結果

L=50.79

L=50.95

a=3.51

a=6.98

b=-5.02

b=-4.88

ΔE=3.48

 

演色とは照明される光源の違いによって色の見えかたが異なる現象をいい、その特性を演色性という。

一般に演色性とは自然光と対比させた光源の性質をあらわすものである。

一方、メタメリズムは等色条件ともよばれ、条件が変わることによって等しく見えた色が異なってしまうことをいう。メタメリズムには、湿潤・温度・光源などがあるが、一般にメタメリズムというと光源間メタメリズムを指す。

ICS_色管理_メタ_演色性_メタメリズム_概念_2_new

上図のように、光源が変わって色が変化しても、メタメリズムがなく等色に見える場合がある。逆に演色性がないが、メタメリズムがある場合もある。要するにメタメリズムとは、サンプル間の色比較を表すものである。

 

 

#2 アイソメリズム

・アイソメリズムの概念

 アイソメリズム(isomerismは、同じ色紙を2枚に切って比較した場合、その光分布は同じであり、照明光源を変えても当然同じ色に見えることである。→同色と同義。

 つまり、分光反射率を再現するというもので、「全く同じ物を複製する」というような再現のやり方である。照明条件が変わっても等色が成立するisomerism(アイソメリズム)である.印刷物と印刷物というようにメディアが同じ場合は何とかなるのであるが、CRTと印刷物のようにメディアが異なる場合は事実上不可能である。

 分光的色再現では分光分布を一致させるので、オリジナルと再現物はどんな照明のもとでも(オリジナルと再現物の照明がそろっていれば)同じ色に見える。このような等色をisomerism(アイソメリズム)という。

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ICS_色管理_メタ_演色性_アイソメリズム_概念_2_new
・アイソメリックマッチ

反射率を目標色に合わせようとする方法が考えられる。この方法で行うCCMをアイソメリックマッチと呼ぶ。反射率が合致した場合、メタメリズムによる色変化を完全に取り去ることができ、理想的な色合わせであるといえる。

しかし、目標色と同じ色剤・下地(生地や紙)の場合でないと、反射率を合致させることは難しく、手持ち色剤を利用する着色業では利用範囲が限られる。

ICS_色管理_メタ_演色性_アイソメリズム_概念_3_new

D65光源

目標色

CCM結果

L=50.73

L=50.73

a=4.01

a=4.01

b=-4.37

b=-4.37

ΔE=0.00

 

A光源

目標色

CCM結果

L=50.79

L=50.79

a=3.51

a=3.51

b=-5.02

b=-5.02

ΔE=0.00

 

 

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