アンディマンのテクノロジー(援技力)

写真表現に関わる専門的な知識を補うために設けたブログです。 新たらしい時代に相応しい技術情報を掲載していきます。 普段疑問に思った問題の解決に繋げるテーマを醸成していきます。

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アナログからデジタルへの画像形成過程

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  図は、画像形成の過程で画像がどのように伝送されていくかの系統を示したものである。
映像のデジタル化とともに応用されてきた技術は、一言でいうとコンピュータ技術を基礎とした画像処理と画像形成の技術であるといえる。つまり、これらの技術はデジタルという概念に属する。ということはとりもなおさず量子力学の領域(世界)と言っても過言ではない。
 映像に関わる技術者、特に写真業界においては、写真光学や量子力学云々といった言葉は敬遠されタブー視されがちであるが、あらゆる技能や手法の根底に流れている学問はこういった基礎理論に基づいていることを認識する必要がある。もちろん、個人の「立ち位置」に合わせた知識・技能の習得はまったく個人の自由意思によるものであるからこれらの学問を学習すべきであると強制的に言う積りは毛頭ない(必要もない)。
ただ、ひとこと言わせて貰えば、どんな業務であれ「指導的立場にある技術者」はある程度の知識・技能を身に着けていることはあたり前であり、言う及ばないことであることを理解して頂きたい。
 
 この図は、教科書やネットなどではよく見かけるものである。
画像形成のプロセスをよく見ると、アナログからデジタルに変換され、かつ、デジタル化された画像データがそのプロセスの中で色々な形で処理(編集、補正、加工など)されている。かつて、映像メモリで銀塩フィルムを用いた材料はアナログ的、固体撮像素子(CCDやCMOS)を用いた材料はデジタル的と言われたが、実際は逆でフィルムはデジタル的で、CCDはアナログ的なのである。ここではその証明をするのは止めるので興味のある方はこのことを掘り下げて考えてみて頂きたい(いずれこのシリーズで説明したい)。
 「光学的処理」の部分はアナログもデジタルも大した相違はない(ただし、光学デバイスは異なっていることは覚えておいてほしい。つまり、レンズで言えば仕様が違っている=同じレンズを使っているのではない、ということである)。次に実行されるプロセスは「アナログ/デジタル変換」である。これは光学系を経てCCDに映像が投射・投影されそこで初めてデジタルデータに置換される。この時に重要になるのはサンプリング周波数が関係していることである。

ここでサンプリング(標本化)とはIT用語辞典によれば「ITの分野では、信号処理の手法の一つで、アナログ信号などの連続量の強度を一定の時間間隔で測定し、観測された値(標本値)の列として離散的に記録することをサンプリングということが多い。デジタルデータの列として記録したい場合は測定と同時に値の量子化(quantization)が行われる。音声をデジタルデータとして記録するために用いられる手法として有名。測定の間隔をサンプリング周期(sampling cycle、標本化周期)、その逆数である頻度(単位時間あたりの回数)をサンプリング周波数(sampling frequency、標本化周波数)という。頻度の多寡は通常サンプリング周波数で表現され、単位はHz(ヘルツ、毎秒1回が1Hz)が用いられる。例えば、音声を44.1kHz(キロヘルツ:ヘルツの1000)でサンプリングするといった場合、音声信号の強度を毎秒44100回記録し、その測定値の列として表現することを表す。」であり、サンプリング周波数とは、「アナログ信号からデジタル信号への変換(AD変換)1秒間に何回行うかを表す数値。単位は「Hz」。音声ファイルについて用いられることが多い。ある音を正確に記録し、再現するには、その音の周波数の倍程度の周波数でサンプリングする必要があると言われている。CDで採用されているサンプリング周波数は44.1kHzである。

ここではCDの場合を対象としたが、画像についても全く同じ概念である。本来サンプリングするといえば連続量を「飛び飛びの値」(量子化=デジタル化)にするのであるがその時の分割量(周波数)が小さいと荒れた画面になるが適当な周波数をでデジタル化するととても高画質な映像が得られる(極端に言えば、デジタルはアナログの一部のデータを利用しているのでサンプリング周波数によってはデジタルより遥かに悪い画質になる)。

時々写真家の中でデジタルはアナログを凌駕したと言っている人を散見するが、それは間違いでアナログとデジタルは別物で比較してもあまり意味がないことに気づくべきである。一応学問的に言えば、サンプリング周波数を十分に上げてやれるとアナログと同等になると定義づけされている。

最後に、「A/D変換」された(デジタル)データは、次のプロセスで色空間変換・色調整・加工され、さらに画像圧縮されてメモリに保存(JPEG,TIFFなど)される。

 このようにオリジナル画像はアナログからデジタルに変換され、最終的には出力デバイス(モニタやインクジェットプリンタ、印刷機など)で画像として出力される。



階調表現の例

ICS_画像形成_インク_濃度_面積_階調_new
画素(ドット)による階調表現
 ここではインク滴によって階調を変化させる仕組みについて説明する。
そもそも、「階調」とは何かというと、IT用語辞書バイナリーによれば、「階調とは、色の濃淡の変化のこと、または濃淡変化の滑らかさのことである。コンピュータにおける画像表現の細かさを表す尺度として用いられることが多い。

階調はある色について用意された濃淡の段階の数によって数値化される。階調が多ければ多いほど、色彩は滑らかに表現できる。例えば2階調で表現された画像は白と黒の2段階しか濃淡がなく、モノクロとなる。白黒の間に中間色としてのグレーが1段階用意された場合には、階調は3となる。

一般的に、パソコンのカラーディスプレイは表示をRGBの色空間で扱っている。このとき、R(赤)、G(緑)、B(青)の色がそれぞれ2階調ずつあれば、表現可能な色の組み合わせは2の3乗、すなわち8色となる。

普通のパソコンはRGBの各色を256階調ずつ表現できるようになっている場合が多い。この場合に表示可能な、256の3乗すなわち1677万7216色が、現在では便宜的にではあるがフルカラーと呼ばれている。

なお、「階調」を英語に訳すると「グラデーション」(gradation)となる。ただし「階調」といえば、数値化された濃淡の段階数を指すことが多いのに対して、グラデーションといった場合は濃淡が徐々に変化している状態そのものを指す傾向が強い。」ということである。


ではインク階調を創るためにはどうするかということであるが、インクを形成している要素(インクの粒子)を変化させることに他ならない。つまり、インクには「染料」と「顔料」の2種類があるが、いずれの場合もインク粒子の数を増やせば濃度は徐々に高くなり、階調の変化が得られる。もちろんインク製造の過程ではインク粒子の濃度を調整できるのでオリジナルのインクは一定の濃度を持っている。


一方、濃度階調を形成する方法には、2つがある。その1つが画素濃度階調法であり、もう一方が面積階調法である。

図に示したように、極端に言えば、画素濃度階調法はインク粒子の大きさを変えることによって階調を得る方法であり、面積階調はインク粒子の数を変えることによって階調を得る方法である。どちらの方法が良いかはそれぞれの特徴を生かせた方を採用すれば良い。ただ単純に言えることは、インク滴の大きさを制御するのと、確実にインク滴を目標エリアに着弾させるのとどちらを採用するかの違いで、これはインクメーカーとプリンタメーカーの考えに依存する。

結果的に用紙の表面に(着弾後に)分散することには両者とも同じと考えれば、品位の差はほとんどないと考えられる。


イ ンク ジ ェ ッ トプ リン タの 階 調表 現技術についてとても参考になる文献があるので、興味があれば参照して頂きたい。(下記のURLで閲覧可能)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/photogrst1964/68/4/68_4_296/_pdf/-char/ja


光のスペクトルと色混合

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[図1]光のスペクトル(電磁波)
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[図2]色混合(加法混色と減法混色)

 図1は、皆さんおなじみの「光のスペクトル」である。要するに人間が識別できる色の領域(これを可視光線という)でいわゆる赤橙黄緑青藍紫という虹の7色を形成している。しかしよく考えてみるとこれらの光の色はすべてエネルギーを持っていることに気づくであろう。つまり、紫は紫外線の手前に配置されており強力な光が得られる(例:青色LED)。赤は赤外線の手前に配置されおり温暖な光が得られる(例:赤色LED)。これらをまとめると可視光線は電磁波の一部となっている。これらの電磁波は波長(周波数)によって発光する色が決まる。そして電磁波=エネルギーという近代科学の基礎となる、E=hν という有名な等式が得られることが証明されている。
 写真家が意識すべき点は、カメラを構えて撮影する時にどんな光の環境にあるかを考える必要がある。青い海原を撮るときはエネルギーの高い光を受けるし、太陽が沈む風景ではエネルギーの低い光を受けることである。このことは、固体撮像素子(CCDやCMOS)に対してどのように情報を与えられるか、を考えないと画像全体の色のバランスを壊してしまうことを意味している。ちなみにJISでは可視光線の範囲を380nm~780nmと定めている。なお、波長(nm:ナノメーター)と周波数(ν:ニュー)は逆数の関係があるので紫が赤より2倍以上のエネルギーを持っていることになる。(上式のhはプランク定数といい、6.626x10-34Js(ジュールセカンド)である)

 図2は、これも誰でも知っている色の混合原理である。光の三原色(RGB)を混ぜ合わせるのは加法混色である。また。色の三原色(CMY)を混ぜ合わせるのは減法混色である。ここで敢えてRGBだのCMYだのと述べたのには訳がある。例えば、CMYについて考えてみるとそれぞれの色を適当な割合で重ね合わせれば様々な色を創生できる。しかし、CMYを使った色混合は本当に減法混色といえるのであろうか?答えは否である。
何故そう言えるか?という疑問に対しての回答は、例えば色フィルタを使って説明できる。色フィルタを重ねていけば減法混色の原理で色が作れる。しかし、色フィルタを重ねないで並列に置いたらどうだろう。これは明らかに加法混色となる(疑義があればご確認を)。つまり言いたいことは、RGBとかCMYは関係ないのである。(RGB系ではCMYも入っているし、CMY系ではRGBも入っているので単純にRGBとかCMYとっても加法や減法を決める要素の色とは言えない)決定的に言えることは、2つ以上の色を重ね合わせたら明るくなる色の組み合わせが加法混合(究極的に「白」)であり、逆に暗くなれば減法混色(究極的に「黒」)である。
蛇足ではあるが、インクや絵の具のような色材の混合は、厳密にいうと決して減法混合を適用できないことに注意して頂きたい。理論的な説明は可能である(理論は確立証明されている)が、とても説明が難しいのでここでは省略するので、興味のある方は専門書で詳しく調べて頂きたい。
よく考えてみれば当たり前の話だが、意外とこのことに気づかな人が多く見受けられるのは残念である。
色を理解するのは簡単だといっても、注意深く考えると「常識から逸脱しても気づかない場合がある。」ことを理解して頂きたい。

画像を創生する


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 画像はどのようにして形成されるかという概念は、ベテランの写真家(指導的立場の人や大学などの教育者を含む)でもよく理解していないように見受けられる。また、時にはカリスマ的存在のインストラクタが説明する中で独自の主張(根拠がない、理論的でない、あるいは間違いや誤解)をしていることさえある。
 画像形成のプロセスは、
被写体→光学系(特にレンズ、色フィルタ、画像素子)→画像処理回路(色変換、色補正、レンダリングインテント=画像エンジンで処理)→モニタ(画像表示)→プリンタ(印刷)
である。
 図に示す通り、被写体を撮影した画像は、色フィルタを介してRGBの3つのチャンネルに分版される。これがメタデータの画像となる。この時のデータは各色の濃度レベルに合わせて0~255の段階に割り当てられる。
通常は、その値を基にLUT(LookUp Table)から最適値を選び最終的にプリントするインクの色に合わせた値に変換される。この時、非常に大事なことは、色の調和、特に全体の配色がバランスの取れたものになっているかどうかである。それを解決する手段として「色調和システム」を利用すると良い。
 実は、センスのある写真家やデザイナーは、色補正の段階で自分のセンスでやってのけているのでいちいちこのシステムを使わないで済むのである。
忘れてはならないことは、例えば「写真を撮る」となると好みのアングルで撮ってしまうが、露光量は勿論のことホワイトバランスや構図などをあまり気にしていなのである。だから、それらの画像要因を意識しなければならない、ということである。また、写真はよく「光と影」と言われるがその光をコントールすれば色はある程度恣意的に創れるということを常に念頭に置くことである。前に説明した立体色度図(あのコーン型をした図)を思い出して、どの明度ならどんな色が出せるかを考えると分かりやすい。



デジタル画像と色再現の仕組み

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図1 デジタル画像形成
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図2 色再現の方法(例)

 図1は原画像を撮影して、画像処理を行うまでのプロセスを示したものである。
大方のイメージクリエイターは、このプロセスが実際にどのように処理されているかを知らないままでいる。特別に知っていたからどうのこうのと言う積りはないが、このことを知っておくことはとても大切であると考えている。
一応説明すると、被写体(原画像)をデジタルカメラで撮影すると、光学系~カラーフィルタ(RGB or CMY)を通して固体撮像素子(CCD or CMOS)に送られそこで一旦画像データとして保存され、ビデオボードなどの画像処理デバイスに転送され、それを介してデジタル画像として抽出・保存される。この段階では完全にデジタル化された画像データ(数値データ)として3色画像に分版され(このケースではRGBの3チャンネル)、2値化データとして1~256色(0~255)に割り当てられる。この時に重要となることは、原画をアナログからデジタルに変換する際にサンプリング周波数が問題になる。(要するに原画像を縦横二次元でどれだけ細かく分割するかということ)
これは画像エンジンを開発する段階で決まってしまうので、ユーザーサイドではコントロールできないが、このサンプリング周波数が画質の決め手になることを知っておくことが必要である(周波数高いほどきめの細かい画像が得られる。しかし過大に周波数を上げても意味がない。人間の分解能力を越してまで上げないことである)。
つまり、自分が今撮影しようとする画像はどんな仕様のデジタルカメラを使うかを決める必要がある。

 図2は、色再現するテクニックの一例である。色再現方法は市販のソフトを使ったり、チャートを使って色補正(色調整)など山ほど存在するが、自分に合った環境つくりが、費用対効果を見極めながら行われることが重要である。画像処理ソフトや測定機器、チャートなどフル装備するとなると非常に高価なものになり誰でも揃えられるという状況にないのが現状だから、自分に見合った環境整備(妥協しながらも満足できるレベル)が必要となる。
この図は、オリジナルチャート(マクベスチャート)を使った例を説明するが、チャートを使った色再現は意外と簡単でしかも忠実度の高い画像が得られる(理由:人間の眼は数値化に弱いが微妙な色の違いには敏感であるからである)。実際の色再現は、まずオリジナルとしてマクベスチャートを使ってみる。その出力画像を見て各色の色合いを出来るだけ近似色になるように合わせ込む。この時注意すべき点は、合わせ込む色は中間調であり、決して原色(RGBやCMY)ではないことである(原色は自然界に存在する確率が低いから)。
こうして合わせ込んだ状態で、新たな被写体を撮影して、出力画像と比較して「恣意的な色再現」がなされているかどうかを判断する。チャートの補正も同様だが、画像補正はヒストグラムとガンマチャートによって補正すると分かりやすい。
兎に角、何度も述べるがコンテンツ(作品)は「恣意的な色再現」が絶対だから顧客要望を満たしながら恣意的な色を創生することが最大の目的となることを忘れてはならない。

ギャラリー
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